その1「詐欺」
「詐欺」というと「オレオレ詐欺」「結婚詐欺」という犯罪行為が連想されますね。「詐欺」とは「他人に害を与えるような意図的なごまかし」を表し、相手をだまして損害を与えたり金品を奪ったりという違法・犯罪行為を指す言葉です。
「相手をだます」点では「欺瞞」と同じ意味を持ちますが、「欺瞞」は必ずしも処罰対象になる犯罪行為ではない点で異なります。
その2「虚偽」
「虚偽」のはうそ・偽りのこと。故意、あるいはうっかりと真実を誤らせる言明をすることを指します。「虚」は「中身がなくからっぽ、実が伴わない」という意味、「偽」は「いつわる、にせもの」という意味です。二つが重なり、うわべだけを取り繕って中身がない偽物という意味になります。
その3「欺騙」
「欺騙」は「ぎへん・きへん」と読みます。あざむきだますという意味ですが、「虚偽」よりも狡猾で組織的に、悪意を持ってだます状態を指す言葉です。より「欺瞞」に近いニュアンスを持っています。
その4「ペテン」
「ペテン」も人をだますという意味です。だます行為をする人を「ペテン師」と言ったりしますね。「詐欺」を意味する中国語の「bengzi」が訛ったもので、日本では明治初期から使われています。「偽造」が当て字として使われた時期もあり、「意図的に相手をだます」意味を強く持つ言葉です。
「欺瞞」の対義語は?
人をあざむくという意味の「欺瞞」は、対義語はあるのでしょうか?「あざむく」の対義語を考えると見えてきます。
その1「誠実」
「誠実」とは私利私欲をまじえず、真心とともに真面目に人や物事に対することや状態、人を指す言葉です。「誠」も「実」も真面目なまごころという意味があり、同じ意味を重ねた構造は「欺瞞」と同じですね。「欺瞞」が「あざむきだます」漢字を重ねてできたことを考えると、まるで反対の位置にある言葉と言えるでしょう。
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