この記事では「フィードバック」について解説する。

端的に言えばフィードバックの意味は「反応や結果をみて、改良・調整を加えること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「フィードバック」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

研修講師をしていたころ、教えた内容が身についているかをチェックしたあとの対応に悩んだことがあるらしい。受講生が評価の理由を納得しやすいようなフィードバック方法を心がけたとのこと。フィードバックの意味や語源、ビジネスシーンでの使い方などを解説してもらう。

「フィードバック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「フィードバック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「フィードバック」の意味は?

「フィードバック」には、次のような意味があります。

1.ある機構で、結果を原因側に戻すことで原因側を調節すること。電気回路では出力による入力の自動調整機能、生体では代謝・内分泌の自己調節機能など。

2.物事への反応や結果をみて、改良・調整を加えること。

3. 顧客や視聴者など製品・サービスの利用者からの反応・意見・評価。また、そうした情報を関係者に伝えること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

日常生活では2や3の意味で使われることが多い「フィードバック」ですが、実は物理や化学に起源があるのですね。

それがまずITや工学の世界で「出力されたものの修正のために、入力側に返すこと」の意味で使われるようになり、一般的なビジネスシーンでも社員の働きぶりや商品・サービスの良し悪しについて上司や消費者が評価することを言うようになりました。

何らかの仕事を終えた際に、その業務に精通した人から良かった点や改善点を指導してもらえれば振り返りができて助かりますし、次はどう取り組むとより良い結果が出せるかも考えられそうですよね。それがフィードバックです。

「フィードバック」の語源は?

次に「フィードバック」の語源を確認しておきましょう。

「意味」の欄で見たように、そもそもは電気回路や生体での機能を指す言葉でした。「feed」は「飼料・餌」、「back」は「後ろに」とか「戻す」の意味ですから、「栄養になるものを本人に返すこと」という意味が語源になっているとする説もありますよ。

\次のページで「「フィードバック」の使い方・例文」を解説!/

「フィードバック」の使い方・例文

「フィードバック」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.フィードバックは「帰還」のことで、出力の増加が入力や操作を促進する正のフィードバックと、出力の増加が入力や操作を阻害する負のフィードバックの2種類が存在する。

2.今期の営業成績に関するフィードバックは来週実施される。

3.お客様にお送りいただいたご意見をもとにフィードバックを行い、商品の改善、向上に努めてまいります。

一般的な企業で「フィードバック」という言葉が使われる場合、「1」の意味であることはめったにないでしょう。

よく聞かれるのは、2のように社内で上司が部下の業務への取り組み姿勢や成績を把握し、人事考課について説明するシーンなどです。

この場合、上司はきちんとフィードバックを行っているつもりなのに、部下の側はそう感じていないというミスマッチも多いとの調査結果も。語源を踏まえれば、単に結果を通達するのではなく部下の育成につながるような方法を取れると有効なフィードバックになるのではないでしょうか。具体的には、達成できた点を評価してさらなる励ましを行ったり、必要なら問題解決につながるアドバイスをするなど、個々人に合わせた判断を行えるといいですね。

また、3の顧客からの意見を関連部署に伝えるフィードバックの場合も同じことが言えます。単に「こういう意見があった」という情報を共有するだけでなく、それをどう今後に生かすのかまで検討してこそフィードバックの目的が達成されます。

「フィードバック」の類義語は?違いは?

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では、「フィードバック」と似た意味を表す言葉にはどんなものがあるか見ていきましょう。

「レビュー」

改めて調査したり検討したりすることをいいます。「映画のレビュー」などと使うように、商品や作品について評価をつけたり感想を表現するケースで見かけた人も多いことでしょう。

ただこの「レビュー」は、必ずしも改善のために行うとは限りません。この点で「フィードバック」と異なります。

\次のページで「「意見」」を解説!/

「意見」

ある問題に対する主張・考えのことです。また、「俺から意見しとくよ」と言うように、「人の過ちをいさめること」という意味もあります。

考え全般を広く指す言葉なので、「フィードバック」と異なり「振り返って」とか「向上につなげる」といったニュアンスを含むとは限りません。

「フィードバック」の対義語は?

