この記事では「かしこまりました」について解説する。

端的に言えばかしこまりましたの意味は「わかりました」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「かしこまりました」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「かしこまりました」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「かしこまりました」の意味や語源・使い方まとめ

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「かしこまりました」という言葉は、日常生活で使う事はあまりありませんがビジネスシーンでよく耳にしますね。お店やホテルの応対時などでもよく使われていて、何となく堅苦しくて丁寧な返事という印象の言葉ですが、どういった使い方が正しいのでしょうか。

それでは早速「かしこまりました」の意味や語源・使い方を一緒に見ていきましょう。

「かしこまりました」の意味は?

「かしこまりました」には、次のような意味があります。

1.身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。

2.  命令・依頼などを謹んで承る意を表す。

3.  恐縮して感謝する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「畏まる(かしこまる)」

「かしこまりました」は、「わかった」「了解した」の丁寧語。「言っている事はわかりました・理解しました」という承知・御意の意味があります。目上の方の言っている事を理解した時に相手への敬語表現として使いますよ。またこの言葉は口語(対面)・文語(メールなど)どちらにも使用可能。

また「かしこまる」は、「謹んで目上の人の話を聞く」という意味も持ち合わせています。動詞の完了形で自分をへりくだった表現なので、これに丁寧語「ます」を合わせて「かしこまりました」という言葉になっていますよ。

「かしこまりました」の語源は?

次に「かしこまりました」の語源を確認しておきましょう。

少しややこしいのですが、簡単に言うと「かしこまる」「かしこ」と同じ意味を持ち、「かしこい」の古語である「かしこし」の語尾が変化した言葉です。「かしこい」は一般的に「頭がよい」「利口」などの意味で用いられますが、自然に宿る精霊の霊威に対して恐ろしいという畏怖の念を表す言葉から「恐れ多い」という意味になり、現在の「恐縮する」といった意味に変化していったのですね。

\次のページで「「かしこまりました」の使い方・例文」を解説!/

「かしこまりました」の使い方・例文

「かしこまりました」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.かしこまりました。すぐに手配いたします。
2.はい、かしこまりました。では、明日12時にお伺いいたします。

ここでは2つの例文を挙げてみました。1つずつ見ていきましょう

まず例文1つ目ですが、会社の上司などに何か依頼を受けたときの返事として使います。「承知しました」「理解しました」という意味にも取れますね。例文2つ目は、「かしこまりました」だけでも簡潔で問題はないのですが、前に「はい、」や後ろに「ありがとうございます」など一言添えると、より丁寧な印象を与えますよ。

どちらのパターンも恐縮する気持ちと依頼などを謹んで承る意味が込められています。

「かしこまりました」の類義語は?違いは?

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では「かしこまりました」の類義語は、どういった言葉があるでしょうか。また「かしこまりました」との違いも併せて解説します。

「承知いたしました」

「承知」は「依頼・要求を聞いて引き受けること」「事情をわかっていること」の意。目上の人に対してならば「承知しました」より「承知いたしました」の方が、より丁寧な表現になります。「かしこまりました」に1番近い言葉で、どちらにも「引き受ける・理解する」の意味が含まれていますよ。なのでビジネスシーンでどちらを使っても問題ありません。しいて言うなら「承知いたしました」には「かしこまりました」ほどの「畏怖・恐縮」といった意味が強くないので、使うシーンは多いかもしれませんね。

\次のページで「「承りました」」を解説!/

「承りました」

「承りました」は、「聞く」「受ける」の敬語表現で「うけたまわりました」と読みます。「承」には、「相手の意向・意図を受け入れる」という意味もあるので、「謹んでお引き受けする」といった解釈になりますよ。「了解した・引き受けた」という意味では「かしこまりました」と同じですが、「承りました」には「私が責任を持って引き受けます」という意味が強いので、基本的には社外の人に対して使います。

「かしこまりました」の対義語は?

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「かしこまりました」には、どういった対義語があるでしょうか。

「承知いたしかねます」

「畏まる」には「偉ぶる」という対義語がありますが、「かしこまりました」という言葉自体に明確な対義語は存在しません。「かしこまりました」には「分かった・理解した」という意味が含まれていましたね。ですのでその反対を意味する「理解していない・納得していない・拒否」になります。実際使用するとしたら「承知いたしかねます」がふさわしいでしょう。

「かしこまりました」の英訳は?

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「かしこまりました」は英語にするとどんな表現になるでしょうか。前出の例文を使って英文を挙げてみました。

「I understand」

「I understand」には「理解する」「言うことを理解する」「聞いて知っている」の意味があります。同じ「理解する」で「I get it(わかった)」や「Noted(了解)」という英語もありますが、「きちんと理解した」「頭で理解した」と適切に伝わっていますよという意味で、「I understand」が表現としてはふさわしいでしょう。

I understand. I will arrange it soon.(かしこまりました。すぐに手配いたします。)

・Yes,I understand. I will go there tomorrow at 12o'clock.(はい、かしこまりました。では、明日12時にお伺いいたします。)

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「かしこまりました」を使いこなそう

この記事では「かしこまりました」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「かしこまりました」は、「謹んでお引き受けします」というニュアンスを含めて目上の人に返事をする時に使います。口語・文語・社内・社外問わず使えますが、「きちんと理解しました」といった意味がある、という点がポイントですね。

また「かしこまりました」は、単に丁寧な返事というわけではなく、遡れば古文単語の「かしこし」から由来しているという事も分かりましたね。またビジネス用語として、「承知しました」や「承りました」との使い分けもこの機会にしっかり習得しましょう。

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国語言葉の意味

「かしこまりました」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「かしこまりました」について解説する。

端的に言えばかしこまりましたの意味は「わかりました」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「かしこまりました」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「かしこまりました」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「かしこまりました」の意味や語源・使い方まとめ

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「かしこまりました」という言葉は、日常生活で使う事はあまりありませんがビジネスシーンでよく耳にしますね。お店やホテルの応対時などでもよく使われていて、何となく堅苦しくて丁寧な返事という印象の言葉ですが、どういった使い方が正しいのでしょうか。

それでは早速「かしこまりました」の意味や語源・使い方を一緒に見ていきましょう。

「かしこまりました」の意味は?

「かしこまりました」には、次のような意味があります。

1.身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。

2.  命令・依頼などを謹んで承る意を表す。

3.  恐縮して感謝する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「畏まる(かしこまる)」

「かしこまりました」は、「わかった」「了解した」の丁寧語。「言っている事はわかりました・理解しました」という承知・御意の意味があります。目上の方の言っている事を理解した時に相手への敬語表現として使いますよ。またこの言葉は口語(対面)・文語(メールなど)どちらにも使用可能。

また「かしこまる」は、「謹んで目上の人の話を聞く」という意味も持ち合わせています。動詞の完了形で自分をへりくだった表現なので、これに丁寧語「ます」を合わせて「かしこまりました」という言葉になっていますよ。

「かしこまりました」の語源は?

次に「かしこまりました」の語源を確認しておきましょう。

少しややこしいのですが、簡単に言うと「かしこまる」「かしこ」と同じ意味を持ち、「かしこい」の古語である「かしこし」の語尾が変化した言葉です。「かしこい」は一般的に「頭がよい」「利口」などの意味で用いられますが、自然に宿る精霊の霊威に対して恐ろしいという畏怖の念を表す言葉から「恐れ多い」という意味になり、現在の「恐縮する」といった意味に変化していったのですね。

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