この記事では「億劫」について解説する。

端的に言えば億劫の意味は「めんどうでやりたくない様子」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「億劫」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「億劫」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「億劫」の意味や語源・使い方まとめ

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億劫」は「おっくう」と読みます。しばしば日常会話でも使われますね。なんとなく意味を知っている人も多いと思いますが、正確な意味や語源を知ることで、自信をもって使えるようになれます。それでは早速「億劫」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「億劫」の意味は?

まず初めに「億劫」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう「億劫」には、次のような意味があります。

1.手足や頭を働かせることがめんどうな様子。何もやりたくない気持ち

出典:新明解国語辞典(三省堂)「億劫」

2.めんどうで気が進まないさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「億劫」

上記の通り「億劫」とは、体や頭を動かして何かをすることを面倒に思う様子です。すべきことが煩雑で面倒である、というわけではなく、すべきことに対してただやる気がでない、動きたくないと言う心情を表す言葉ですね。

「億劫」の語源は?

次に「億劫」の語源を確認しておきましょう。「億劫」は、もともと仏教語であり、インドのサンスクリット語に語源があります。

」とは、サンスクリット語の「カルパ」のことです。「カルパ」を漢字で書くと、「劫派」で、それを省略し「劫」と表します。そして、「劫」とは、仏教で言う、最長の時間の単位なのです。「劫」と言う時間について、2000kmもの大きさの岩山を天女が100年に1度布でなで、摩擦ですり減って完全になくなっても、まだ「劫」には満たないとも書いてある書物もありますから、想像するだけで計り知れないほどに長い時間ですね。そして「劫」に「億」をかけるわけですから、とてつもない長さです。つまり、「億劫」が「やる気が出ない」と言う意味合いになったのは「途方もなく長い時間かかることなので、やる気も起こらない。」と言う意味が転じたからなのです。

また、元々は「億劫」は「おくこう」と読まれていました。それが転じて「おっこう」となり、さらに変化して「おっくう」になったのです。現在では普通「おっくう」と読みますが、「おっこう」とも読むことを覚えておくと良いでしょう。

\次のページで「「億劫」の使い方・例文」を解説!/

「億劫」の使い方・例文

それでは、「億劫」の使い方を実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.最近仕事が忙しく、家に帰ると疲れはててお風呂に入るのも億劫だ。
2.あなたの家まではけっこうな距離があるから、歩いて行くのが億劫になるよ。
3.今日は朝から雨で出かけるのも億劫だったが、ネットでおすすめカフェのサイトを見たら居ても立ってもいられなくなり家を飛び出した。

このように、「億劫」は、何かをするのに動くのも面倒な気分だ、と言う意味合いで使われます。例文のように「億劫だ」「億劫になる」などの使い方が多いでしょう。稀ですが、名詞でつかうのなら「億劫さ」と使えます。他にも「億劫がる」と言う使い方もできるでしょう。

「億劫」の類義語は?違いは?

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「億劫」の類義語には「気乗りしない」や「大儀」が挙げられます。

「気乗りしない」

「気乗りがしない」とは、何かを積極的にしようとする気持ちになれないことですから、「億劫」類義語としてふさわしいと言えるでしょう。「気乗りがしない」と「億劫」との違いは、「億劫」の方に、何かをするのに動くのも面倒である、と言う意味合いが含まれるところです。

では、「気乗りがしない」の例文を見て使い方を確認しましょう。

\次のページで「「大儀」」を解説!/

・そんな確証もない療法を勧める医療機関に行くのは気乗りがしないよ。

「大儀」

大儀」の読み方は「たいぎ」です。「大儀」にはいくつかの意味があります。一つめは、朝廷などで行われる重要な行事のこと。次に、重大な事柄、大事なこと、と言う意味もあります。他には時代劇などで見かけますが、「大儀じゃ」などと、人の苦労をねぎらう意味で使われることもありますね。そして、「大儀」は、疲れて何もしたくないことや、面倒でやりたくない、と言う意味も持っているのです。こちらの意味で使われた場合、「億劫」の類義語だと言えるでしょう。

「大儀」の使い方も、例文を見て確かめましょう。

・歳をとったせいか、手間のかかる料理は大儀に感じるようになってきた。

「億劫」の対義語は?

