この記事では「今日も今日とて」について解説する。

端的に言えば今日も今日とての意味は「相も変わらず」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役の落語家でwebライターの晋治を呼んです。一緒に「今日も今日とて」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/晋治

現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。

「今日も今日とて」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「今日も今日とて」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。最近では若者が「今日も今日とて」という言葉を使っているそうですね。10代の女子などがインスタグラムのハッシュタグで「今日も今日とて渋谷」などと使っているそうです。私は落語家なので「今日も今日とて」という表現は非常によく使います。例えば、落語の中で紙屑屋さんが出てくるときに「今日も今日とてやってまいりましたのが裏長屋でございまして」という表現。この「今日も今日とて」という言葉は特定の日を指すのではなく「相も変わらず」「今日もいつもと同じように」「代わり映えのしない毎日」「ワンパターンな」「日課」というニュアンスで、その人物像や行動パターンを有効的に表現できるので非常に便利なフレーズですね。

「今日も今日とて」の意味は?

「今日も今日とて」の「とて」には次のような意味があります。辞典などで確認してみましょう。

「とて」

1、[格助]名詞、引用の句・文に付く。
・引用を表す。…といって。…と思って。「山に登るとて出かけた」
・事物の名称、役職名などを表す。…という名で。…といって
2、[接助]活用語の終止形、助詞などに付く。打消し・反語の意の表現を伴って、ある条件を述べそれが順当な予想に反する結果を生じることを表す。…としても。…といっても。「言ったとて、どうにもならない」→からとて →って
3、[係助]名詞または名詞に準じる語に付く。
・ある事物が、例外でなく他の一般の場合の中に含まれることを表す。…だって。…でも。「私とて不安がないわけではない」「違反すれば、未成年者とて許すわけにはいかない」
・下の動作の根拠を提示する意を表す。「子供のこととて大目にみよう」
 
引用:goo辞書「とて」
 

「今日も今日とて」という表現は、まず「とて」の意味を理解することが重要です。この「とて」の意味は上記の引用にもあるように格助詞、接続助詞、係り助詞の三つに分類でき、この「とて」は上記3の係り助詞「ある事物が、例外でなく他の一般の場合の中に含まれること」を表しています。

例をあげますと「今日も今日とて満員電車に揺られて帰宅する」という表現。これは毎日満員電車にゆられて帰宅するのが日常で、もし電車が空いていたら、それは非日常ということ。つまり、満員電車に乗って帰宅するのは例外ではなく当たり前の日常として受け入れていることを伝えているのですね。

「今日も今日とて」の語源は?

次に「今日も今日とて」の「とて」の語源を確認しておきましょう。

格助詞「と」に接続助詞「て」の付いたものとする説や、断定の助動詞「たり」の連用形に接続助詞「て」の付いたものとする説などが語源と言われています。

参照:goo辞書「とて」

\次のページで「「今日も今日とて」の使い方・例文」を解説!/

「今日も今日とて」の使い方・例文

「今日も今日とて」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

下記の例文1は自分の行動、例文2は他人の行動、例文3は自分以外の事象、という3つのシーンに対する「今日も今日とて」の使用例です。

1.今日も今日とて満員電車に乗って会社へ行く。

2.今日も今日とて彼女は満面の笑みで僕を迎えてくれる。その理由は、彼女はオフィスの受付事務で働いており、笑顔で接することが仕事だからだ。

3.今日も今日とてテレビではコロナのニュースばかりだ。一日も早い終息を願う。

「今日も今日とて」は自分の行動や感情を強調する効果があります。基本的には自分自身の行動に対して使う言葉でしょうね。「今日も今日とて母はため息ばかりついている」や「今日も今日とて上司は自慢話ばかりして部下を退屈させている」という表現はそこまで違和感は感じませんが、この場合は「明けても暮れても母はため息ばかりついている」や「相変わらず上司は自慢話ばかりして部下を退屈させている」という表現の方が適切でしょう。

また、「今日も今日とて」という言葉はポジティブにもネガティブにも使用することができる言葉です。「変化のない毎日」や「代わり映えのしない毎日」といった意味なのでネガティブな言葉のイメージが強いですが、「今日も今日とて最高の仲間に囲まれて笑いの多い幸せな時間を過ごした」というようなポジティブな使い方もできます。

「今日も今日とて」の類義語は?違いは?

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次は「今日も今日とて」の類義語を見ていきましょう。

「相変わらず」

「今日も今日とて」の類義語で最初に思い浮かぶ言葉は「相変わらず」という言葉ではないでしょうか?「相変わらず」という言葉は日常会話でも頻繁に使う言葉で「今までと変わった様子が見られないさま」「以前と同じように」といった意味ですね。「相変わらず」は良い時にも悪い時にも使える便利な言葉です。悪くいえば「全く成長していない」というニュアンスを含んだ恐ろしい言葉に姿を変えることもあります。フラれた彼女に街で偶然再会して「相変わらずだね」と言われたときは、顔で笑って心で泣きましょう。

\次のページで「「明けても暮れても」」を解説!/

「明けても暮れても」

「明けても暮れても」という表現は「飽きもせず、同じことを毎日続けるさま。年がら年中」という意味で、良いこととして評価される事柄にはあまり使用しません。例えば「彼は四十にもなって就職もせずに、明けても暮れてもテレビゲームばかりしている」といった使い方ですね。「今日も今日とて」と比較すると「明けても暮れても」の方がその日一日の行動に重点をおいた表現になります。

「今日も今日とて」の対義語は?

