
天文学の「トランジット法」
天体を観測しているときに、その天体の手前を小さな天体が横切っていくように見えることを「トランジット」(通過)と言います。例えば、太陽の手前を金星が横切ることは「金星の太陽面通過」です。
太陽系外の惑星を見つける方法の一つとして「トランジット法」があります。「トランジット法」は公転している惑星が恒星の前を通過する(トランジット)際、惑星が恒星の一部を隠すために恒星がほんの少し減光することを観測して惑星を見つける方法です。
占いの「トランジットホロスコープ」
西洋占星術では、ホロスコープという天体の配置図を用います。人が生まれたときの星の位置を基にして作られるネイタルホロスコープは、人が持って生まれた宿命を示すものです。それに対して、現在の天体の運行を示すホロスコープは、「トランジットホロスコープ」と呼ばれ、周囲の環境などの外的な要素を示すもの。本来の運命に、外部からの力がどのように影響するかを読み解いていきます。
土木・建築で使う「トランシット」
「トランシット」は角度を測るための測量機器で、土木や建築の現場で使われています。望遠鏡が鉛直軸、水平軸の2軸で回転して目標間の角度を精密に測ることができるのです。「トランジット」ではなく「トランシット」と言われていますが、英語の綴りは「transit」で、違いはありません。元は、天文測量で、天体が子午線を通過する時刻を観測するのに使用されていたことから「トランシット」と呼ばれるようになりました。
「トランジット」の語源は?
「トランジット」の語源は、英語の「transit」です。辞書を見てみましょう。
名詞
1不可算名詞
a通過,通行.
b(空港などでの)乗り継ぎ,トランシット.
c移り変わり,変遷,変化;死去.
2不可算名詞 《主に米国で用いられる》輸送,運搬;輸送機関,交通機関.
3不可算名詞 [具体的には 可算名詞] 【天文】
a(天体の)子午線通過; (小天体の)他の天体面通過.
b(天体の)望遠鏡視野通過.
形容詞限定用法の形容詞
1通過[通行]の.
2(空港などの)乗り継ぎ(用)の.
動詞 他動詞
〈…を〉横切って通る.
自動詞
通過する.
出典:新英和中辞典(研究社)「transit」
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