ドラゴン桜式勉強法特集

【ネタバレあり】ドラゴン桜の非常識!?勉強法まとめ【30選】

受験マンガ「ドラゴン桜」はご存知でしょうか。平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるストーリーや勉強法が話題になり、2005年にはTVドラマ化もされました。そして2021年のドラマ化も計画されています!

この記事では、受験シーズン到来ということもあり、編集部では改めてドラゴン桜1巻から21巻を読破!作品で登場する勉強法のなかから、東大合格法やセンター試験対策ではなく、受験生ではない学生や社会人、子育て中の親御さんまで応用できそうな基礎的なアイディアをまとめました。

(漫画の切り抜き画像は、株式会社コルクから許諾を得ています。)

「ドラゴン桜2」がドラマ化も決定!この記事では「ドラゴン桜1」を振り返ります

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ドラゴン桜は2003年から連載開始、2005年にTVドラマ化され2007年に完結した漫画作品。

その後センター試験が「大学入学共通テスト」に変更となるなど時代の変化を反映するために、2018年から「ドラゴン桜2」が連載中となります。

受験シーンが盛り上がりを見せる中、なんとTBSにて「ドラゴン桜2」のドラマ化が決定!新型コロナウイルスにより放送延期があり、現段階では放送日はわからないものの、再び桜木建二を演じる主演の阿部寛さんの熱演を目にすることができる日は遠くないはず。

ドラマ化の前に、この記事を通じて「ドラゴン桜1」が世に送り出した勉強法をおさらいしてみてはいかがでしょうか。

科目別ではなく(ほぼ)ストーリー順にまとめています。また、東大受験・センター試験に特化した攻略法はここではあまり紹介していません。なるべく多くの人に共通して参考になりそうな勉強法を集めてみました。

時代が古い・またはズレていると感じたり、いまでは常識になっているものも多いかもしれません。それを含め、ドラゴン桜は一体どのような勉強法を提案していたのか、振り返ってみようじゃないか!という趣旨になります。

※ネタバレと記載していますが、「生徒のスランプを解消した方法」といったある程度物語の核心を紹介している部分がございます。物語最後の東大受験結果には触れていませんので、気になる方はぜひ本書を手にとってみてください。

それではここから「ドラゴン桜勉強法」を一気呵成に紹介します!

日曜劇場「ドラゴン桜」(2021)のネタバレ解説はここ!

このWebサイトでは、どこよりも深いドラゴン桜の解説を目指しています。原作を必読書とすた編集部だからこそまとめられた、日曜劇場「ドラゴン桜」(2021)のネタバレ解説はこちらから!

#1 【数学】卓球暗算で計算力を高めろ!

ストーリーは、水野と矢島が特進クラスに入ってすぐ。数学教師・柳先生に「数学とはゲーム…遊びだ!」と指導されるシーンです。

柳先生によると、「マイナスからマイナスを引いてプラスとか…真面目に考えてたら頭がおかしくなる!」「こんなもの理論的に理解しろというのは土台無理なのだ」とのこと。

そのために卓球の構えをして実際に問題を出し合い、お互いに解く勉強法が披露されました。

この勉強法、実はマンガではそこまで深堀りされていないのですが、ドラマ版では非常にキャッチーかつ重点的に描かれていたのが印象的です!

このシーンで伝えられている数学教師・柳先生のセリフがこちら。

目の前の問題を瞬間的に!自動的に!機械的に!遊び感覚で解く!

この「卓球暗算」、勉強とは必ずしも座ってやるばかりではないというメッセージを含め、ドラゴン桜の象徴的なシーンとして描かれるのでした。

#2 【国語】古典はマンガで勉強しろ!