では類義語に続いて「今日も今日とて」の対義語も見ていきましょう。

「いつになく」

「いつになく」という表現は例外的な事柄に対して使用します。「いつもと違って」「いつも通りでなく」[珍しく」といった意味です。「今日も今日とて」が変わらない日常を表す言葉で、「いつになく」は非日常を表します。例えば「いつになく早起きをしたので母は驚いていた」といった使い方ですね。間違っても、付き合っている彼女に「今日はいつになく綺麗だね」なんて言ってはいけませんよ。

「今日も今日とて」の英訳は?

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では「今日も今日とて」の英訳も見ていきましょう。

「今日も今日とて」を英訳するときはあまり難しく考えず「来る日も来る日も」という言葉に置き換えればいいでしょう。

「day after day」

I practiced day after day.
私は今日も今日とて(来る日も来る日も)練習した。

I kept waiting day after day.
今日も今日とて(来る日も来る日も)待ち続けた。

「今日も今日とて」はポジティブな使い方よりはネガティブな使い方の方が多いですね。「day after day]も同じです。良い意味ではあまり使われませんので、ニュアンスも伝わりやすいでしょう。

「今日も今日とて」を使いこなそう

この記事では「今日も今日とて」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「今日も今日とて」という言葉は、どちらかというとネガティブな使われ方が多いようです。ですが、前向きに自分の人生を努力で切り開いていこうとする人でしたら「今日も今日とて勉学に励む」や「今日も今日とて夢に近づくために練習をした」というようなポジティブで強い意志を持った使い方もできますね。

なかなか難しいかもしれませんが、そんな「今日も今日とて」の使い方ができるように「今日も今日とて」学びましょう。

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国語言葉の意味

「今日も今日とて」の意味や使い方は?例文や類語を落語家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「今日も今日とて」について解説する。

端的に言えば今日も今日とての意味は「相も変わらず」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役の落語家でwebライターの晋治を呼んです。一緒に「今日も今日とて」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/晋治

現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。

「今日も今日とて」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「今日も今日とて」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。最近では若者が「今日も今日とて」という言葉を使っているそうですね。10代の女子などがインスタグラムのハッシュタグで「今日も今日とて渋谷」などと使っているそうです。私は落語家なので「今日も今日とて」という表現は非常によく使います。例えば、落語の中で紙屑屋さんが出てくるときに「今日も今日とてやってまいりましたのが裏長屋でございまして」という表現。この「今日も今日とて」という言葉は特定の日を指すのではなく「相も変わらず」「今日もいつもと同じように」「代わり映えのしない毎日」「ワンパターンな」「日課」というニュアンスで、その人物像や行動パターンを有効的に表現できるので非常に便利なフレーズですね。

「今日も今日とて」の意味は?

「今日も今日とて」の「とて」には次のような意味があります。辞典などで確認してみましょう。

「とて」

1、[格助]名詞、引用の句・文に付く。
・引用を表す。…といって。…と思って。「山に登るとて出かけた」
・事物の名称、役職名などを表す。…という名で。…といって
2、[接助]活用語の終止形、助詞などに付く。打消し・反語の意の表現を伴って、ある条件を述べそれが順当な予想に反する結果を生じることを表す。…としても。…といっても。「言ったとて、どうにもならない」→からとて →って
3、[係助]名詞または名詞に準じる語に付く。
・ある事物が、例外でなく他の一般の場合の中に含まれることを表す。…だって。…でも。「私とて不安がないわけではない」「違反すれば、未成年者とて許すわけにはいかない」
・下の動作の根拠を提示する意を表す。「子供のこととて大目にみよう」
 
引用:goo辞書「とて」
 

「今日も今日とて」という表現は、まず「とて」の意味を理解することが重要です。この「とて」の意味は上記の引用にもあるように格助詞、接続助詞、係り助詞の三つに分類でき、この「とて」は上記3の係り助詞「ある事物が、例外でなく他の一般の場合の中に含まれること」を表しています。

例をあげますと「今日も今日とて満員電車に揺られて帰宅する」という表現。これは毎日満員電車にゆられて帰宅するのが日常で、もし電車が空いていたら、それは非日常ということ。つまり、満員電車に乗って帰宅するのは例外ではなく当たり前の日常として受け入れていることを伝えているのですね。

「今日も今日とて」の語源は?

次に「今日も今日とて」の「とて」の語源を確認しておきましょう。

格助詞「と」に接続助詞「て」の付いたものとする説や、断定の助動詞「たり」の連用形に接続助詞「て」の付いたものとする説などが語源と言われています。

参照:goo辞書「とて」

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