この記事では「アバンギャルド」について解説する。

端的に言えばアバンギャルドの意味は「前衛芸術」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「アバンギャルド」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「アバンギャルド」の意味や語源・使い方まとめ

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「アバンギャルド」という言葉をご存知でしょうか。普段あまり使う機会はないけれど、一度は耳にしたことのある言葉の1つかもしれませんね。そこで今回は、「アバンギャルド」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「アバンギャルド」の意味は?

「アバンギャルド」はお店の名前や車名で使われているので、なんとなく意味のイメージを持っている方も多いはずです。ただ、正しく使うためにも、正しい意味を知っておく事はとても重要になります。

「アバンギャルド」は、次のような意味です。

《軍隊用語で、前衛・尖兵の意》
1.第一次大戦後、欧州に興った芸術革新運動。抽象芸術・シュールレアリスムなどに代表される。前衛派。
2.前衛芸術。

出典:weblio辞書「アバンギャルド」

「アバンギャルド」という言葉は、簡単に言えば『前衛的』という意味です。これは、芸術や文化だけでなく、政治やファッション、軍事的な意味で用いられます。ただし、日本では芸術的な意味合いでよく使われる言葉です。

「アバンギャルド」には「作品」や「人」といった意味も含まれており、「前衛的な作品・人」といった意味になります。

では、「前衛的」とは、どういった意味になるのでしょうか。

時代に先駆けていることを意味する語。フランス語の「avant-garde(アヴァンギャルド)」の直訳。常人には理解し難い、過激さや難解さ、奇抜さなどがあるものを表現する際に用いられることがある。「革命的」「実験的」「先駆的」などの語とほぼ同じ意味で用いられることもある。

出典:weblio辞書「前衛的」

ここからもわかるように、「前衛的」というのは『先駆け』や『新しい』というニュアンスを持ちます。そのため、状況や分野によって、少しずつニュアンスに違いが表れるのです。

では、分野ごとに「アバンギャルド」の意味合いについて見ていきましょう。

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1.ファッション
アバンギャルドなファッション:最先端のファッション、独創的なファッション、斬新なファッション

2.芸術
前衛美術・前衛音楽:革新的な芸術

アバンギャルドはさまざまな分野で、「革新的」や「先駆け」という意味で用いられています。一般人には理解できない「難解さ」や「奇抜さ」などを持つものに対しても用いられるケースがあるため、『少し変わっている』とマイナスなイメージを持っている人もいるのです。ただ、基本は「時代の先駆け」という意味で、プラスのニュアンスですよ。

一方で、「前衛芸術運動」という意味を持つ言葉でもあるのです。20世紀前半に起こった芸術の革命を「前衛芸術運動」と言います。第一次世界大戦が終わった20世紀初めは、芸術運動がとても盛んに起こっていました。当時の価値観を否定する美術運動が世界中に広まったと言われています。ただ、その運動は1930年代の第二次世界大戦が始まったことによって、終わりを迎えたのです。

「アバンギャルド」の語源は?

次に「アバンギャルド」の語源を確認しておきましょう。

「アバンギャルド」は、フランス語「avant-garde」が由来です。もともとは軍事用語で「前衛部隊」という意味でした。それを、1825年にフランスのサン=シモン主義である社会主義者オランド・ロドリグという人が、芸術家の事を「アバンギャルド」と呼んだ事が起源と言われています。サン=シモン主義は、政治的・倫理的革新によって理想を実現化しようとする思想運動でした。自分の思想を広めるための先駆けとして、芸術家を活用しようという思惑があったのです。

「アバンギャルド」の使い方・例文

「アバンギャルド」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ファッションショーでは、アバンギャルドなデザインに出会える。
2.あの人の芸術は、常にアバンギャルドだ。
3.これは、アバンギャルドで独特だな。

「アバンギャルド」は、ファッションに関連した内容で用いると、使いやすいかもしれません。「斬新な」「革新的な」「先駆けの」といった最先端の流行である事を表すことができます。

また、美術や音楽などの芸術に対しても、比較的よく使えますよ。

\次のページで「「アバンギャルド」の類義語は?違いは?」を解説!/

「アバンギャルド」の類義語は?違いは?