厳密にはマンガのストーリー上で前後するのですが、お次は「マンガによる勉強法」。実は、桜木建二が伝えた最初の勉強法がこちらになります。

いまでこそ本屋にズラリと並ぶ「マンガで学ぶ」シリーズですが、2005年当初はそこまでメジャーではなかったのかもしれません。それをさらに学校で読むとなると…インパクトは大きかったのかもしれませんね。

(実際に作中では、桜木建二のやり方に物申したい教師が「授業中にマンガを読ませている!」と囃し立てるシーンがあります)

古典で一番面倒くさいのが、現代文へ翻訳していくこと。最初にざっくり話の大筋をマンガで理解しようという試みですね。

私個人も、社会人になってから「マンガで学ぶ」系の本をよく目にしましたが、学生時代に出会っていたら、また違っていたのかもしれません…!

#3 【数学】100問10分の小テストを無限に解け!

こちらはドラゴン桜名物「100問10分」の問題を解き続けるシーン。

小学校レベルの掛け算から3桁の足し算引き算など…問題のレベルは低くても、1問6秒で正確に解き続けるとなると、社会人でも結構キツいかもしれません(笑)

しかもこの小テストですが、100点を取れるようになるまで無限に行われます。最初は「少しくらい間違えてもいいじゃないか」と文句を言う矢島ですが、「99点は0点と同じ!」と反論する柳先生。

ここで100点を目標にすることが、「正確性」「忍耐力」「勉強体力」「成功体験」「時間制限の中で戦う試験本番対策」を養ううえ、意識のうえでも「受験マシーン化」に導くなどなど様々な効果があるということなのですね。

実際、無限小テストに泣いたり葛藤するところから粘りに粘り…矢島なんてブチ切れてイスを投げてガラス割ったりしながら…(笑)数日かけて100点をはじめて取るシーンはなかなか感動するものです。

実はこの勉強法は、ドラゴン桜の伝統として「ドラゴン桜2」でも描かれます。同じくこのあたりの話が、地味に(?)感動ポイントが高く泣けるんですよ…。序盤のひと盛り上がりを演出するシーンとしておなじみとなっているところなんですね。

(必ずしも100問10分ではありません。物語の中でも、100問6分になったり、数学以外でも用いられたりと、柔軟に組み替えられています)

#4 【総合】生徒同士で問題を作れ!

柳先生が白紙の問題を手渡し、生徒が動揺するシーン。そこで「お前たちが問題を作れ!」「文章問題をひとつ考えろ」「そしてそれをお互いに交換し解き合う。相手にかんたんに解かれたら面白くないぞ!」と課題を課します。

その心得といいますか、理解してほしい本質として

問題とは…天から降ってくるものではなく、人間が考えて解く人のために作るのだ

と伝えます。

その結果水野は、「問題は解かせないために作るのではなく、解いてもらわないと問題にならない!」「問題文は、解く相手になにかを問いかけてる。公式を理解していますか?その公式正しく使えますか…?ってね」と、この課題の本質を理解します!

生徒同士で問題を出し合うことで、出題者の意図を汲めるようになる…この考え方、受験だけでなく資格試験でも応用できそうですね!

#5 【総合】バカ鉢巻きでプライドを賭けて問題を解け!

桜木建二が作中で編み出した勉強方がこちら。先程の生徒2人で問題を出し合うバトルで、さらに「負けたらバカ鉢巻き」の罰ゲームを用意します!

これで気合がはいった生徒2人は、一層問題を解く気合を入れるというストーリーですね。ビジュアルインパクトも相まって、盛り上がっていくシーンです。

ただ個人的には…この指導法っていまの時代だとどうなんだろうなぁ?と思ったりもするところがありました。ティーチャーハラスメント?という言葉があるかわかりませんが、なんかそういう風に受け止められたりしないものかと。(ドラゴン桜にそれを求めたらお終いだろ、というのもありそうですが。)

そんな事を思ってたらですね、ドラゴン桜2でも必殺「バカ鉢巻き」を繰り出したところ、女子生徒が「バカ鉢巻きウケる~!w」といった発言をしSNS向けの自撮りをする始末。(逆に「勉強たのし~!」とやる気は出たようなのですが…)

新時代向け作品では想定した効果はない施策として紹介されましたとさ…!

