「精進」の使い方・例文
「精進」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.今後わが社のサービスを皆様に、さらにご満足していただけるよう一層精進してまいります。
2.この度は皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。これからは、皆様からのご指摘をふまえて、ご期待に応えられるよう一層精進していく所存です。
3.昨年は大変お世話になり、深く感謝申し上げます。今年はより精進を重ねてまいります。どうぞよろしくお願い致します。
4.御社のために力の限り精進致しますので、よろしくお願い致します。
5.彼もこれから精進していくと思いますので、どうぞご指導のほどよろしくお願いします。
例文を見ると、「精進」はかしこまった場所の挨拶の場面で多く使われていますね。
1の例文では、ビジネスメールなどの会社の挨拶で用いられます。ここでは、「精進」は「精進してまいります」という形で使われていますが、これは使い方として間違いではありません。この「まいる」は「精進する」という動詞の直後に来るため、補助動詞として使われています。補助動詞は、本動詞の直後に付き、本来の動詞としての意味がほとんどない動詞です。「精進する」の後ろに「まいる」を付けることで、自分の立場をへりくだって言う、謙譲のニュアンスを出すことができます。
2の例文では、「精進」が謝罪の場面で用いられていますね。「精進」はこのように、謝罪に際して相手に誠意を示すためにも使うことができます。
3の例文は年賀状などで用いるものです。お世話になった取引先や上司などの目上の人に対して使うといいいでしょう。また、「精進を重ねる」という言葉は、「精進を何度も繰り返す」というニュアンスになり、一生懸命頑張るという自分の決意を相手に伝えるのに適した用法です。
4の例文は、履歴書や新入社員の挨拶などで用いることができるでしょう。
5の例文は、部下などの自分より目下の者を紹介するときに用います。自分より目下の者でしたら、他者を主語にして「精進」を使っても差し支えありません。反対に、自分より目上の人を主語として「精進」を使うのは失礼になりますので避けましょう。
その1「邁進」
「邁進」は「まいしん」と読みます。「精進」と同じようにこちらもビジネスの場でよく使われていますよね。
「邁進」は「何事をも恐れることなく前進すること。」という意味を持ち、「力強く突き進む」「猪突猛進」といったイメージです。「コツコツと一所懸命に努力する」という「精進」とは少し意味が異なります。また、ことばの歴史としても「邁進」の方がはるかに新しいことばです。
「精進」と意味が似ているところもありますが、恐れず突き進むのか、一所懸命に努力するのかどちらを表現したいのかで使い分けましょう。
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