この記事では、「要約」について解説する。

様々な情報にあふれている現代は、学校でも仕事でも情報の処理にかける時間が惜しいもんです。その分「要約」の重要性は高まっていると言えるでしょう。普段の会話で自分の意思を「要約」して要領よく的確に伝えることは、話を聞く相手の負担を減らすための思いやりにもなる。しかし要点をまとめたうえで違和感なく情報を伝達するには、注意しなければならないこともある。
今回は学生時代に日本語・英語問わず100本近い数の論文を読み込んで内容を要約してたっていうライターのぷーやんを呼んです。「要約」の意味と使われ方について、説明してもらおう。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。文章を簡潔に要約することで、社内のルール・マニュアルを見やすく、読みやすく校正した。

「要約」の意味を押さえよう!

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それでは早速、「要約」の意味からみていきましょう。

辞書にみる「要約」

「要約」は、辞書では以下のように書かれています。

1.文章などの要点をとりまとめること。また、そのまとめたもの。「読んだ本の内容を―して話す」
2.約束を結ぶこと。また、約束。
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「要約」

2の意味はあまりなじみがないかもしれませんね。1に「要点をとりまとめたもの」とあるように、「要点」と「要約」は違うもの。さらによく似た言葉の「要旨」とも異なります。次にこれらの違いをみていきましょう。

「要約」と「要点」「要旨」との違いとは?

いずれの言葉も『内容をまとめたもの』なのだろうという予想はつきますが、詳細な意味合いは不確実な方も多いのではないでしょうか。それぞれを簡潔に説明します。

まず「要点」は、文章の中の重要なポイント。「キーワード」とも言えるものです。そして「要約」は要点をつないでいき、文章の字数を減らして全体を短くしたもの。最後に「要旨」は、筆者の主張を抜粋したものです。

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「要約」の使い方を例文で紹介!

それでは次に、「要約」の言葉としての使い方を例文で把握していきましょう。

1.国語の授業で、評論を要約する課題が出た。解答は自由記述形式で字数制限もないので、どう手をつけていいか途方に暮れている。
2.君の話を要約すると、今日息抜きに買い物に行ったら熱中症で倒れた人がいたらしくて、君がいたショッピングモールのエリアに救急車が来てビックリしたってことだね?

例文1のような課題に困る方は多いのではないでしょうか。要約のやり方については後述しますので、ご参考にしてください。

例文2みたいな言われ方をしないように、気を付けたいものです。きっと、『毎日大変で精神的に疲れたから、欲しかった〇〇を買いに行ったんだよ。それで歩きながらお店を見てたらいろいろ目についちゃってさ~。でも無駄遣いはできないじゃん?だからまっすぐに目当てのお店にむかってたんだけどそのときに(以下略)』などと、本題の前置きが長かったのでしょうね。話者としては、伝えたいことがたくさんあったのかもしれません。しかしいくら仲間内でも、『それほど興味のない話を聞き続けるのはつらい』という方がいる可能性も…。

「要約」の類語はなにがある?

「要約」の類義語を、以下に3つ挙げます。

摘要:重要な箇所の抜き書き

「てきよう」と読みます。「摘」は「選び出す」で、「要」は「重要」という意味です。

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レジュメ :要約・概要

講演会や会議の資料として、「レジュメ」と書かれたものが配布されているのを目にしたことがあるかもしれませんね。意味は「要約・概要」ですが、研究発表会などのレジュメは「要旨」に近いです。

ダイジェスト:著作物の内容を要約したもの

映画・本・論文などの全体像を損なわないように要約したものを、「ダイジェスト」といいます。仕事の結果を報告するときなどに、本紙とは別に口頭報告用のダイジェスト版を作っておくと、忙しい上司の受けがいいのでおすすめです。

「要約」が必要になるのはどんなとき?

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要所をまとめた「要約」は、情報過多な現代には重宝するもの。具体的にどんなときに「要約」が必要になるのかを想像してみましょう。

入試の小論文

『課題文を読んで、○○字以内で要約しなさい』といった形で出題されます。内容の要約とともに、自分の意見を述べる構成の問題となっていることが多いようです。この手の問題では、課題文の内容理解・テーマの理解(受験する科・分野の理解)・正確な文章表現が要求されます。

会議での発議・提案

企画書の作成や会議で自分の意見を発信するときには、自分の考えを要約して伝えたほうがベター。例文2では要領を得ない日常会話を取り上げていますが、時間がコストに直結するビジネスの場では、より簡潔な情報発信が欲しがられるものです。

本を読んだあとで…

学術書やハウツー本などを読み終えたあと、自分が気になった点を要約する作業を行うと、本の内容を自分のものにしやすくなります。本を読破してわかった気になっても、時間が経つと詳細までは覚えていられないもの。メモ書きレベルまで簡潔化された自分なりの要約資料が残っていれば、見返すのも簡単ですね。

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「要約」のハウツーをご紹介!

