この記事では「バイタリティ」について解説する。

「バイタリティ」は類義語が多く、意味を混同されがちな言葉です。知らなかったからと言って致命的なミスにはなりにくいが、きちんと押さえておけばその分スマートな印象を与えられるぞ。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「バイタリティ」の意味や語源、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「バイタリティ」の意味って?

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「バイタリティ」の意味は以下の通りです。

〘名〙 (vitality) いきいきとした力。さまざまな苦難や障害を乗り越えていくような力強さ。活力。生命力。また、生活力。

出典:コトバンク「バイタリティ」

意味は「力強さ」「生命力」などになります。元々は英単語ですが、英語であっても日本語であっても、意味は変わりません。シンプルな元気さ、明るさというよりも、「困難の中に合って生き抜く力」を示します。日常よりもむしろ非常事態の時こそ「バイタリティ」が試されるため、危機的状況下の方が正しく使われる言葉でもあるのです。

「生活力」という意味も記載がありますが、これも「過酷な状況で生活を成り立たせる力」という意味合いとなります。「家事が得意である」という意味合いの「生活力」とは異なるため、区別してください。

「バイタリティ」ってどうなるもの?

「バイタリティ」は「生命力」という意味であるため、「ある」などの頻出する言葉以外に、「あふれる」「感じる」などの言葉が続くことも多いです。「あふれる」は特に繋がる単語が限定されるため、「バイタリティ」の面白い特徴と言えます。対して生命力とは、対象の内側から自然に発生するものであるため、「持つ」「得る」などの所有を表す言葉はほぼ繋がりません。

\次のページで「「バイタリティ」の使い方」を解説!/

「バイタリティ」の使い方

「バイタリティ」は以下のように使用します。

1.彼はとても「バイタリティ」にあふれる人だ。
2.今のあの人からは以前のような「バイタリティ」が感じられない。
3.「バイタリティ」に富む人の近くに居ると、自分も元気になれる。

「バイタリティ」は、特に人物に対してのステータスを表す言葉というイメージが根付いています。「生命力」という意味から考えると、動物など生物全般に対して使用しても間違いではありませんが、現実としてそのように使用しているケースは少ないでしょう。

「バイタリティ」が持つニュアンス

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「バイタリティ」は正確には「生命力」「活力」「困難を乗り越える力強さ」という意味です。これが転じて、「バイタリティ」に対し、「健康的である」「若々しい」というニュアンスをイメージしている人も居ます。正しいか正しくないかのどちらかで話をすると、正しいとは言えません。しかし実際に世の中では、イメージで言葉が使用されることもたびたびあります。相手の言う「バイタリティ」の意味を正確に受け取るためには、あまり正誤にこだわりすぎないことも大切です。

「バイタリティがある」は褒め言葉?

「バイタリティ」は人に対して使用される言葉ですが、貶し目的では通常使われません。もしも「あなたにはバイタリティがあるね」などと言われたら、褒められたとして受け取っておいて、間違いないでしょう。世の中には受け取り方によって、良い方にも悪い方にもなる言葉もたくさんありますが、「バイタリティ」に関してはその心配はほぼありません。

そのため実は、就職活動などの自己PRといった場面で「バイタリティ」は頼れる言葉です。「私はバイタリティあふれる人だ、とよく評価されます」と言うことができれば、きっと良いイメージアップになるでしょう。

ビジネスにおける「バイタリティ」

「バイタリティ」はビジネス界隈ではあまり使われない言葉です。しかし「生命力」という意味合いや「健康」などの言葉のイメージから、生命保険など健康に関する事業のキーワードになることもあります。健康に関わるビジネスも世の中には多いため、これからも商品名などにたびたび採用されていくでしょう。

\次のページで「「バイタリティ」の類義語は?」を解説!/

「バイタリティ」の類義語は?

