この記事では「重複」について解説する。

「重複」はあらゆる場面で出てくる言葉です。大人であれば「知りません」とはとても言えないような単語だから、きちんと知らなかった奴は、この記事を読んで必ず押さえるようにしてくれ。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「重複」の意味や使い方、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「重複」の意味って?

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「重複」の意味は以下の通りです。

重複(じゅうふく/ちょうふく)とは、複数の同じ(同種の)物事が重なること、および、そのような状態のことです。

出典:Weblio辞書 「重複 意味」

前提として全く同じものが複数ある状態を示しています。上記に「重なる」という言葉が記載されていますが、これはあくまで概念の上で重なっている、という意味です。物理的に重なって積み上げられているというわけではないため、電子メールなど、物質的に重ねられない物に対しても、問題なく使うことができます。

「重複」は悪いことなの?

「重複」の意味を検索すると、以下のような説明も出てきます。

\次のページで「「重複」の読み方」を解説!/

「重複」は、多くの場合「ひとつあれば充分に事足りるものがいくつも重なる」「2つ以上は余計である」といったニュアンスで用いられます。

出典:Weblio辞書 「重複 意味」

実際は、常に100%悪いニュアンスで使用されるというわけではありません。しかし基本的に、余計なものとして扱われることが多いのは事実です。複数あるものに対して「重複している」とわざわざ発言するのは、「重複」している状態が普通ではないからと捉えることもできます。

例えば3人居る客人に対し、自分の名刺を3枚持参しても「重複している」とは言いません。同じものを複数枚持っていて当然だからです。しかし手違いで同じ人に2枚名刺を渡してしまうと、「重複している」ということになります。名刺をもらう時はひとり1枚が当然で、2枚以上は通常不要であるためです。

「重複」の読み方

「重複」の読み方はやや特殊となっています。基本的には「ちょうふく」と読むのが正しい形です。ただし、「じゅうふく」と間違われることがあまりに多く、近年では「じゅうふく」でも可とされることもたびたびあります。実際、デバイスなどで「じゅうふく」と打ち込んでも、「重複」の漢字が問題なく出てくるようになっているはずです。

辞書などでは「じゅうふく」という読みで探すと、「ちょうふく」のページを読むよう示されることもあります。

「重複」の使い方

「重複」は以下のように使用します。

1.メールが「重複」するかもしれませんが、ご了承ください。
2.フォルダの中で「重複」しているデータは削除するように。
3.このメモとあのメモは大部分の内容が「重複」している。

上記のようなケースに留まらず、「重複」は日常のあらゆる場面で発生することです。したがって、あらゆる場面で出てくる可能性があるため、意味を押さえておきましょう。「重複」ってどういう意味ですか?と聞くのにも勇気が要りますが、それ以上に自分で覚えていなければ不便です。

\次のページで「さまざまな場面で使用される「重複」」を解説!/

さまざまな場面で使用される「重複」

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「重複」はさまざまな場面で出てきます。分野や業界を問わず何らかの「重複」は発生しうることであるためです。難しい意味ではないため、使い方や読み取り方に注意深くならなければいけないような言葉ではありませんが、中には判断に迷う場合もあります。以下で事例を解説していきますので、参考にしてください。

その1 数学の「重複順列」って何?

「重複順列」という言葉があります。数学の順列に関する話です。順列に対しての詳しい説明はここでは省きますが、簡単に言うと、「1~4の数字を使用して3桁の数値を作りなさい」と言われた際に「ただし、同じ数字を何度使用してもよい」という文章が加えられていると、「重複順列」となります。3桁全てに1を使用しても良いし、3桁全てに2を使用しても良いわけです。この「数字の重複が許されている」という前提の順列を「重複順列」と言います。

その2 ビジネスシーンでの「重複して申し訳ございません」

ビジネスにおいては、資料やデータなど実にさまざまなものが「重複」します。その中でも特に「重複」が多いものがメールです。行き違いやシステムのエラー、単純な誤送信など、全く同じメールが「重複」して行き交うことはかなり頻繁に起こります。

そのようなときに、あらかじめ「メールが重複していた場合は、申し訳ありませんが破棄をお願いします」などと断りを入れる場合も多いです。しかし「このような言い方でなければ失礼である」というようなマナーは無いため、深く考えすぎず丁寧な言い方を心がければ問題ないでしょう。

「意味が重複している」ってどういうこと?

国語や文章の話題で、しばしば「意味が重複している」という言い回しが出てきます。以下のような文章が該当します、読んでみましょう。

1.頭痛が痛い
2.アメリカに渡米する

\次のページで「「重複」の類義語は?」を解説!/

1に出てくる「頭痛」という言葉は「頭の痛み」という意味です。ところがこれを前述した文章に置き換えると、「頭の痛みが痛い」という文章になってしまいます。「痛み」という言葉が「重複」しており、不自然さを感じることでしょう。これが「意味が重複している」状態です。

2も同様となります。「渡米」の「米」はアメリカを指す日本語であり、「渡米」という単語だけですでに「アメリカに渡る」という意味になっているのです。そのため上記の文章では「アメリカにアメリカに渡る」という意味合いになってしまっており、「意味が重複」しています。

「重複」の類義語は?

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「重複」の類義語には以下のようなものがあります。

1.重なる/繰り返し/複数/反復
2.ダブる/ダブり

1は「同じものが複数ある」状態の語群です。しかし、「重複」に一番近いニュアンスの言葉は2の「ダブる」という言葉ではないかと思われます。

1は単純に「複数ある」という事実だけを指し示して使用されますが、2の「ダブる」には少なからず「余計だ」「迷惑だ」というニュアンスが入ることが多いです。「重複」にも同様のニュアンスが入るため、日本語としては砕けた言い方ですが、言葉の意味合いとしての類似度は高いとみられます。

 

「重複」は日常における頻出単語

「重複」は場面を問わず出てくる単語です。世の中にはさまざまな人が、さまざまな環境で生活していますが、どういう状況の人であっても出会う可能性があります。「このような状況の人は重複という言葉はあまり使いません」などということがないのです。

幸い難しい意味ではないため、一度きちんと調べれば、意味を掴み損ねることはそうそうありません。知っておくと使う側としても非常に便利な言葉であるため、使いこなせるようになるのが早ければ早いほど良いでしょう。本記事を参考にして、ぜひ頭の中に入れておいてください。使う場面は、必ずやってきます。

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国語言葉の意味

社会における頻出単語?「重複」の意味・使い方・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「重複」について解説する。

「重複」はあらゆる場面で出てくる言葉です。大人であれば「知りません」とはとても言えないような単語だから、きちんと知らなかった奴は、この記事を読んで必ず押さえるようにしてくれ。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「重複」の意味や使い方、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「重複」の意味って?

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「重複」の意味は以下の通りです。

重複(じゅうふく/ちょうふく)とは、複数の同じ(同種の)物事が重なること、および、そのような状態のことです。

出典:Weblio辞書 「重複 意味」

前提として全く同じものが複数ある状態を示しています。上記に「重なる」という言葉が記載されていますが、これはあくまで概念の上で重なっている、という意味です。物理的に重なって積み上げられているというわけではないため、電子メールなど、物質的に重ねられない物に対しても、問題なく使うことができます。

「重複」は悪いことなの?

「重複」の意味を検索すると、以下のような説明も出てきます。

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