端的に言えば所感の意味は「ある事柄に対する感想」ですが、より正確な意味や語の構造を理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語学の研究者の船虫堂を呼んです。一緒に「所感」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/船虫堂
今回の記事を担当するのは文学博士で日本語学の研究者の船虫堂だ。言葉に対して幅広い興味を持つ船虫堂が、丹念な調査をもとにわかりやすく語句の解説をしていく。
「所感」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「所感」の意味や語構造・使い方を見ていきましょう。「所感」とはある事柄に対する感想を指す言葉です。やや硬い印象を与える言葉なので日常会話では伝わりにくいかもしれません。ビジネスメールなど書き言葉で用いられることが多いです。
「所」がつく熟語は「所感」以外にも「所持」、「所望」、「所収」など身近なことばからやや硬めの言葉までいろいろありますが、これらの熟語はみな同じ構造をしています。構造を理解して「所感」の意味合いを理解し、使い方をマスターしていきましょう。
「所感」の意味は?
「所感」の意味について、今回は小学館の通称\”ニッコク\”こと『精選版 日本国語大辞典』を引用します。仏教の専門用語としての意味もありますが、ここでは現代の言葉として通用している3の意味に注目していきましょう。
辞書の3の説明が今回取り上げる「所感」の意味です。「感じるところ」とはまさに文字通りですね。また、「感想」とも書かれており、簡単に言えば「所感」とは感想であることが分かります。
「所感」の語源は?
漢文で用いられる「所」の使い方と熟語の成り立ちを理解することで「所感」と言うことばの仕組みをとらえましょう。「所」は後続する動詞(動作)の対象となる場所や物事(、または理由)を表す、つまりその動作を名詞化します。ですから、「所感」は後続する「感」、つまり感じた事柄を表すわけです。
ちなみに、「所持」は「持っていること」を、「所望」は「望んでいること」、「所収」は(その資料に)収められていることを表します。「所得税」の「所得」も同じ仕組みですね。漢文で返り点を付けるとしたら「所レ感」となり、「感ずるところ」のように訓読します。
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