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「バイタリティ」の類義語は以下の通りです。

1.生命力/活力/力強さ/エネルギッシュ/生活力
2.健康的/若々しい/元気/アクティブ/たくましさ

1は本来の「バイタリティ」の意味に基づいた類義語です。2は、本来の「バイタリティ」からやや意味が外れていますが、近しいイメージとして使用されることが多い言葉を挙げました。「いつも元気で明るく、健康的な人」という人物像が「バイタリティ」のある人としてよく用いられるイメージです。

「バイタリティ」には「生活力」という意味もあり、過酷な状況で生き抜く力というニュアンスも内包します。2に記載のる「たくましさ」のニュアンスは、そういった生き抜く力のことであり、体格が良いという意味ではないので注意してください。

幅広いニュアンスで使われる「バイタリティ」

上記を見ればわかる通り、「バイタリティ」はさまざまなニュアンス・イメージで使用されます。「バイタリティ」の本来の意味は「生命力」ですが、生命力とは何か?ということになると、人に寄りイメージはさまざまです。「このようなことを生命力と呼びます」と言えるような、はっきりとした定義がないことが、このニュアンスの幅広さを生んでいると言っても良いでしょう。

「バイタリティ」の語源は?

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「バイタリティ」の語源は以下の通りです。

\次のページで「おまけ:日本における「バイタル」」を解説!/

「バイタリティー」の語源となっている言葉は、英語の【vital:生命に関する】です。

~中略~

vital → vita(命)al(の)

出典:身近な英単語から始めよう!「vitality 語源」

「バイタリティ」の元になった「vitality」は英単語です。「vital」という言葉は「生命の」という意味を持ち、これが名詞になると「vitality」となります。日本においては「生命力に富んだ」という意味になりますが、英語圏でも意味はあまり変わりません。

おまけ:日本における「バイタル」

「バイタリティ」の元になった「vital」とは、「生命の」という意味の他に、「必要不可欠の」という意味合いもあります。この「vital」は日本において「バイタル」という単語になり、医療分野で頻出する単語です。その場合「生命力」というニュアンスよりも、どちらかというと「生命に関わる」「生命に不可欠の」という意味合いで使用されます。「バイタリティ」とは、近しいながらも異なる意味の言葉になるため、注意してください。

「バイタリティ」の出番が少ないわけは

「バイタリティ」は類義語が多く、敢えて「バイタリティ」という言い回しを使わなくても良い、と判断されることも多い単語です。しかし「バイタリティ」に限りませんが、言葉は自分で使っていかなければ身につきません。意味も前向きで人を明るい気持ちにさせる言葉であるため、ぜひ積極的に使用して、親しんでいってください。自らが「バイタリティ」あふれる人になるという方法も、「バイタリティ」に親しむ近道のひとつです。

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国語言葉の意味

「バイタリティ」の意味って生命?健康?意味・使い方・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「バイタリティ」について解説する。

「バイタリティ」は類義語が多く、意味を混同されがちな言葉です。知らなかったからと言って致命的なミスにはなりにくいが、きちんと押さえておけばその分スマートな印象を与えられるぞ。

元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「バイタリティ」の意味や語源、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「バイタリティ」の意味って?

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「バイタリティ」の意味は以下の通りです。

〘名〙 (vitality) いきいきとした力。さまざまな苦難や障害を乗り越えていくような力強さ。活力。生命力。また、生活力。

出典:コトバンク「バイタリティ」

意味は「力強さ」「生命力」などになります。元々は英単語ですが、英語であっても日本語であっても、意味は変わりません。シンプルな元気さ、明るさというよりも、「困難の中に合って生き抜く力」を示します。日常よりもむしろ非常事態の時こそ「バイタリティ」が試されるため、危機的状況下の方が正しく使われる言葉でもあるのです。

「生活力」という意味も記載がありますが、これも「過酷な状況で生活を成り立たせる力」という意味合いとなります。「家事が得意である」という意味合いの「生活力」とは異なるため、区別してください。

「バイタリティ」ってどうなるもの?

「バイタリティ」は「生命力」という意味であるため、「ある」などの頻出する言葉以外に、「あふれる」「感じる」などの言葉が続くことも多いです。「あふれる」は特に繋がる単語が限定されるため、「バイタリティ」の面白い特徴と言えます。対して生命力とは、対象の内側から自然に発生するものであるため、「持つ」「得る」などの所有を表す言葉はほぼ繋がりません。

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