
3分で簡単ドルトンの原子説!理論の考え方を理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!
ドルトンの原子説は、19世紀初頭に発表された原子関する仮説のことです。この仮説は、今日私たちが当たり前のことだと思っている化学の理論に非常に近いものとなっている。それゆえ、ドルトンの原子説は、当時としては先進的なものだったと言えるでしょう。ぜひ、この機会にドルトンの原子説についての理解を深めてくれ。
化学に詳しいライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。
ドルトンの原子説とは?

image by iStockphoto
ドルトンの原子説は、19世紀初頭にイギリスの物理学者・化学者ジョン・ドルトンが発表した理論です。この理論によって、近代および現代の化学の基礎が作られたと表現したとしても過言ではありません。現在中学校や高校で学習する化学の内容の多くは、ドルトンの原子説において述べられている内容に一致していますよ。
この記事では、ドルトンの原子説がどのような理論であるのかを解説しています。そして、この理論が化学の進歩にどのような影響を与えたのかということについても考えてみましょう。その一環として、ドルトンの原子説と関わりの深い法則についてご紹介しようと思います。
はじめは、ドルトンの理論がどのようなものであるのか、どのような歴史をたどったのかといったことについて学びましょう。それでは、早速説明をはじめますね。
原子という概念の確立

image by Study-Z編集部
今日を生きる私たちにとって、あらゆる物質が原子という粒から構成されているということは、当たり前のことのように思われます。このような概念は、中学校や高校に理科の授業においても、扱われていますよね。もはや、原子の存在というものは常識であると言えます。
ですが、昔の人々にとっては、このような理論は当たり前ではありませんでした。電子顕微鏡も存在しないような時代では、原子の存在を確認することもできません。では、原子の概念が提唱され始めたのはいつ頃なのでしょうか?
原子のようなものが存在するという考えは、古代ギリシャの哲学者が最初に論じていたようです。ですが、サイエンスの視点で真剣に議論されるようになったのは、18世紀ごろだと考えられています。ニュートンなどが活躍した時代です。その後、ジョン・ドルトンが体系的な仮説である原子説を発表しました。
ドルトンの原子説における原則

image by Study-Z編集部
ここでは、ドルトンの原子説において提唱された5つの原則について解説します。この5つの原則こそが、原子説の真髄ですよ。
1つ目の原則は、「ある特定の元素の原子は、他の元素の原子と異なり、違いは質量によって判断できる」というものです。2つ目の原則は、「同じ元素の原子は、大きさ、質量、性質が一致する」というものですよ。3つ目の原則は、「化合物は2種類以上の原子が一定の割合で結合してできている」という内容になっています。4つ目の原則は、「化学反応では、原子の結合が変化するだけであり、原子が消滅したり、新たに発生したりすることはない」というものです。そして、5つ目の原則は「物質は原子という粒子から構成され、それ以上分割することができない」というものですよ。
これらの原則は、現在の化学理論に極めて近いものですよね。ドルトンの原子説が提唱された当時、いかに先進的な理論であったのかということがうかがい知れます。
\次のページで「ドルトンの原子説における矛盾点」を解説!/