※このシーンは「ドラゴン桜2」第7巻になります。

#6 【総合】教科書や参考書にマーカーを引くな!

英単語の暗記勉強で、参考書にマーカーを塗ろうとする水野。そこに教師が「こんなものは必要ない」と一括!その心は…!?

というのも、蛍光ペンで要所を塗ったところでなにも頭には入っていないし、逆に勉強した気になってしまうNG行動なのだそう。

こちらが問題のシーンで、背景画には「見た英単語全部にマークしてるシーン」が描かれています。ありゃりゃ、これは確かにダメっぽいです!

たしかマーカーや蛍光ペンの使用については、アメトーーク「勉強大好き芸人」でも言及されていました。

うろ覚えで申し訳ないのですが、マーカーで3色も4色もつかってキレイにノートを仕上げたところで、キレイに仕上げることに集中してるだけで、勉強にはなっていないのではないかと。こちらはノート術の話ではありますが、似たようなことを言っていますね!

(ちなみに柳先生が、水野の文房具をゴミ箱に捨てるシーンは「ちょww」と思ってしまいましたが。しかもその後、別の勉強法ではマーカー使うし!)

#7 【数学】問題回答同時プリントで効率化!

勉強のなかでも、資格試験や受験は「問題があってそれを解く」もの。そして、試験で最も重要なのは「どのように解き始めるか」であり、つまり問題攻略はスタートで決まるのだ、というのが数学教師・柳先生の主張です。

なにせ1年で東大にいくという無茶な挑戦。時間はいくらあっても足りません…!最初で解き方がわからず違う方向に走り出しては、もうゴールにたどり着ける可能性は極端に低くなるし、その時間って無駄なわけなんですよね。

そこで柳先生が提案するのが「問題をみて3分以内に頭の中で解き方をイメージする」「その後すぐに答えをみて、解き方が合っていればオッケー!」という勉強法。

さらに特殊なのが「問題はできたこととして次の問題に進む」ということで、最後まで計算しないんですね。もちろん間違ってたら解き方をじっくりと理解するまで回答をみるわけですが、基本的には「大量の問題を体に浴びろ!」というコンセプトなのです。

なお「この勉強法だけでは学力は伸びない」ということで、「単純な計算問題、理想的な回答を書く練習」を組み合わせて実施するようです。

#8 【総合】数学に得意意識を持てたら、自信がつく!

さて、ドラゴン桜では物語の序盤はとにかく数学を攻めていきますが、理由があったのですね。曰く、「数学に得意意識を持てたら、自信がつく!」ということです。

これ確かに自分でも思い当たる節があるなぁ…と思います。小学校ではまあまあ算数はできたのですが、中学から少しずつ苦手意識ができてきて…恐らく数学の成績と比例して、勉強モチベーションが下がっていたのかもしれません。

この発想に関しては、子育て論にも役立つかもしれません。筆者は来年から小学校に上がる子どもがいるのですが、特に算数で躓かないように、家庭でのフォローを意識するといった教育方法への展開ができそうな気がしました!

#9 【英語】その日覚えた単語をつかって日記を書け!

ドラゴン桜では、数学に自信が付いたあとは「受験重点科目」としての英語にステップしていきます。

基本的には学校で朝7時間から夜10時まで特別講座を開くわけですが…この段階で唯一宿題と課したのが、「その日覚えた単語をつかって日記を書く」でした。

この勉強法では「文章を考えるクセがつくこと」「自由英作文が必ず出る東大試験対策」がメリットとして挙げられています。

これは単なる試験対策の端的なトレーニングというよりかは、「知識だけでなく、その知識がどう社会で役に立つのかを表現する力」といった、東大試験が問う本質的な力を養う目的もあるのだとか。

この課題をきっかけに、「東大受験は特別な訓練を求められるのではなく、日常の延長にあるものだ」という桜木建二の主張もされます。マンガでは、生徒2人も気合が入って盛り上がるシーンですね!

