国語言葉の意味

「所感」の意味や使い方は?例文や類語を日本語学者がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「所感」について解説する。

端的に言えば所感の意味は「ある事柄に対する感想」だが、より正確な意味や語の構造を理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語学の研究者の船虫堂を呼んだ。一緒に「所感」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/船虫堂

今回の記事を担当するのは文学博士で日本語学の研究者の船虫堂だ。言葉に対して幅広い興味を持つ船虫堂が、丹念な調査をもとにわかりやすく語句の解説をしていく。

「所感」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「所感」の意味や語構造・使い方を見ていきましょう。「所感」とはある事柄に対する感想を指す言葉です。やや硬い印象を与える言葉なので日常会話では伝わりにくいかもしれません。ビジネスメールなど書き言葉で用いられることが多いです。

「所」がつく熟語は「所感」以外にも「所持」、「所望」、「所収」など身近なことばからやや硬めの言葉までいろいろありますが、これらの熟語はみな同じ構造をしています。構造を理解して「所感」の意味合いを理解し、使い方をマスターしていきましょう。

「所感」の意味は?

「所感」の意味について、今回は小学館の通称\”ニッコク\”こと『精選版 日本国語大辞典』を引用します。仏教の専門用語としての意味もありますが、ここでは現代の言葉として通用している3の意味に注目していきましょう。

しょ-かん【所感】

〘名〙

① 仏語。前世での行為が、その結果としてもたらすもの。

※覚海法橋法語(12C終‐13C前)「此業力所感の故に、業の尽不尽に依て生を改めて」

② 取得すること。現物を手に入れること。

※上井覚兼日記‐天正一二年(1584)四月二三日「此度御所感被成候所々、有馬殿へ悉皆被下候する事も」

③ 感じるところ。心に感じる思い。心に感じたこと。感想。〔教育・心理・論理術語詳解(1885)〕

※手巾(1916)〈芥川龍之介〉「今日の事件を材料にして、早速、所感を書いて送る事にしよう」 〔古列女伝‐母儀伝〕

出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)

辞書の3の説明が今回取り上げる「所感」の意味です。「感じるところ」とはまさに文字通りですね。また、「感想」とも書かれており、簡単に言えば「所感」とは感想であることが分かります。

「所感」の語源は?

漢文で用いられる「所」の使い方と熟語の成り立ちを理解することで「所感」と言うことばの仕組みをとらえましょう。「所」は後続する動詞(動作)の対象となる場所や物事(、または理由)を表す、つまりその動作を名詞化します。ですから、「所感」は後続する「感」、つまり感じた事柄を表すわけです。

ちなみに、「所持」は「持っていること」を、「所望」は「望んでいること」、「所収」は(その資料に)収められていることを表します。「所得税」の「所得」も同じ仕組みですね。漢文で返り点を付けるとしたら「所レ感」となり、「感ずるところ」のように訓読します。

\次のページで「「所感」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: