3分で簡単可逆反応!どんな反応?不可逆反応とは?理系学生ライターがわかりやすく解説!
1-2可逆反応とは?
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可逆反応では、不可逆反応の場合と異なり、反応物から生じた生成物が再び反応物に戻ることがあります。このように、生成物が反応物に戻るような反応を逆反応と呼びますよ。可逆反応は一般的に、A+B⇄C+Dと表されます。不可逆反応を表す化学反応式と違い、逆反応を表す左向きの矢印が加わっていますよね。
可逆反応では、どのように反応が進んでいくのかを考えていきましょう。例として、A+B⇄C+Dという反応を考えますね。反応初期では、反応物AおよびBから生成物CおよびDが次々と生成されますよ。時間が経過すると、生成物の濃度が増えていきます。それによって、生成物CおよびDから反応物AおよびBが生成する反応が生じますよ。
さらに、時間が経つと生成物と反応物が出来上がる速度が一致し、見かけ上反応が泊まった平衡状態に達します。これが、可逆反応の特徴です。
2.可逆反応の例
ここまでは、不可逆反応との比較を通して、可逆反応とは何かを解説してきました。以下では、可逆反応の具体例をいくつか紹介します。身近な事例もご紹介しますので、ぜひ目を通してみてくださいね。
具体例を知ることで、可逆反応の理論に関する知識もより確かなものになるはずです。それでは、可逆反応の具体例の説明を始めますね。
2-1グルコースの異性化
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一つ目に紹介する可逆反応の例は、グルコースの異性化です。グルコース(ブドウ糖)は、単糖類の一種ですよ。グルコースには様々な種類があり、構造の異なるアルファグルコース、ベータグルコース、鎖状グルコースがそれぞれ存在します。これらの相互変化は、可逆反応です。グルコースを水溶液とし、十分に時間が経過すると平衡状態となり、3種のグルコースは決まった割合に落ち着きます。
また、鎖状グルコースの構造中には、還元作用のあるアルデヒド基が含まれていますよ。そのため、グルコースは、銀鏡反応やフェーリング反応を生じさせることができます。これらの反応は、アルデヒド系の化合物に特有なものであり、有機化合物の同定のために活用されているのです。
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