
「矜恃」の使い方・例文
「矜恃」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。…などと文章を始めてください。
1.「この状況でも淡々と仕事に打ち込むのが現場人としての矜恃だ。」
2.「若手の研究を無断引用するなんて、研究者としての矜恃が無い。」
いずれの例文も本人の肩書や職業を全うする、という文脈で使用されているものです。また、その仕事ぶりや業績を表に出すというよりは自分に課せられたある意味本人の「当たり前」と思うラインを指す、ということが出来ます。「能ある鷹は爪を隠す」「不言実行」といった慣用句にも近いニュアンスがありますね。
「矜恃」の類義語は?違いは?

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ここまで「矜恃」についての意味を理解するにあたり「矜持」と比較してきたため、この章ではそれ以外の類義語について触れていきます。「自尊心」「自任」「自負」について見ていきましょう。
その1「自尊心」
自分を尊いとする心と書いて「自尊心」。「矜恃」のように役職や仕事の内容を指す以外にも、自分の存在そのものを大切にするという意味合いがあります。親子関係、人間関係の文脈にも使われますね。なお、「自尊心」が傷つくのは人に雑に扱われたりする時ですが、「矜恃」が傷つくのは実力不足を知るときなどです。
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