#10 【英語】英語は音感が大事!まずリズム感を養おう!

さて、ついに英語の担当教師が来日!一発目の授業はなんと体操着に着替えて…なんとビートルズの「Please Please Me」を歌い踊り始めます!

そしてカタコトでもなんでも良いのでリズム感だけを重視して歌ったあとは…

今度は歌詞を板書しながらのおさらい。歌ってフィーリングを掴んでいるために、スラスラ発音が出てくることや、難しそうな英語の歌詞も実は単純でわかりやすい歌であったこと、さらには単語も中学英語レベルだった…などの気づきが得られます。

さらにビートルズであることも理由があり、歌詞の内容が抽象的ではなくストーリー仕立てであることが良いらしいのですね。

そのため、ビートルズの歌詞を何曲か丸覚えしてしまうだけで、単語や文法含めて英語力が自然に身につき…

「これを毎日1時間やれば、中学の英語の教科書はもうだいたい勉強したことになってしまう」という大胆な提案もなされます!

とはいえ、次の1月にセンター試験を控える初夏にこのレベルなので、ストーリー展開はヒヤヒヤするところですが…(笑)私大受験だと単語数の暗記力が求められたりと傾向が変わってくるので、また違った勉強法になっていくのかもしれませんね。

#11 【英語】すぐに辞書は引くな!

特進クラスの英語教師・川口先生によると「日本語は多少漢字の意味がわからなくても、なんとなく想像して内容を掴む」「英語になると全ての英単語を理解しようとしてしまい、長文読解は全然進まず、面倒くさくなって嫌になる…。」という現象があるのだそう。

そこで提案されているのが「すぐに辞書は引かない」ということ。

例えば「推断」という単語は、漢字からなんとなーく意味が推測できますが…これを英語の「Culture」「Cultivate」という単語で説明したのがこのシーン。

日本語でも使う「カルチャー」は文化・教養という意味で約されますが、その意味を紐解くと「文化とは社会を耕してできるもの、教養は頭を耕して身につくもの…」となります。

このように、日本語だけでなく英語も変形したり合体させているものが多いのですね。

なんでもかんでも辞書を引くのではなく、それらを素早くイメージできるかどうかの大切さを説く英語教師・川口先生。「だから楽しい!だから面白い!」と英語への心理的ハードルを下げるシーンですね。

#12 【英語】英語は読むより作れ!

川口先生いわく、「日本人は、水泳は25メートル泳げたら『泳げる』と言う。」「では英語は完璧にできないと『英語ができる』とは言わない。これはおかしくないか?」という主張からはじまります。

そこで川口先生が課した課題は「英語文章100パターンの丸暗記」

これを、桜木建二の存在に否定的な教師は「ただのサル芝居」とバッサリ切り捨て(笑)表現はともかく、「大まかに合っているけどところどころミスが目立つ」のはやはり本質を理解していないからに他なりません。

しかし川口先生は「これでいい」と反論。

「英語をとにかく使うこと」「水泳で言えば、まず水に飛び込むこと」「その後、犬かきでもいいから25メートル泳ぐことと同じ」「その結果『英語ができそう!』『英語ができた!』という感覚を掴むのが大事」なのだそう。

逆にこれまでの英語の授業は「陸上でクロールのフォームを練習させるようなもの」とバッサリ切り捨て、この実践的な学習方法に水野と矢島も興味を引きつけられます。

#13 【総合】暗記の前に、勉強体力を作れ!

「東大合格間違いなし!」という強気のメッセージで龍山高校に乗り込んだ桜木建二。しかし実際に偏差値を上げる方法を問われたとき、奇想天外なテクニックではなく実に王道な主張を繰り広げます。

それが、暗記により知識量を増やすまえに「勉強体力」をつけること。

スポーツ競技で勝つためにまず強い筋力やスタミナが求められるように、勉強にも最後までやり遂げられる基本的能力が必要なのだとか。

具体的には「徹底した基本問題の反復」。この基礎学習が全ての根源であり、まさに王道と解きます。

確かに当初からみっちり行われる「100問10分」に代表される基礎学習は、「勉強体力」を養うものでしたね。筆者も、もし資格試験を今後受ける機会があれば、まずこの「勉強体力」を意識したいなと思いました。

#14 【総合】教壇に立て!

