このことわざの意味は端的に言うと「激しく怒る」といったところですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
公務員として公文書作成や出版社での校閲業務といった経験を持つwebライターの本木を呼んです。一緒に「腸が煮えくり返る」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/本木
大学では理系専攻で、物事の仕組みや成り立ちについて考えることを得意としている。「腸が煮えくり返る」の意味について、細かなニュアンスまでじっくりと解説していく。
「腸が煮えくり返る」の意味は?
「腸が煮えくり返る」には、次のような意味があります。
言いようのないほど腹が立つ。はらわたが煮えくり返る。「親友の裏切りに―・る」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「腸が煮え返る」
この場合、腸は「はらわた」と読み、本来は内臓・臓器のこと、特に大腸と小腸を意味しますが、さらに拡大されて人間の心や精神といった意味も持ちます。「煮えくり返る」は液体が沸騰することを意味する「煮え返る」を強調していう言葉です。
よって言葉通りの意味としては「内臓が沸騰する」となり、そこから「(心の中が沸騰するほどの)強烈な怒りを感じる」という意味となります。「腸が煮え返る」、「腑が煮え繰り返る」などといった表現もありますが、こちらも同じ意味です。
また「腹が煮えくりかえる」という表記も見受けられますが、こちらは誤りとなります。同様の意味である「腹が立つ」という慣用句の存在や、「腸」と「腹」の音や意味が似ていることからこうした誤用が広まったと思われますが、間違えないように注意しましょう。
「腸が煮えくり返る」の使い方、例文
それでは「腸が煮えくり返る」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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