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いざ「要約してみろ」と言われても、経験がないとどこから手を付けていいのか不安になるもの。この記事の最後に、「要約」の基本的な考え方(心構え)と具体的な手順の例をご紹介します。

「要約」の心構え

普段から新聞や書籍を読んだあとに、「もっとシンプルにするなら、こういう構成と表現にして伝えるかな」と考えることが、「要約」の訓練になります。日々このように考えていると、自然と自分の言葉で説明するクセもついてくるでしょう。

「要約」をするときの大切なポイントは、筆者の気持ちを想像することです。「なにを問題点と考えているのか」「なにを指摘したいのか」を意識してみると効果的。文書全体を、一度に要約してしまわないことも重要です。書籍なら目次の項目ごとに、論説なら序論・本論・結論など、『文書の構成単位ごと』を意識するといいかもしれません。

「要約」には手順がある?

それでは最後に「要約」のやり方について、一例を示します。

まずは文章全体をざっと読むことです。頻繁に出てくるキーワードには、下線などのチェックを入れておきましょう。次に文章の段落ごとに、文章1つ1つをみてポイントとなる部分をメモしておきます。そして段落ごとのまとめから『筆者の言いたいこと』を抜き出し、それらをつなぎ合わせてください。ここまでの作業を文章全体に渡って繰り返していけば、「要約」の完成です。

要約上手は勉強上手

この記事では「要約」について、単語としての意味・行うことの意義・やり方の一例をご紹介しました。

情報にあふれる現代は、豊かさを求めやすくなりました。しかしその一方で、多すぎる情報をいかに「要約」して、自分の中に落とし込むかの重要性が増しています。「要約」のポイントを見抜く腕前は、センスによる部分もさることながら、だれでも訓練で上達可能です。学問分野の書籍や論文、啓発本などを要約する自分なりの技術ができあがれば、勉強の効率も飛躍的に上昇するでしょう。

この記事がみなさんの要約力の一助になり、豊かな人生の糧になれば幸甚です。

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国語言葉の意味

「要約」のコツは?要点・要旨との違いや意味・例文・類語・書き方をwebライターがわかりやすく解説!

この記事では、「要約」について解説する。

様々な情報にあふれている現代は、学校でも仕事でも情報の処理にかける時間が惜しいもんです。その分「要約」の重要性は高まっていると言えるでしょう。普段の会話で自分の意思を「要約」して要領よく的確に伝えることは、話を聞く相手の負担を減らすための思いやりにもなる。しかし要点をまとめたうえで違和感なく情報を伝達するには、注意しなければならないこともある。
今回は学生時代に日本語・英語問わず100本近い数の論文を読み込んで内容を要約してたっていうライターのぷーやんを呼んです。「要約」の意味と使われ方について、説明してもらおう。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。文章を簡潔に要約することで、社内のルール・マニュアルを見やすく、読みやすく校正した。

「要約」の意味を押さえよう!

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それでは早速、「要約」の意味からみていきましょう。

辞書にみる「要約」

「要約」は、辞書では以下のように書かれています。

1.文章などの要点をとりまとめること。また、そのまとめたもの。「読んだ本の内容を―して話す」
2.約束を結ぶこと。また、約束。
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「要約」

2の意味はあまりなじみがないかもしれませんね。1に「要点をとりまとめたもの」とあるように、「要点」と「要約」は違うもの。さらによく似た言葉の「要旨」とも異なります。次にこれらの違いをみていきましょう。

「要約」と「要点」「要旨」との違いとは?

いずれの言葉も『内容をまとめたもの』なのだろうという予想はつきますが、詳細な意味合いは不確実な方も多いのではないでしょうか。それぞれを簡潔に説明します。

まず「要点」は、文章の中の重要なポイント。「キーワード」とも言えるものです。そして「要約」は要点をつないでいき、文章の字数を減らして全体を短くしたもの。最後に「要旨」は、筆者の主張を抜粋したものです。

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