この記事では「アジェンダ」について解説する。

端的に言えばアジェンダの意味は「議題」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「アジェンダ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻していた。実はアジェンダをまとめるのが苦手。なぜなら、どうしたら面白く読んでもらえるかを考えてしまい、余計な文章を加えてしまうから。

「アジェンダ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「アジェンダ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「アジェンダ」の意味は?

「アジェンダ」には、次のような意味があります。

1.計画。予定表。議事日程。協議事項。特に、政治・政策的な分野で、検討課題、行動計画、の意で用いることが多い。
2.スケジュール帳。備忘録。
3.教会の礼拝定式。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「アジェンダ」

アジェンダ」の元の意味は「計画、予定表」や「議題、議事日程」といったものです。辞書の意味2「スケジジュール帳」や3の「教会の礼拝定式」はそこから派生したものと言えます。

現代では、辞書の意味1の後半部分に記載がある「政策分野における行動計画」という意味で「アジェンダ」を目にすることが多くなりました。選挙になると、各政党がそれぞれの公約を掲げてアピールしますよね。その「公約」とほぼ同然の意味で「アジェンダ」が使われるようになりました。

「アジェンダ」の語源は?

次に「アジェンダ」の語源を確認しておきましょう。ラテン語で「実行すべきこと」を意味する単語「agendum」の、複数形である「agenda」が語源です。本来の「アジェンダ」は複数形ですが、今では単数扱いとなっています。「アジェンダ」が1つだけでも「アジェンダ」のままです。

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「アジェンダ」の使い方・例文

「アジェンダ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あの政党のアジェンダに共感したので、今回の選挙で投票した。
2.今回プレゼンいたします内容のアジェンダにつきましては、手元の資料の1ページ目にまとめましたのでご覧ください。
3.いつもテンプレート通りのアジェンダなのもどうかと思うから、少しは自分で考えて、時間配分や会議で話し合う内容などもしっかり反映させた方がいい。

例文2と3が「要約」や「計画表」といった意味の「アジェンダ」です。ビジネスシーンではこのようなケースで使われることが多くなります。文章にもある通り、「アジェンダ」作成にはテンプレートがあると便利ですが、あまり頼りすぎてはいけません。会議のための「アジェンダ」でしたら、まず会議を意義あるものにするために何を記すべきかを考えなければいけません。

例文1の「アジェンダ」は「選挙公約」という意味があります。日本では、2010年の参議院議員選挙あたりから、「アジェンダ」が選挙公約の意味で使われるようになりました。

「アジェンダ」の類義語は?違いは?

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では、「アジェンダ」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「レジュメ」「マニフェスト」

内容をまとめて記したものとして、「アジェンダ」の他に「レジュメ」があります。大学の講義などでこの「レジュメ」を耳にしたことがあるのではないでしょうか。この「レジュメ」というこの言葉は元がフランス語で、研究報告や演説などをまとめたものを表します。「アジェンダ」がこれから話し合われる「議題」なのに対し、「レジュメ」はすでに話す内容が決まっている「要約」です

また、政策を意味する「アジェンダ」に似たものとして、「マニフェスト」が挙げられるでしょう。イタリア語の「宣言、声明」を意味するこの言葉は、2003年の公職選挙法改正により政党が「マニフェスト」を配布できるようになってから広まりました。「アジェンダ」が今後の指針を示す「計画書」であるのに対し、「マニフェスト」は政権獲得後の具体的な施策を発表する「宣言」であるという違いがあります。

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「アジェンダ」の対義語は?

さらに「アジェンダ」の対義語も見ていきましょう。

「ソリューション」「ディシジョン」

「アジェンダ」はこれから話し合われる「議題」のことですから、その対義語は話し合いで出された「解決策」や「決定事項」となるはずです。「ソリューション」(solution)は「解決」という意味ですが、特にビジネスシーンでは「解決策」や「問題解決のための情報システム」といった意味となります。また、「ディシジョン」(decision)には「決定」という意味があり、「経営陣のディシジョン(決断)が下される」などと使われる言葉です。

「アジェンダ」の英訳は?

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ところで、ラテン語由来の「アジェンダ」は、英語でも「アジェンダ」なのでしょうか。念のため確認していきましょう。

「agenda」

やはり「アジェンダ」は英語でも「agenda」と言います。語源の項目で説明していますが、「agenda」は複数形名詞が語源だったものが現在では単数形扱いとなり、複数形は「s」を付けて「agendas」です。「アジェンダを組む」は「set the agenda」、「アジェンダに沿って」は「follow the agenda」などと表現します。

「アジェンダ」を使いこなそう

この記事では「アジェンダ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

会議を円滑に進めるためには、「アジェンダ」をしっかりと組み立てなければいけません。会議の表紙とも言える「アジェンダ」をはっきり決めておかないと、中身である議題の決定事項までにたどり着けないおそれがあります。しかし、表紙である「アジェンダ」さえ良ければいいというわけでもありません。特に政党が掲げる「アジェンダ」は、各々が十分に吟味する必要があるのではないでしょうか。「我が党が与党となれば大規模な減税を実現させます」と大風呂敷を広げたとしましょう。ならば代わりの予算はどこから工面するのか、医療や福祉は細部までに行き渡るのかなど、検証すべきことはたくさんあるはずです。決めるべきことを決めるためにも、「マニフェスト」はしっかりしたものを作る必要があります。

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国語言葉の意味

「アジェンダ」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「アジェンダ」について解説する。

端的に言えばアジェンダの意味は「議題」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「アジェンダ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻していた。実はアジェンダをまとめるのが苦手。なぜなら、どうしたら面白く読んでもらえるかを考えてしまい、余計な文章を加えてしまうから。

「アジェンダ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「アジェンダ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「アジェンダ」の意味は?

「アジェンダ」には、次のような意味があります。

1.計画。予定表。議事日程。協議事項。特に、政治・政策的な分野で、検討課題、行動計画、の意で用いることが多い。
2.スケジュール帳。備忘録。
3.教会の礼拝定式。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「アジェンダ」

アジェンダ」の元の意味は「計画、予定表」や「議題、議事日程」といったものです。辞書の意味2「スケジジュール帳」や3の「教会の礼拝定式」はそこから派生したものと言えます。

現代では、辞書の意味1の後半部分に記載がある「政策分野における行動計画」という意味で「アジェンダ」を目にすることが多くなりました。選挙になると、各政党がそれぞれの公約を掲げてアピールしますよね。その「公約」とほぼ同然の意味で「アジェンダ」が使われるようになりました。

「アジェンダ」の語源は?

次に「アジェンダ」の語源を確認しておきましょう。ラテン語で「実行すべきこと」を意味する単語「agendum」の、複数形である「agenda」が語源です。本来の「アジェンダ」は複数形ですが、今では単数扱いとなっています。「アジェンダ」が1つだけでも「アジェンダ」のままです。

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