一定の勉強習慣が付いた段階で、一層の自立とモチベーション向上を期待して教師陣が提案したのが「3年生による1年生への授業」。

当然「自分が教壇に立つなんて想像できない!」と拒絶する水野と矢島ですが、この経験は非常に理にかなっていると言えるでしょう。

ここで桜木建二が期待していることは、「与えられるだけでなく、自分の頭で考える習慣や視点」といったところでしょうか。

これに加えて、もしこの教える側という経験を継続的に行うとしたら、それも効果があると思います。「アウトプットを前提としたインプット」を行うと、インプットの質が高まる…といったことはよく語られていると思いますが、まさしく受験や資格勉強でも同じことが言えるでしょう。

結果的に水野と矢島は、1年生を教壇から眺めることで「舐めた態度」「気が散っている子」をみて我がふりを見直し。

また水野は「教えられる側はわかったフリをするものなんだな」という気づきから、心を入れ替えるきっかけにもなったのでした。

#15 【数学】トランプ競争で基礎計算力を磨け!

先程の「教壇に立て!」で、1年生と打ち解けられなかった場合に備えて準備されたのがこのトランプ。

トランプ競争とは、トランプの山から1枚引いて目の前に出し、前のカードにどんどん数字を加算していく対戦ゲームで、先にトランプの合計値である364に達したほうが勝ちというもの。基礎的な計算力を高めるために最も評判である「100ます計算」をアレンジしたものとのことです。

これは3桁の足し算にスピードが求められるもので、考え方は「卓球暗算」「100問10分」等に考え方が通じるものがありますね。

またトランプに限らず、こうした生活のなかで触れる数字でどんどん遊んでいく…この習慣ができればより良いとも解かれています。確かに車のナンバープレートを足したり掛けたりする人、いますもんね…。

#16 【総合】目標があるなら実際に見に行け!

超進学校や、その先のゴールである東京大学…そこには宇宙人だらけなのではないかという”偏った”イメージを払拭するために、桜木建二は生徒たちに「東京大学を見に行く」ことを提案。この理由として桜木建二は

実際にみてその雰囲気を味合うこと、これが目標を達成するときの起爆剤になる!

と力説しています。ひとは漠然と夢をみるものだけども、情報が集まれば実感が湧いてきて、夢が夢でなくなり具体的になって努力がしやすいとのことなのですね。

その結果、東大にいる東大生は「わりとみんな普通」であることがわかり、生徒らにとっても宇宙の果てのようなものでは決して無い、ということが実感できたようでした。

#17 【テスト】テスト当日は教科書を見るな!

さて場面は変わって校内テスト。桜木建二はこのテストも、東大受験の本番さながらの緊張感をもって取り組むことを指示します。

そのうえで桜木は「テスト前日の過ごし方マニュアル」プリントを配布。これは、スポーツには試合前の調整法・コンディション作りがあるように、テストや受験においてもある程度決まりきった動きを覚えておいたほうがいいのだそう。

そしてその「テスト前日の過ごし方マニュアル」が上の図。

睡眠については、ホットミルクも良いとは思いますが、「寝る時間の1.5時間前に湯船に浸かって体温をあげると良い(※)」…といったノウハウが最近明らかになっており、科学的アプローチにこだわるともっと別の案もあるでしょう。(個人的には、暗記しまくってバタンキューは嫌いではありませんが)

とはいえ、どう過ごすかを決めてそのとおりに実行するというのは、安全にテストに向けてコンディション作りをするために、効果がありそうです。

※スタンフォード式 最高の睡眠/西野 精治 (著) 

#18 【物理】コマ割りマンガ理解術を使え!

