
[形容動詞]
1.真犯人は黒田さんじゃないかと、いささかな疑いを持っている。
2.いささかなりともお役に立てるよう努力いたします。
3.(現代語では「いささかに~打消し」の形はほぼ使用されません。)
[副詞]
1.きのう田中さんにはいささか申し訳ないことをした。
2.今日の試合について、いささかの不安もない。
まずは[形容動詞]の例文から見ていきましょう。
例文1では、「少し疑いを持っている」という意味で「いささか」が使用されています。
形容動詞として使用する場合は、例文2のように「いささかなりとも」=「わずかなりとも」、「いささかながら」=「わずかながら」といった複合語の表現で使用されることが多いです。
次に[副詞]の例文を見ていきましょう。
例文1では、「少し申し訳ないことをした」という意味で「いささか」が使用されています。
例文2は、今日の試合について「全く不安がない」という意味です。「いささか~ない」「いささかの~ない」の形で「少しも~ない」「全く~ない」という意味を表します。
「いささか」の類義語は?違いは?
「いささか」の類義語には「若干」「いくばくか」「心持ち」があります。
その1「若干」
「若干」は「いささか」と似た言葉で、「それほど多くない少しの量」という意味を表します。「若干」には「正確な量はハッキリしないが」というニュアンスが含まれるのが特徴です。
ちなみに「若干」の語源は、「干」の字を分解して「一の若く(ごとく)十の若し(ごとし)」という意味を表すところから来ています。「一のようで十のようである」ハッキリしない少量を表す表現です。
たとえば、「山田さんがパーティーに遅刻しないか、若干不安である」は「少し不安である」という意味を表します。
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