
「compliance」
「遵守」と聞いて、ビジネスマンならまず思い浮かべる英単語は「コンプライアンス」ではないでしょうか。英単語のcomplianceには、「遵守」のほか、「適合性」や「従順であること」といった意味もあります。
なお、日本のビジネスシーンにおける「コンプライアンス・法令遵守」という言葉は、単に法律を守って企業活動をすればいいという意味を超えて使われるようになっている点にも注意しましょう。
筆者も感じるとおり、合法でなければならないのは当然です。昨今、「コンプライアンスが重要だ」などと言われる際には、「明文の法律だけでなく社会一般の倫理やルールに反しないように活動するべきだ」と広く企業の社会的責任を考えています。
「順守」との使い分けは?
「意味」のところで、もともとは「遵守」が使われていたものの文科省が「遵」の字を削除対象としたことから新聞では「順守」と書くようになり、ところが削除が実行されなかったために今も「遵守」も使われていると説明しました。
大まかな分類としては、国や公共団体の公文書などでは「遵守」、新聞をはじめとする報道関係では「順守」と使う文字が分かれています。また、決まりがあるわけではなく筆者の印象かもしれませんが、「遵守」は法律や契約上どうしても守らなければならないことを表し、「順守」はもう少し軽い意味合いでも使われるようです。
とはいえビジネスシーンではもっぱら「遵守」を見かけますので、使い分けに困る時は「遵守」を選べばそう問題ないのではないでしょうか。
「遵守」を使いこなそう
この記事では「遵守」の意味・使い方・類語などを説明しました。
規則を守るのは当然のこととしても、それが押しつけられた理不尽なものだとしぶしぶ従うことになってしまいます。
せめてプライベートな人間関係の中では、「守らされる」という消極的な姿勢ではなく、「守りたい」と思えるような約束をできたらいいですね。