物理の先生が登場したシーンでは、早速オリジナルの勉強法が紹介されます。

上の図のような「コマ割りマンガ理解術」では摩擦力の図解がされていますが、確かになるほど覚えやすいかもしれませんね。

というのも、現在の教科書がどうなっているかわかりませんが、教科書は確かに「概念的」な感じで記載されていることが多いかもしれません。

例えば個人的な体験になりますが、学校の授業だけでなくても、簿記の参考書や、宅建の参考書でも、たまに概念図などと格闘することはありました。

これは単に「物理はこう覚えろ!」という局所的な勉強法にとどまらず、「参考書や教科書の言っていることを自分で図解できないか?」といった発想に昇華できると、いろいろと応用ができそうですね!

来ました、メモリーツリー勉強法。これは「マインドマップ」として同じく役立てている人が多いかと思いますが、勉強にも役立つものとして紹介されています。

紙の中心にタイトルに当たるものを書き、章ごとのサブタイトルにあたるものは太い幹を伸ばしていき…最後は細かいトピックスを「葉っぱ」くらいの大きさでつなげていくイメージです。

これは作中では歴史の授業でも役立っておりました。

ちなみに「#6 【総合】教科書や参考書にマーカーを引くな!」の項目で、数学教師・柳先生が水野の蛍光ペンをゴミ箱に捨ててましたが、こっちではその蛍光ペン、ガッツリ使います…(笑)

#20 【総合】スクラム勉強で一緒に学ぶ!

「社会」の科目を教えるフェーズに差し掛かったものの、予算を使い果たして新しい先生が雇えない桜木建二。そこで社会科の桜木建二が自ら担当になることになったのですが…

その勉強法がズバリ「俺がお前たちには教えない。俺も一緒に勉強する!」「そうだ名付けてスクラム勉強法だ!」ということです。

って、待て待て待て~い!と軽妙なツッコミをしたくなるところではあるのですが…

一応、教科書18章を3パートに分け、3人でそれぞれ分担をメモリーツリーにまとめて、ノートを交換し合うことで時短化を狙おう!ということでした。

ま、まあ「アウトプットを前提としたインプット」の要素もあるし、桜木建二いわく「暗記モノは1人でやると嫌になるから、仲間がいる安心感と責任感を背負おう!」という理論も見られました。

最初見たときは「ネタ切れか?」というヒヤヒヤ感と、少しやっつけ感がなくはなかったですが、冷静に考えると「期日を破ると他人に迷惑がかかる仕事」ほど捗る気がします。

筆者も、他人を巻き込むときに「スクラム仕事法」を採用したり、子どもに勉強してもらう時もなんらかスクラム勉強法を提案する…など生活で活用できそうです。

#21 【テスト】本番に備えて模試を繰り返せ!

全国統一模試を6月から積極的に受けさせるという桜木建二に、「まだ早い」と反発する矢島。

しかし「点数はどうでもいいから、体験することが大事」であると解きます。

この意見には筆者も個人的に大賛成。試験勉強もとても大事なのですが、試験当日本番に実力を発揮することも大事だと思うのですよね。

すると、「試験当日にはじめて体験すること」は可能な限り減らしていきたい。そのために、点数はともかく何度も「模試」を受けるのは、理にかなっているといえます。

当日の朝の緊張、無事に会場にいくこと、試験本番の雰囲気、時間制限のなかでのプレッシャー、時間配分、隣の席に座った生徒のシャーペンをカチカチする音、さらには科目の間の休憩時間の過ごし方まで。

これらは教室では得られないはずなので、積極的に本番を想定した環境に身を置き、経験値を積み重ねたいものです!

#22 【テスト】試験後の復習は早めにやれ!

1回目の模試が終わり、「テストは全然ダメだった」と残念がる水野の矢島。「そう、それでいいんだ!」と、以前はテストの結果すら気にしていなかったところから大幅に進歩していることを褒めます。

そこから即座に模試当日の夜から、各科目の答え合わせがスタート。模試が終わってひと休憩~!とはいかずに、「鉄は熱いうちに打て」ということで早速復習を開始するわけですね!

