この記事では「ご芳名」について解説する。

端的に言えばご芳名の意味は「相手の名前」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご芳名」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご芳名」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご芳名」の意味や語源・使い方まとめ

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主に冠婚葬祭における名前の欄に記入するときに使用されるのが「ご芳名」という言葉。結婚式の招待状をもらったことがある人なら見たことはありますよね?またご葬儀に参列する際に、受付で名前を書く帳簿を「芳名帳・芳名録」と呼びますよ。この「ご芳名」には、大切なマナーがあるのです。

それでは早速「ご芳名」の意味や語源・使い方をマナーと併せて見ていきましょう。

「ご芳名」の意味は?

「ご芳名」には、次のような意味があります。

1.相手を敬って、その姓名を言う語
2.誉れのある名
3.よい評判・名声

出典:デジタル大辞泉(小学館)「芳名」

「ご芳名」は「ごほうめい」と読み、「相手の名前を敬った言い方」の意。漢字で「御芳名」とも書きます。よく「ごほうみょう」と読み間違える人がいるので注意しましょう。

お気付きの方もいると思いますが、「ご芳名」は「芳名」に「ご」をつけた尊敬表現の重複が一般化した例ですね。尊敬語が重複しているので、使用するのは冠婚葬祭が主ですが、ビジネスシーンでもイベントの出欠を確認する返信はがきなどでよく使われていますが、ハガキを送る相手に敬意を表しているからなんですね。

「ご芳名」の語源は?

次に「ご芳名」の語源を確認しておきましょう。

「芳名」の「芳」には、評判がよい、ほまれ高い、などの意味があります。相手の物事に冠して敬意を表す語として「芳恩」「芳書」などの言葉もありますよ。また訓読みで「かんばしい」と読む時は、香りが発散する、よい香り、の意味を含みます。「芳香」「芳醇」などの言葉は、よく使われていますね。

\次のページで「「ご芳名」の使い方・例文」を解説!/

「ご芳名」の使い方・例文

「ご芳名」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、誰でもが頻繁に使う言葉ではありませんが、たとえば以下のように用いられます。

1.御芳名はかねてより存じ上げております。
2.感謝の意を込め、ご芳名を掲載させて頂きます。

2つの例文を挙げてみました。一緒に確認してみましょう。

まず例文の一つ目は、「誉れのある名・名声」の意味で使用されています。かしこまった表現なので使う相手を選びますが、例えば有名な大学教授にお会いした時や、取引先の上層部にお会いする機会があったときなどに用いられる言葉になりますよ。初めましての挨拶として使うと、ワンランク上のスマートな挨拶という印象になりますね。

例文の二つ目は、寄付などをした時に「支援者の方々より寄付を賜りましたので、お知らせします。」という意味で、「相手を敬ってその姓名を指す語」として用いられていますよ。

例文1で口語の表現を挙げてみましたが、実際は「ご芳名」という言葉自体、文語で使われることが多く口語で使われる事はほとんどありません。

「ご芳名」の類義語は?違いは?

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「ご芳名」と同じ意味を持つどんな言葉があるのか、一緒に見ていきましょう。

「ご尊名」

「ご芳名」と同じ意味を持つ言葉は「ご尊名」です。

意味も同じ「他人を敬って、その氏名をいう語」で、違いがあるとすれば「ご芳名」は署名してもらう時や文語での使用が多いですが、「ご尊名」は口語で使う事が多いのが特徴ですね。どちらも改まったシーンで使う言葉なので、署名や記入の際は「ご芳名」、ご挨拶や対面で使う時は「ご尊名」と覚えておくといいでしょう。

\次のページで「「ご芳名」の対義語は?」を解説!/

「ご芳名」の対義語は?

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「ご芳名」は相手に使う言葉なので対義語は存在しません。ですので「ご芳名」が使われる場面で、「ご芳名」の尊敬語に当たる「ご芳」の部分、つまり自分に向けられた尊敬語を消すという事が、マナーとしてとても重要とされていますよ。

違った角度から見ると「ご署名」も例外ではありません。「ご署名」とは、「自分で書く自分の名前」を指しますので、「ご芳名」の「相手に相手の名前を書いていただく」という行為の観点から対義語の所で紹介しました。因みに「ご署名」は「本人が書く」ことが大事で、読み取れないサインのような書き方でもOKですが、「ご芳名」は「読める字」で書くことが望ましいとされていますよ。

「ご芳名」の英訳は?

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「ご芳名」は、英語でなんと言うでしょうか?一緒に見ていきましょう。

「good name」

「ご芳名」には、該当する英単語はないので意味の直訳である「good name」が1番ふさわしいでしょう。元々英語には日本語の尊敬語にあたる単語があまりないので、ただ「name」といった表現の時もありますよ。「良い評判・名声」の意味で「good reputation」とも言い換えられます。

「He has a good reputation.(彼には名声がある。)」などのように使いますよ。

「ご芳名」を使いこなそう

この記事では「ご芳名」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ご芳名」は、口語で使う事はほとんどないので聞き慣れない言葉ではありますが、親戚や友人の結婚式、会社関係のご葬儀、会社関連での返信ハガキへの記入など、利用するシーンが意外に多くあります。そして、大人の常識として押さえておかなければならないマナーがあるのもこの言葉。1番多い間違いがご芳名の「ご」だけを消すパターンです。「ご芳名」は二重敬語であって、「芳」にも敬語の意味が含まれていると覚えておくと、うっかり間違える事は回避できますね。

時代と共にマナーも変化していってますが、マナーは相手を敬う気持ちがあってこそで、知らないと失礼に当たる時もあるのでしっかりと覚えたいですね。

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国語言葉の意味

「ご芳名」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご芳名」について解説する。

端的に言えばご芳名の意味は「相手の名前」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご芳名」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご芳名」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご芳名」の意味や語源・使い方まとめ

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主に冠婚葬祭における名前の欄に記入するときに使用されるのが「ご芳名」という言葉。結婚式の招待状をもらったことがある人なら見たことはありますよね?またご葬儀に参列する際に、受付で名前を書く帳簿を「芳名帳・芳名録」と呼びますよ。この「ご芳名」には、大切なマナーがあるのです。

それでは早速「ご芳名」の意味や語源・使い方をマナーと併せて見ていきましょう。

「ご芳名」の意味は?

「ご芳名」には、次のような意味があります。

1.相手を敬って、その姓名を言う語
2.誉れのある名
3.よい評判・名声

出典:デジタル大辞泉(小学館)「芳名」

「ご芳名」は「ごほうめい」と読み、「相手の名前を敬った言い方」の意。漢字で「御芳名」とも書きます。よく「ごほうみょう」と読み間違える人がいるので注意しましょう。

お気付きの方もいると思いますが、「ご芳名」は「芳名」に「ご」をつけた尊敬表現の重複が一般化した例ですね。尊敬語が重複しているので、使用するのは冠婚葬祭が主ですが、ビジネスシーンでもイベントの出欠を確認する返信はがきなどでよく使われていますが、ハガキを送る相手に敬意を表しているからなんですね。

「ご芳名」の語源は?

次に「ご芳名」の語源を確認しておきましょう。

「芳名」の「芳」には、評判がよい、ほまれ高い、などの意味があります。相手の物事に冠して敬意を表す語として「芳恩」「芳書」などの言葉もありますよ。また訓読みで「かんばしい」と読む時は、香りが発散する、よい香り、の意味を含みます。「芳香」「芳醇」などの言葉は、よく使われていますね。

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