端的に言えば「理不尽」の意味は「正当性がないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「理不尽」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/タビビト
現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で日本語を分かりやすく説明していく。
「理不尽」の意味は?
「理不尽」には、次のような意味があります。
道理をつくさないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「理不尽」
自分が悪くないことで怒られた時や、自分一人に責任の一切を押し付けられてしまったときなど、「なんて理不尽なんだ」と思う経験を誰しもが一度は味わったことがあるのではないでしょうか。「理不尽」は日常的に馴染み深い言葉なので、その意味を深く考える機会はあまりありませんよね。そこで今回は「理不尽」の意味を深く考えていきましょう。
「理不尽」とは、「道理」つまり物事の筋道が通っていないことを意味する言葉です。私たちは、生活の中で自分に降りかかる出来事に対して、「なぜ降りかかってきたのか」や「どのように降りかかってきたのか」という理由や手段を瞬時に判断してしまうものですよね。そのように判断していく中で、納得するために十分な理由や手段が得られない場合には「理不尽だ」と感じます。これは一つの身を守る手段で、人間の本能ともいえるでしょう。
ただし、「理不尽」を用いる対象は自分に対してマイナスの出来事のみです。「理由も手段も分からないけど、自分にとって良いことが突然起こった」という自分にとってプラスの出来事は、いくら道理が通っていなくても「理不尽」を用いることはありません。
「理不尽」の語源は?
次に「理不尽」の語源を確認しておきましょう。
「理不尽」の漢字を紐解いていくと、「理を尽くす」ということを「不」で打ち消して「理を尽くさず」という意味の構成になっています。「理(ことわり)」は、「物事の筋道」や道理を表現する言葉です。この「理」を「尽くさない」と示しているわけですから、物事の正当さが不十分であるという意味になりますね。
この様に「理不尽」は漢字を一つ一つ紐解いていくことによって語源を導くことが出来ます。難しい漢字の構成のように見えて、意外と意味をそのまま組み合わせた言葉だということがわかりますね。
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