この記事では「イニシアチブ」について解説する。

端的に言えばイニシアチブの意味は「主導権」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「イニシアチブ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。記事作成のためのインタビューもイニシアチブを握れば重要なことを聞き出せるというもの。仕事でも家庭でもイニシアチブをとることは重要と実感しているライターがその意味や使い方等について解説する。

「イニシアチブ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「イニシアチブ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「イニシアチブ」の意味は?

「イニシアチブ」には、次のような意味があります。

1.物事を率先してすること。首唱。先導。

2.主導権。

3.国民が自発的に立法に関する提案を行うことのできる制度。直接民主制の一要素。国民発案。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「イニシアチブ」

デジタル大辞泉の解説に沿ってみていきましょう。

1の「率先」は「先に立つ」こと。例えば…真冬の雑巾がけはみんなしたくないですよね。それを進んでするのが「率先」。「首唱」は「主になって唱える」こと。1,2,3と3つの方法があったとします。その中でどの方法を選ぶのかということを協議をする時「3でいきましょう!」と真っ先に強く主張することが「首唱」。「先導」は「先に立って導く」こと。「どうしようか…」とみんなが迷っている時に「こうしよう!」と進む方向を決めて、みんなをその方向に引っ張って行くのが「先導」です。

2「主導権」は「主となって進める力」という意味で、ビジネスやスポーツでよく使われますが、スポーツでは「主となって進める力」という意味から「イニシアチブを握る」=「有利」「イニシアチブを握られる」=「不利」という使われ方をします。

3「直接民主制」とは国家の意思決定等に国民が直接参加する制度で、日本は直接民主制ではなく「間接民主制」です。

私たちは主に1,2の意味で「イニシアチブ」を使います。

「イニシアチブ」の語源は?

次に「イニシアチブ」の語源を確認しておきましょう。

「イニシアチブ」は英語の「initiative」をカタカナ表記したものです。「initiative」の語源は「initial」。「initial」には「初めの、最初の、皮切りの」といった意味があり「initiative」の「先に立って」という意味と繋がっていますね。

\次のページで「「イニシアチブ」の使い方・例文」を解説!/

「イニシアチブ」の使い方・例文

「イニシアチブ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.出社すると上司から「今日のあなたのイニシアチブはリストアップした営業先に電話すること」と言われた。

2.この業界でイニシアチブを握るためには「初期費用をどれだけ抑えられるか」が重要なポイントになる。

3.我々のチームは前半、ボールを支配しイニシアチブを握ったが…後半は相手チームの粘り強さにスタミナ切れをおこし…三回戦で敗退した。

例文1の「イニシアチブ」は「率先」という意味。なので…出社したら上司から「今日、あなたが率先してする仕事はリストアップした営業先に電話すること」と言われた…という意味になります。

例文2の「イニシアチブ」は「主導権」。ここで用いられている「イニシアチブ」はビジネス用語。ビジネスで主導権という意味の「イニシアチブを握る」という場合は「トップシェアを取る」という意味で用いられていることが多く、「この業界でイニシアチブを握る」は「この業界でトップシェアを取る」という意味になりますね。

例文3はスポーツで使われる「イニシアチブ」。「ボールを支配しイニシアチブを握った」は「ボールを支配し、有利だった」ということになります。

「イニシアティブ」の類義語は?違いは?

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「率先」「主導権」等の意味をもつ「イニシアチブ」にはどんな類義語があるのでしょうか。

「積極」

「積極」は進んで物事を行うこと。「イニシアチブ」の「率先してすること」と同じ意味合いですね。

「リーダーシップ」も「イニシアチブ」と同じ意味合いに思われがちですが「イニシアチブ」は「率先して行動することによって他者がついてくる」という意味で…これに対し「リーダーシップ」「他者がついてくるようにまとめ上げることを目的として行動する」という意味なので意味合いが違います。

\次のページで「「イニシアチブ」の対義語は?」を解説!/

「イニシアチブ」の対義語は?