次に、「フィードバック」と反対の意味を表す用語をご紹介します。

「フィードフォワード」

視点を未来に向け、達成したい目的や目標に焦点を当てて検討することを「フィードフォワード」といいます。最近、ビジネス用語として時々聞くようになりました。

すでに終わったことを振り返り、改善や向上につなげようとするのが「フィードバック」ですが、やり方によってはあえてミスを探すなど批判的な要素が強くなってしまい、メンバーの士気を下げることにもなりかねません。

対する「フィードフォワード」は将来を見据えて発展的で積極的な意見を出し合うものなので、チームとしての団結やグループとしての意識向上につなげやすいというメリットも。その点から、前向きな人材育成の方法として注目されています。

「フィードバック」の英訳は?

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もちろん「フィードバック」の元になっているのは英語の「feedback」ですから、単純な英訳としてはこれがふさわしいでしょう。名詞なので、「フィードバックする」と言いたいなら「give feedback」とします。

ここではそれ以外に似た意味を表せる英単語を見ていきましょう。

「response」

「応答・反応」という意味です。「応答」の意味では、「あの営業担当はレスポンスが早いから話がしやすい」のように用います。

商品やサービスに対する顧客の反応を表す際に使えるので、「フィードバック」の辞書上の意味の3番目と対応していますね。

\次のページで「「フィードバック」を使いこなそう」を解説!/

「フィードバック」を使いこなそう

この記事では「フィードバック」の意味・使い方・類語などを説明しました。

プロジェクトの終了時や人事評価の査定などの際に上司から行われるイメージも強い「フィードバック」。与えられるのを待つのではなく、時には自ら振り返りや改善策の検討をしてみると、新たな気づきにもつながりそうですね。企業で働く人に限らず学生やフリーランスでも、年度末などの区切りの時期に勉強への取り組みや業務効率などを見直してみると成長につながりそうだと感じました。

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国語言葉の意味

「フィードバック」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「フィードバック」について解説する。

端的に言えばフィードバックの意味は「反応や結果をみて、改良・調整を加えること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「フィードバック」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

研修講師をしていたころ、教えた内容が身についているかをチェックしたあとの対応に悩んだことがあるらしい。受講生が評価の理由を納得しやすいようなフィードバック方法を心がけたとのこと。フィードバックの意味や語源、ビジネスシーンでの使い方などを解説してもらう。

「フィードバック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「フィードバック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「フィードバック」の意味は?

「フィードバック」には、次のような意味があります。

1.ある機構で、結果を原因側に戻すことで原因側を調節すること。電気回路では出力による入力の自動調整機能、生体では代謝・内分泌の自己調節機能など。

2.物事への反応や結果をみて、改良・調整を加えること。

3. 顧客や視聴者など製品・サービスの利用者からの反応・意見・評価。また、そうした情報を関係者に伝えること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

日常生活では2や3の意味で使われることが多い「フィードバック」ですが、実は物理や化学に起源があるのですね。

それがまずITや工学の世界で「出力されたものの修正のために、入力側に返すこと」の意味で使われるようになり、一般的なビジネスシーンでも社員の働きぶりや商品・サービスの良し悪しについて上司や消費者が評価することを言うようになりました。

何らかの仕事を終えた際に、その業務に精通した人から良かった点や改善点を指導してもらえれば振り返りができて助かりますし、次はどう取り組むとより良い結果が出せるかも考えられそうですよね。それがフィードバックです。

「フィードバック」の語源は?

次に「フィードバック」の語源を確認しておきましょう。

「意味」の欄で見たように、そもそもは電気回路や生体での機能を指す言葉でした。「feed」は「飼料・餌」、「back」は「後ろに」とか「戻す」の意味ですから、「栄養になるものを本人に返すこと」という意味が語源になっているとする説もありますよ。

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