
端的に言えば億劫の意味は「めんどうでやりたくない様子」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「億劫」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「億劫」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「億劫」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
「億劫」は「おっくう」と読みます。しばしば日常会話でも使われますね。なんとなく意味を知っている人も多いと思いますが、正確な意味や語源を知ることで、自信をもって使えるようになれます。それでは早速「億劫」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「億劫」の意味は?
まず初めに「億劫」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう「億劫」には、次のような意味があります。
1.手足や頭を働かせることがめんどうな様子。何もやりたくない気持ち
出典:新明解国語辞典(三省堂)「億劫」
2.めんどうで気が進まないさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「億劫」
上記の通り「億劫」とは、体や頭を動かして何かをすることを面倒に思う様子です。すべきことが煩雑で面倒である、というわけではなく、すべきことに対してただやる気がでない、動きたくないと言う心情を表す言葉ですね。
「億劫」の語源は?
次に「億劫」の語源を確認しておきましょう。「億劫」は、もともと仏教語であり、インドのサンスクリット語に語源があります。
「劫」とは、サンスクリット語の「カルパ」のことです。「カルパ」を漢字で書くと、「劫派」で、それを省略し「劫」と表します。そして、「劫」とは、仏教で言う、最長の時間の単位なのです。「劫」と言う時間について、2000kmもの大きさの岩山を天女が100年に1度布でなで、摩擦ですり減って完全になくなっても、まだ「劫」には満たないとも書いてある書物もありますから、想像するだけで計り知れないほどに長い時間ですね。そして「劫」に「億」をかけるわけですから、とてつもない長さです。つまり、「億劫」が「やる気が出ない」と言う意味合いになったのは「途方もなく長い時間かかることなので、やる気も起こらない。」と言う意味が転じたからなのです。
また、元々は「億劫」は「おくこう」と読まれていました。それが転じて「おっこう」となり、さらに変化して「おっくう」になったのです。現在では普通「おっくう」と読みますが、「おっこう」とも読むことを覚えておくと良いでしょう。
\次のページで「「億劫」の使い方・例文」を解説!/