この記事では「相違」について解説する。「相違」は知名度としてはそれほど低い単語じゃないが、あまり日常で頻出する単語でもない。また、意味はわかりやすいが、具体的にどう使うのかという段階で悩まれることも多いな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「相違」の意味や語源、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「相違」の意味って?

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「相違」の意味は以下の通りです。

相違(そうい)とは、違いがあること、および、そのような違いを意味する表現です。

出典:Weblio辞書 「相違 意味」

意味は特に難しくはなく、「違い」という意味です。使用する際も、「違い」という単語が登場する場面は大抵「相違」に置き換えて問題ありません。「相違」の「相」とは相手の「相」であり、互いにという意味があります。このことから、漢字によっても「互いに違う点」という意味を指しているという推測が可能です。

「相違」がある・ないとはどういうこと?

「相違」は使用される際、頻繁に「ある」「ない」といった有無を示す言葉が続きます。わかりにくい場合は、「相違」を「違い」に置き換えてみてください。「違いがある・ない」という言い方であれば、意味を掴みやすくなるはずです。他にも「相違点」という言葉がありますが、これも「違う点」と置き換えるとわかりやすいでしょう。

また、まれにですが「相違している・していない」という言い方もあります。これも意味は同様で、「違っている・いない」ということです。

「相違」の使い方

「相違」は以下のように使用します。

\次のページで「「相違」とは具体的に何か?」を解説!/

1.書類を拝見しました。記載内容に「相違」ありません。
2.この説明書とあの説明書で、「相違」点がないか確認してください。
3.同じ条件で実験したのに、結果が「相違」するわけはない。

上記の通り、書類やデータなど、わずかな違いが問題となる場合に使用されることが多い言葉が「相違」です。日常で使用しても問題ありませんが、「違い」というよりも「相違」と表現した方が改まった印象を与えるため、ビジネスシーンに向いていると言えます。反面、カジュアルさが重要な場面では「相違」という言葉は固い印象になるため、適切な使い分けが重要です。

「相違」とは具体的に何か?

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上記のトピックで「相違」とは「違い」という意味であると説明しました。実際は「違い」以外のニュアンスを含めて使用されてしまう場合もありますが、それは誤認です。以下のトピックでは、しばしば見受けられる誤解の形について解説します。

「相違」とは「逆/反対」を示すわけではない

「相違」の示す「違い」に対して、しばしば「逆のこと」「正反対のこと」を意味すると思われている場合がありますが、これは誤解です。より正確に言うと、「逆・反対という意味になるケースもある」というのが正解になります。

以下の例文のような状況が、誤認の原因になる流れです。

1.あなたの言うことは事実と正反対である。
2.あなたの言うことは事実と「相違」している。

\次のページで「「相違」とは差があることではない」を解説!/

上記の例文は、どちらでも特に間違っているというわけではありません。「正反対」ということは「違う」ということであり、「相違」という言葉にも置き換えられます。しかし、だからといって「相違=逆・正反対」という意味だと捉えるのは間違いです。あくまで「違い」という意味であり、必ずしも「逆・反対」と置き換えられるわけではないと覚えておきましょう。

「相違」とは差があることではない

「相違」の示す「違い」に対して、しばしば「差があること」を意味すると思われている場合がありますが、これも誤解です。以下の例文を見てください。

1.AはBに比べて劣っている。
2.AとBには「相違」がある。

上記の1と2は、一読すると同じ意味に思えるかもしれませんが、違います。「相違」はあくまで「違い」という意味であり、どちらかが優れているという意味は持っていません。そのため、1の例文ではAとBを比べるとBが優れているという意味になりますが、2の例文ではAとBの間に優劣は無いということになります。

「相違」の類義語には何がある?

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「相違」の類義語にはいくつかあり、傾向にも種類があります。基本的には「違い」と置き換えれば問題ありませんが、幅広い活用法を頭に入れておくことで、よりスムーズに読み書き出来るでしょう。ただし微妙に意味が異なる言葉もあるため、それぞれの意味を抑えた上で、置き換えても問題ない場合に置き換えてください。

\次のページで「「差異/異なる/相異なる」」を解説!/

「差異/異なる/相異なる」

「違いがある」という意味の言葉に「異なる」があります。この「異なる」という言葉は多数の類義語を持っており、多くは「違う」「違い」という意味になるため、ほぼそのまま「相違」と置き換えて問題ありません。

ただし「差異」という言葉だけは、読んで字のごとく「差がある」というニュアンスを内包するため、少々意味がずれています。置き換えの際は注意が必要です。

「食い違い/齟齬」

「食い違っている」という言葉も「相違」の類義語として挙げられます。この言葉は単純に「違いがある」ということではなく、「2つを比べてどちらかが間違っている」というニュアンスを含んでいるのです。「齟齬(そご)」も同様に「食い違い」を意味しています。

「相違」には「どちらかが間違っている」というニュアンスはありませんが、「食い違い」とは意外に互換性がある状況も多いです。以下の例文を見てください。

1.その話は以前聞いた話題と食い違っている。
2.その話は以前聞いた話題と「相違」している。

上記の2つは意味が同じ文章です。2の文章は「2つの間に違いがある」という意味ですが、状況的にどちらかが正解であり、どちらかが間違っているという際にも「相違」を用いた文章にすることができます。

つまり、本来はややズレた意味同士ながら、状況的に同じ意味を指すことがあるのです。

シンプルだから悩まれる「相違」

「相違」という言葉は意味も使い方も、覚えてしまえば非常に単純明快です。しかし、そのシンプルさがかえって勘違いを招いたり、使い方に戸惑われたりする原因になっている、とも言えるでしょう。「相違」に限らず、そのようなときはまず自分で読み書きして使用してみることが近道です。実際に自分で使用することで、知識ではなく身についた言葉として使えるようになっていきます。言葉によっては使おうにもなかなか難しい場合もありますが、その点「相違」は比較的一般的に使用できる言葉であり、練習も容易です。少々固い言葉であるため、どうしてもビジネスシーンでの使用イメージがあるかもしれませんが、それ以外でも少し改まった場面などでぜひ使って、自分のものにしてください。

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国語言葉の意味

「相違」ってどんな意味?どんな時に使うの?意味・使い方・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「相違」について解説する。「相違」は知名度としてはそれほど低い単語じゃないが、あまり日常で頻出する単語でもない。また、意味はわかりやすいが、具体的にどう使うのかという段階で悩まれることも多いな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「相違」の意味や語源、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「相違」の意味って?

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「相違」の意味は以下の通りです。

相違(そうい)とは、違いがあること、および、そのような違いを意味する表現です。

出典:Weblio辞書 「相違 意味」

意味は特に難しくはなく、「違い」という意味です。使用する際も、「違い」という単語が登場する場面は大抵「相違」に置き換えて問題ありません。「相違」の「相」とは相手の「相」であり、互いにという意味があります。このことから、漢字によっても「互いに違う点」という意味を指しているという推測が可能です。

「相違」がある・ないとはどういうこと?

「相違」は使用される際、頻繁に「ある」「ない」といった有無を示す言葉が続きます。わかりにくい場合は、「相違」を「違い」に置き換えてみてください。「違いがある・ない」という言い方であれば、意味を掴みやすくなるはずです。他にも「相違点」という言葉がありますが、これも「違う点」と置き換えるとわかりやすいでしょう。

また、まれにですが「相違している・していない」という言い方もあります。これも意味は同様で、「違っている・いない」ということです。

「相違」の使い方

「相違」は以下のように使用します。

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