
その2「いくばくか」
「いくばくか」は漢字では「幾許か」または「幾何か」と書きます。「いささか」と似た「少量」「ある程度」を表す表現です。
「いくばくも~ない」の形で、「わずかしか~がない」という意味を表します。
たとえば、「貯金はいくばくもない」は、「貯金はわずかしかない」という意味です。
「いささか~ない」は「少しも~ない」「全く~ない」という意味を表すので、後ろに「~ない」などの打消し・否定の言葉が来るときは、意味が異なりますね。
その3「心持ち」
「心持ち」は名詞と副詞で意味が異なります。名詞の場合は「心のもち方、気だて」や「気持ち、気分」といった意味です。
「いささか」と類義語になるのは副詞として用いられるときで、「わずかな程度」「ちょっと」「ほんの少し」といった意味を表します。
たとえば、「心持ち右側に移動してください」は、「ほんの少し右側に移動してください」という意味です。
「いささか」の対義語は?

「いささか」の対義語には、数量や程度がある程度より多い、またはそれ以上…といったニュアンスの言葉が当てはまります。
たとえば、「随分」「甚だ」「非常に」です。どのような意味があるか見ていきましょう。
その1「随分」
「随分」は「ふさわしい程度を超えているさま」や「普通の程度を超えているさま」を表す表現です。「わずか」や「ほんの少し」を表す「いささか」とは反対の意味ですね。
たとえば、「随分お金が貯まりました」は、「普通より多くのお金が貯まりました」という意味を表します。
ただ「随分」は、文脈や場合によっては「20歳と聞いていたのに、年齢の割には随分と老けている印象を受ける」のように、「予想外」や「不本意」というニュアンスが含まれることがあるので注意が必要です。
その2「甚だ」
「甚だ」は「はなはだ」と読み、「普通の程度をはるかに超えているさま」を表す表現です。「わずか」や「ほんの少し」の意味の「いささか」とは反対の意味を持っていますね。
たとえば、「甚だ申し訳ありません」は、「大変申し訳ありません」という意味になります。
「甚だ」にはマイナスのニュアンスはありません。「甚だしい」の形で使われる場合は、マイナスのニュアンスが含まれます。
その3「非常に」
「非常に」は「普通の程度を超えているさま」を表す表現です。「わずか」や「ほんの少し」という意味の「いささか」とは反対の意味を持っている表現ですね。
たとえば、「非常に多くの雨が降った」は、「普通ではないほど多くの雨が降った」という意味になります。
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