写真用語の「デフォルメ」
「デフォルメ」は変形するという意味ですが、写真用語の「デフォルメ」は超広角レンズや魚眼レンズを使用して被写体を撮影する技法のことを言います。魚眼レンズの場合、180°の広い範囲を撮影できるので、空が丸く見えたり、画面端の高層ビルが曲線に見えたり、肉眼では見られないインパクトのある写真を撮影することができるのです。
語源はフランス語の「deformer」
「deformer」(デフォルメ)はフランス語で、~を変形させる、ゆがめるなどの意味があります。名詞形は「deformation」(デフォルマシオン)です。日本では「SD」のように対象を誇張し、簡略化しますが、もともとの「deformer」にはそのような意味はなく、変形するという意味で使われています。
例文で「デフォルメ」の使い方を見てみよう!
次に、例文で「デフォルメ」の使い方を見てみましょう。
1.彼は、人間をデフォルメして描いたのではない。単にデッサンが狂っているだけだ。
2.漫研にいた彼女は、当時先生をデフォルメしてミニキャラにするのがうまく、今では人気漫画家となって活躍している。
3.あの国の国営放送は、自国民に今日の世界情勢を正しく伝えると言いながら、事実をデフォルメして報道しているとしか思えない。
「デフォルメ」は制作者が意図的に対象を変形して描くことを指します。単にヘタで被写体が歪んでしまうのは、「デフォルメ」ではありません。2番目の例文は「スーパーデフォルメ」のことですね。デフォルメは「歪曲する」という意味もあるので、3番目の例文のように美術以外に事実や情報を歪めるという文脈でも使われることがあります。
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