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「アバンギャルド」の類義語には、以下のようなものがあります。

1.パイオニア:先駆者、開拓者
2.コンテンポラリー:現代的な
3.ニューウェーブ:新しい傾向

ここでは、「パイオニア」について見ていきましょう。

「パイオニア」

「パイオニア」とは、『開拓者』や『先駆者』という意味です。他の人より先に目的を達成する人、未知の領域に足を踏み入れる人という事。

この「パイオニア」という言葉は、「先駆的」という意味は持っていても「人」を指す言葉です。「アバンギャルド」は「人」だけでなく「作品」も意味に含んでいます。意味としてはほとんど同じですが、「アバンギャルド」の方が広い意味を持つと言えるでしょう。言葉を使う対象によって、使い分ける事が大切です。

「アバンギャルド」の対義語は?

「アバンギャルド」の対義語といっても、分野によって異なるため、一概に「これが対義語」というものがありません。

ここでは、ファッションにおける対義語「コンサバ」をご紹介します。

「コンサバ」

「コンサバ」というのは、「コンサバティブ」の略になります。これは、「保守的」や「伝統的な」という意味です。つまり、「アバンギャルド」は革新的で独特な雰囲気ですが、「コンサバ」はエレガントでありつつも控えめで伝統を重視したものと言えます。

「アバンギャルド」の英訳は?

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「アバンギャルド」はフランス語ですが、英語でも「avant-garde」と同じ表記になります。

\次のページで「「avant-garde」」を解説!/

「avant-garde」

「avant-garde」は、名詞として『前衛的な芸術家』形容詞では「前衛的な」という意味で用いられます。

<形容詞としての使い方>
This is the avant-garde art.
これは前衛的芸術だ

1.avant-garde dance(前衛舞踊)
2.avant-garde music(前衛音楽)
3.avant-garde pictures(前衛映画)
4.avant-garde works(前衛作品)

英語でも、芸術に対して用いられる事が多い言葉です。

「アバンギャルド」を使いこなそう

この記事では「アバンギャルド」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「アバンギャルド」は「革新的」や「先駆的」という意味です。先駆けを示す言葉なので、ときどき一般人には理解できないとして悪いイメージを持たれる事もあります。ただ、その分野の第一人者というニュアンスもあるため、基本的にはプラスの意味で使える言葉です。

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国語言葉の意味

「アバンギャルド」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

1.ファッション
アバンギャルドなファッション:最先端のファッション、独創的なファッション、斬新なファッション

2.芸術
前衛美術・前衛音楽:革新的な芸術

アバンギャルドはさまざまな分野で、「革新的」や「先駆け」という意味で用いられています。一般人には理解できない「難解さ」や「奇抜さ」などを持つものに対しても用いられるケースがあるため、『少し変わっている』とマイナスなイメージを持っている人もいるのです。ただ、基本は「時代の先駆け」という意味で、プラスのニュアンスですよ。

一方で、「前衛芸術運動」という意味を持つ言葉でもあるのです。20世紀前半に起こった芸術の革命を「前衛芸術運動」と言います。第一次世界大戦が終わった20世紀初めは、芸術運動がとても盛んに起こっていました。当時の価値観を否定する美術運動が世界中に広まったと言われています。ただ、その運動は1930年代の第二次世界大戦が始まったことによって、終わりを迎えたのです。

「アバンギャルド」の語源は?

次に「アバンギャルド」の語源を確認しておきましょう。

「アバンギャルド」は、フランス語「avant-garde」が由来です。もともとは軍事用語で「前衛部隊」という意味でした。それを、1825年にフランスのサン=シモン主義である社会主義者オランド・ロドリグという人が、芸術家の事を「アバンギャルド」と呼んだ事が起源と言われています。サン=シモン主義は、政治的・倫理的革新によって理想を実現化しようとする思想運動でした。自分の思想を広めるための先駆けとして、芸術家を活用しようという思惑があったのです。

「アバンギャルド」の使い方・例文

「アバンギャルド」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ファッションショーでは、アバンギャルドなデザインに出会える。
2.あの人の芸術は、常にアバンギャルドだ。
3.これは、アバンギャルドで独特だな。

「アバンギャルド」は、ファッションに関連した内容で用いると、使いやすいかもしれません。「斬新な」「革新的な」「先駆けの」といった最先端の流行である事を表すことができます。

また、美術や音楽などの芸術に対しても、比較的よく使えますよ。

\次のページで「「アバンギャルド」の類義語は?違いは?」を解説!/

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