#23 【夏休み】夏休みの学習計画で時間割を作るな!

シーンは、夏休みは基本的に自習となることを生徒に伝えるところから。龍山高校ではあえて授業は行わず、自分で考え自分で取り組む「自己鍛錬期間」とするようです。

そこで上記のコマですが、夏休みの学習計画で時間割を作ってはいけない…とはどういうことでしょうか?

いわく、「何かを始める時、綿密なスケジュールを作るのは間違い」「また、スケジュールには願望が込められ、ガチガチに理想的な予定などが立ってしまう」「そんな計画を立てても、実現できる人は稀」「実現できないことで、自分が弱い人間であると思い込んでしまう」といったことがあるそう。

逆に低いハードルの計画も、ダラダラ過ごしてしまうのでもっとダメなんだそう。

そこで桜木建二が提唱する方法は、「毎日その日のノルマを決めろ」というもの。各教科に具体的なノルマ…例えば「二次関数の問題を100問解く」といったノルマを設定し、それを毎日確実にクリアすることに専念するのはどうか、と提案されています。

スポーツに例えるとマラソンではなく、短距離走のダッシュを毎日繰り返してパワーをつけるイメージですね。

さらには、ダラけないために40日を4つのクールに分け、第1クールは暗記モノを徹底的にやるなど、メリハリの付いた夏休みの過ごし方を提案されていました。

川口先生いわく、リスニングを強化しようと「英語をただずっと聞く」というのは、お経を聞いているのと同じで意味がないのだとか。

代わりに提唱されているのが「英語の本を声に出して読む」こと。それも「追い読み」が良いと、マンガでは紹介されています。

これはそのものずばり「シャドーイング」を指しているかと思い、王道かつ有名な勉強法ですね!

ドラゴン桜ではそれを「リスニング対策で英語を聞くな!」という引きの強い切り口で紹介されるのですが、学生時代は特にシャドーイングに出会えなければ一生シャドーイングはしないと思います。(どの時代に学生だったかにもよるとは思います。)

実際筆者も、無知を披露するようで恥ずかしいですが、学生時代に英検2級をとったものの、シャドーイングに出会ったのは社会人になってからです(笑)TOEIC勢だとすぐシャドーイングに出会う、とかあったのでしょうかね…?

こちらですが、マンガの切り抜き画像だけで説明が完結してしまった気がします。とりあえず、そういうことだそうです。

または子どもの算数のノートはこのようにフォローできるように記憶にとどめておきたいところですね!

こちらは個人的にもユニーク、かつ印象深いエピソードでした。歴史のトピックスは「なぜ?」でつながります。また、個別のできごとは「因果関係」でつながると、記憶としても定着しやすいということです。メモリーツリーの項目にも共通する内容ですね。ゆえに新しいほうから勉強をしていくと効率的だということなのですね。

受験勉強とは関係ありませんが、歴史を趣味で復習しだすと弥生時代あたりで飽きませんか?筆者だけでしょうか…。縄文土器と卑弥呼がでてきた段階で、眠くなってしまうんですよね。

ということで、趣味を兼ねての歴史の復習でも「後ろから勉強する」を実践してみたいと思います。

#27 【社会】歴史は「ムカつく感情」に注目しろ!

歴史ネタからもうひとつ。教科書で歴史を学ぶと、淡々と事実が羅列されているので面白みに欠け、挫折しがちなのだそう。

そこで桜木建二が提案するのが「人間の感情」。だいたい歴史は侵略と戦争の繰り返しで、その戦争も早い話が大掛かりなケンカ。ケンカの理由だって対立の大本は感情にあるのだと桜木は解きます。

例えば…パンも食べられないのに贅沢な暮らしをするルイ16世を憎んで民衆が起こしたフランス革命。王である自分の離婚を認めてくれない協会はムカツクと宗教改革をした、イギリスのヘンリー8世。

歴史を動かしたのは人間の感情であることが多く、そこに注目すると一気に歴史が身近に感じられるとのことです。

#28 【総合】手帳に勉強した記録を書け!

