
このことわざの意味は端的に言うと「言わないほうがよい」または「言うまでもない」といったところですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

ライター/本木
大学では理系専攻で、物事の仕組みや成り立ちについて考えることを得意としている。「言わずもがな」の意味についても、言葉を一つひとつ分解して解説していく。
「言わずもがな」の意味は?
「言わずもがな」には、次のような意味があります。
1.(「の」を伴って連体詞的に用いて)言わないほうがよい。言わでもの。「言わずもがなのことを言う」
2.言うまでもなく。もちろん。「英語は言わずもがな、フランス語も話す」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「言わずもがな」
そもそも「言わずもがな」は古語表現で、また3つの単語からなる成句です。聞き慣れない単語も含みますので、まずは単語一つひとつを分けて確認しましょう。
「言わ」は動詞「言う」の未然形、「ず」は打消しの意味を持つ助動詞、「もがな」は願望を表す終助詞です(「もがな」はさらに終助詞「もが」と終助詞「な」に分けることができます)。そこから文字通りの意味として、「言わないほうがよい」「言うべきでない」となるのが上記の1の意味です。なお「言わでも」は「言う」の未然形、接続助詞「で」、係助詞「も」からなり、「言わないでもよいこと」を意味します。
さらにそこから転じて、2の「(言う必要がないほど)当然のこと」「言うまでもない」という意味が生まれました。
「言わずもがな」の使い方、例文
それでは「言わずもがな」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、実際の会話や文章では以下のように用いられます。
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