
端的に言えばシュールは「超現実的」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「シュール」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター。個性的な人々との出会いの中で「この人…シュールだなぁ」と思うこともしばしば。「そういうあなたもかなりシュールだよ」と夫に言われる柊 雅子が「シュール」について解説する。
「シュール」の意味は?
「シュール」には、次のような意味があります。
シュール(フランス語)
1.(名)「シュールレアリスム」の略
2.(形動)表現や発想が非日常的・超現実的であるさま
出典:デジタル大辞泉(小学館)「シュール」
「シュール」は日常生活でよく耳にする言葉ですよね。
「この芸人コンビのコントはシュールだ」とか「あの映画はシュールでおもしろいよ」…こんな使い方をします。シュールという言葉について「何となく雰囲気的にわかっているけれど、説明するとなれば難しい」「よくわからないが、何となくよさそうな感じがするもの」…こんな風に思っている人も多いのでは?
「シュール」とはどういう意味なのか…デジタル大辞泉の解説に沿ってみていきましょう。
「シュール」の語源は?
次に「シュール」の語源を確認しておきましょう。
私たちが使っている「シュール」の語源となったのは「シュールレアリスム宣言」。これはフランスの作家ブルトンが1924年に発表した書物です。フロイトの心理学から「潜在意識的な世界の表現により、人間の開放を試みた思想」…要するに「現実ではない世界」…を目標とし、多くの画家がこれに影響を受けて現実無視の絵画を描き始めました。こうして「シュールレアリスム」は「超現実」として芸術界における一つの運動となったのです。
しかし、私たちが現在日本で日常的に使っている「シュール」は芸術界に巻き起こった一つの運動という意味合いをもちません。「シュールレアリスム」という言葉から「シュール」だけが独立し「シュールレアリスム」が本来持っていた「超現実」という意味から「シュール」は「現実的ではない」「現実離れしている」という状態を指す形容詞的な用いられ方をするようになりました。「シュールなコント」「シュールな状況」はこのような使い方ですね。
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