場面は、大スランプに陥った水野を桜木建二が救うシーン。勉強の成長を実感しにくくなり、精神的にも追い込まれる水野に対し、過去の学習記録を渡す桜木。水野に対し、学習記録を全て手帳に書き写せと指示をします。

意味もわからず書き写しはじめた水野ですが、「勉強をはじめた日」「印象的だった事件」「合宿の思い出」「突然の川口先生のエアロビ」などを思い出し…。

これまでの「勉強量」が可視化され、水野は自分ひとりで誰にも励まされることなく元気になるのでした。

以降、この手帳は水野・矢島ともに受験当日まで心の支えとなったようです。

#29 【総合】難しい問題は、易しい問題にこっそり混ぜろ!

場面は、東大の過去問を受けさせずに「プリント」ばかりやらせる教師陣に、水野や矢島が焦りを感じ、東大理科Ⅲ類合格間違いなしの大沢くんに相談するシーン。

大沢くんは、水野のプリントを見ただけでその理由を理解。すなわち、プリントには「センター試験レベルの問題を中心に、ところどころ東大の過去問が紛れている」という作りだったのだそう…!

そう、水野と矢島は、知らず知らずのうちに東大過去問を解いていたのですね。仮に「東大の過去問をやるぞ!」と意気込んで挑戦してしまうと、難しくて解けなかったときに心理的な負担が大きいのだそう。「東大の過去問」と伝えずにプリントをさせていたのは、教師陣の工夫だったのですね。

これは、大沢くんが小3の弟向けにプリントを作るときの体験談とも合致している学習法だそうで。

この話は勉強法というよりも「指導法」に近いものですが、筆者の子どもが自習をするときに役立ててみたいなと思いました。

#30 【テスト】受験日までカウントダウンしろ!

さてこの記事も最後のトピックス。30個目の学習方法は「受験日までカウントダウンしろ!」です。

王道かつ常識的なものに思えるかもしれませんが、勉強とはやはり「効率的にアプローチするべきプロジェクト」なんだなと思い知らされます。#9の「英語日記」でも、単なる日記と思うなかれ、それが社会の窓に通じているんだ…といった話がありました。

この日付の話でいうと、かつて一世を風靡した経済ノンフィクション小説「青年社長」で、ワタミ創業者・渡邉美樹氏による「夢に日付を」というエピソードが披露されていました。手帳に夢と日付を書き、定期的に見直すことで現実に近づけるというものですね。(印象的な本だっただけに、未だ語り継がれるブラック企業の印象は個人的には残念なのですが…それはさておき。)

やはり日付を設定し、そこから逆算して日々の行動計画を立てる…。勉強も仕事も、結局は王道が一番だということかもしれません!

ストーリーは「ドラゴン桜2」へ続いていく…!

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ここまでドラゴン桜の勉強法をお伝えしました。ドラゴン桜1も水野と矢島の東大受験結果のラストまで描かれていますので、ぜひマンガを手にとってみてください。

後半になるほど具体的なセンター試験対策などが多く語られていたので、幅広い人向けのまとめを目指したこの記事ではマンガの前半部分からの出典が多くなりました。

タイトルには「非常識!?」と記載をしましたが、振り返ってみれば「常識」かつ「王道」なものも多かったですね!

気になる勉強法があれば、ぜひ取り入れてみてください。筆者個人も、子育てにも使えそうなネタが見つかり、実践してみようと思います。

冒頭でもお伝えしたとおり、ドラゴン桜は「センター試験」の変更、その他時代の変化にあわせて新シリーズ「ドラゴン桜2」が連載中です。

「バカ鉢巻き」「10分100問」など伝統の勉強法は引き継がれつつ、さらに新しい勉強法や名言の数々が楽しめます。ドラマ化に備えて絶賛完結を目指しているので、ぜひその結末も見届けてください!

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