「億劫」は、動く気になれなず、やる気がおきないと言う意味ですから、反対の意味を持つ言葉としては「意欲」が挙げられます。

「意欲」

「意欲」は自分から積極的に何かをやってやろうとする気持ちのことです。日常でも良く使われる言葉で、「意欲的」や「意欲を燃やす」「意欲が高まる」「意欲が薄れる」などと言うように色々な表現で使われます。「億劫」が何かをするのに面倒がり消極的な事ですから、対義語としてふさわしいですね。また「モチベーション」と言う言葉を聞いたことがあると思います。日常からビジネスまで、非常に良く使われる言葉ですね。この「モチベーション」は「意欲」と言う意味で使うこともできます。覚えておくと良いでしょう。

それでは、「意欲」の使い方も例文で確かめてみましょう。

・英語の単語テストがあると知って、一週間前もから意欲的に勉強に取り組んだ。

\次のページで「「劫」を使った言葉「永劫」」を解説!/

「劫」を使った言葉「永劫」

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さきほど、「劫」とは仏教用語であると説明しました。そして、「永劫」もまた仏教用語の「劫」が含まれています。「永」も長い時間と言う意味を持ちますから、永遠に続くかのような長い時間、と言うことですね。四字熟語で「未来永劫」と言う表現もあり、これからの未来にある長い時間、と言う意味です。このように仏教に由来する言葉と言うのは、身近に多くあります。昔の日本人の生活に、仏教がとても親しかったことを推測できますね。

「億劫」を使いこなそう

この記事では「億劫」の意味・使い方・類語などを説明しました。「億劫」は本来は「とてつもなく長い時間」と言う意味の仏教用語でしたね。それが庶民の中で使われるうちに意味が転じて、現在の「億劫」の意味ができたのです。私たちがこうして何気なく使う言葉の中にも、仏教に関する言葉というものは少なくないのですから、昔、仏教は庶民の生活にも深く関わりあっていたのでしょう。言葉と文化の繋がりはとても興味深いですね。

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国語言葉の意味

「億劫」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「億劫」について解説する。

端的に言えば億劫の意味は「めんどうでやりたくない様子」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「億劫」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヒマワリ

今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「億劫」についてわかりやすく丁寧に説明していく。

「億劫」の意味や語源・使い方まとめ

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億劫」は「おっくう」と読みます。しばしば日常会話でも使われますね。なんとなく意味を知っている人も多いと思いますが、正確な意味や語源を知ることで、自信をもって使えるようになれます。それでは早速「億劫」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「億劫」の意味は?

まず初めに「億劫」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう「億劫」には、次のような意味があります。

1.手足や頭を働かせることがめんどうな様子。何もやりたくない気持ち

出典:新明解国語辞典(三省堂)「億劫」

2.めんどうで気が進まないさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「億劫」

上記の通り「億劫」とは、体や頭を動かして何かをすることを面倒に思う様子です。すべきことが煩雑で面倒である、というわけではなく、すべきことに対してただやる気がでない、動きたくないと言う心情を表す言葉ですね。

「億劫」の語源は?

次に「億劫」の語源を確認しておきましょう。「億劫」は、もともと仏教語であり、インドのサンスクリット語に語源があります。

」とは、サンスクリット語の「カルパ」のことです。「カルパ」を漢字で書くと、「劫派」で、それを省略し「劫」と表します。そして、「劫」とは、仏教で言う、最長の時間の単位なのです。「劫」と言う時間について、2000kmもの大きさの岩山を天女が100年に1度布でなで、摩擦ですり減って完全になくなっても、まだ「劫」には満たないとも書いてある書物もありますから、想像するだけで計り知れないほどに長い時間ですね。そして「劫」に「億」をかけるわけですから、とてつもない長さです。つまり、「億劫」が「やる気が出ない」と言う意味合いになったのは「途方もなく長い時間かかることなので、やる気も起こらない。」と言う意味が転じたからなのです。

また、元々は「億劫」は「おくこう」と読まれていました。それが転じて「おっこう」となり、さらに変化して「おっくう」になったのです。現在では普通「おっくう」と読みますが、「おっこう」とも読むことを覚えておくと良いでしょう。

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