80年代〜のバブル経済を主に牽引したのは不動産バブルです。金利が下げられると同時に融資の判定が緩和されたと述べましたね。お金を借りる時にしばしば担保というものがつき、多くは土地を担保に取られます。担保とはお金を返せなかった時に代わりに引き渡す資産です。
お金を貸す基準を緩和する方法の1つとして、担保となる土地価格を高く見積もることが考えられます。例えば、融資と同じ額の担保を取るとして、今まで1000万円と見積もっていた土地を2000万円と見積もれば、その持ち主が借りられる金額は1000万円→2000万円に増え、よりお金を借りやすくなりますね。このように不動産査定価格を上げることで緩和していると「前より土地の査定が高くなった、土地の値段は上がっているのでは?」とも解釈できますね。
もし土地の値段が上がり続けるなら今買って高くなったから売れば儲けが出ます(投機)。また、今までなら不動産を買うほどの資金を準備出来なかった人でもお金が借りやすくなり不動産を購入することが出来ます。すると需要が増えることから更に価格が上がりますね。あとは繰り返しです。「不動産の値段が上がりそう」→「投機で儲けたい人が土地を買い求める」→「需要増加」→「価格が上昇」。このようにして不動産バブル、つまり実態経済とは関係のない価格上昇が起きました。不動産と同様、投機で儲けたい人の需要から株価も上昇し、バブル絶頂期1989年12月29日につけた日経平均株価38,957.44円は30年以上破られていない歴代記録です。