つぎに「イニシアチブ」の対義語についてみていきましょう。

「追随」

「追随」とは「前を行く人の後をついていくこと」です。「イニシアチブ」がもつ「先に立つ」という意味「率先」の対義語が「追随」ですね。

「イニシアチブ」の英訳は?

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「イニシアチブ」は英語の「initiative」をカタカナ表記したものなので…ここでは「率先」「主導権」「有利」という使い方で英訳してみましょう。

1.He took the initiative to speak and draw attention.

彼は率先して発言し、注目を集めた。

2.The strategy she devised seems to be quite effective in taking the initiative in new businesses

彼女が考えた戦略は新規事業で主導権をとるためにかなり効果的だと考えられる。

3.They were advancing the match in their favor.

彼等は試合のイニシアチブを握っていた。

1took the initiative to speak」「率先して発言した」の英訳ですが、「イニシアチブを取った」という表現が使われています。

2「主導権をとるために」「taking the initiative」と表現されていますね。

3スポーツにおいて「イニシアチブを取る」は「試合を有利に進める」という意味なので「 in their favor」「彼らにとって有利に」となっています。

\次のページで「「イニシアチブ」を使いこなそう」を解説!/

「イニシアチブ」を使いこなそう

この記事では「イニシアチブ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「イニシアチブ」は日常生活において主に「率先」「主導権」という意味で用いられていることが多いのですが、スポーツ中継では「イニシアチブを握る」という表現で「有利に進める」という意味に用いられていることがわかりました。

ビジネスやスポーツで使われることが多い「イニシアチブ」ですが…家庭の中にも「イニシアチブ」は存在します。家庭の中の「イニシアチブ」…誰が握っていますか?

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国語言葉の意味

「イニシアチブ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「イニシアチブ」について解説する。

端的に言えばイニシアチブの意味は「主導権」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「イニシアチブ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。記事作成のためのインタビューもイニシアチブを握れば重要なことを聞き出せるというもの。仕事でも家庭でもイニシアチブをとることは重要と実感しているライターがその意味や使い方等について解説する。

「イニシアチブ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「イニシアチブ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「イニシアチブ」の意味は?

「イニシアチブ」には、次のような意味があります。

1.物事を率先してすること。首唱。先導。

2.主導権。

3.国民が自発的に立法に関する提案を行うことのできる制度。直接民主制の一要素。国民発案。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「イニシアチブ」

デジタル大辞泉の解説に沿ってみていきましょう。

1の「率先」は「先に立つ」こと。例えば…真冬の雑巾がけはみんなしたくないですよね。それを進んでするのが「率先」。「首唱」は「主になって唱える」こと。1,2,3と3つの方法があったとします。その中でどの方法を選ぶのかということを協議をする時「3でいきましょう!」と真っ先に強く主張することが「首唱」。「先導」は「先に立って導く」こと。「どうしようか…」とみんなが迷っている時に「こうしよう!」と進む方向を決めて、みんなをその方向に引っ張って行くのが「先導」です。

2「主導権」は「主となって進める力」という意味で、ビジネスやスポーツでよく使われますが、スポーツでは「主となって進める力」という意味から「イニシアチブを握る」=「有利」「イニシアチブを握られる」=「不利」という使われ方をします。

3「直接民主制」とは国家の意思決定等に国民が直接参加する制度で、日本は直接民主制ではなく「間接民主制」です。

私たちは主に1,2の意味で「イニシアチブ」を使います。

「イニシアチブ」の語源は?

次に「イニシアチブ」の語源を確認しておきましょう。

「イニシアチブ」は英語の「initiative」をカタカナ表記したものです。「initiative」の語源は「initial」。「initial」には「初めの、最初の、皮切りの」といった意味があり「initiative」の「先に立って」という意味と繋がっていますね。

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