
「差異/異なる/相異なる」
「違いがある」という意味の言葉に「異なる」があります。この「異なる」という言葉は多数の類義語を持っており、多くは「違う」「違い」という意味になるため、ほぼそのまま「相違」と置き換えて問題ありません。
ただし「差異」という言葉だけは、読んで字のごとく「差がある」というニュアンスを内包するため、少々意味がずれています。置き換えの際は注意が必要です。
「食い違い/齟齬」
「食い違っている」という言葉も「相違」の類義語として挙げられます。この言葉は単純に「違いがある」ということではなく、「2つを比べてどちらかが間違っている」というニュアンスを含んでいるのです。「齟齬(そご)」も同様に「食い違い」を意味しています。
「相違」には「どちらかが間違っている」というニュアンスはありませんが、「食い違い」とは意外に互換性がある状況も多いです。以下の例文を見てください。
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1.その話は以前聞いた話題と食い違っている。
2.その話は以前聞いた話題と「相違」している。
上記の2つは意味が同じ文章です。2の文章は「2つの間に違いがある」という意味ですが、状況的にどちらかが正解であり、どちらかが間違っているという際にも「相違」を用いた文章にすることができます。
つまり、本来はややズレた意味同士ながら、状況的に同じ意味を指すことがあるのです。
シンプルだから悩まれる「相違」
「相違」という言葉は意味も使い方も、覚えてしまえば非常に単純明快です。しかし、そのシンプルさがかえって勘違いを招いたり、使い方に戸惑われたりする原因になっている、とも言えるでしょう。「相違」に限らず、そのようなときはまず自分で読み書きして使用してみることが近道です。実際に自分で使用することで、知識ではなく身についた言葉として使えるようになっていきます。言葉によっては使おうにもなかなか難しい場合もありますが、その点「相違」は比較的一般的に使用できる言葉であり、練習も容易です。少々固い言葉であるため、どうしてもビジネスシーンでの使用イメージがあるかもしれませんが、それ以外でも少し改まった場面などでぜひ使って、自分のものにしてください。