

端的に言えば語彙力の意味は「言葉や単語をどれだけ知り使えるかという能力」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した1804を呼んだ。一緒に「語彙力」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/1804
小さいころから言葉の意味や由来に対し興味が強かった。最近知ったお気に入りの諺は「あなたは私のオレンジの片割れ」。先日受けた心理検査で言語性IQが141だった。
「語彙力」の意味は?
「語彙力」には、次のような意味があります。
その人がもっている単語の知識と、それを使いこなす能力。「語彙力が高い」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「語彙力」

image by iStockphoto
語彙力は「語彙」に能力を指す「力」をつけた言葉で、「(語彙力が)ある/ない」「高い/低い」といった使い方をします。同じ物事や受けた刺激についていかに適切であったり詳細な表現を選び、使えるかというまさしく「言葉の運用能力」の総称と言えるでしょう。
例えば、花を見た感想として「美しい」「オレンジ色だ」という表現はもちろん通用します。しかし、同じ花であってもより使う言葉を増やすと「冴えるようなオレンジ」「華やぎがある」「笑っているよう」「沢山の細長い花びらが中心から外に広がっている」といったように、より的確であったり印象強い表現をすることが可能になりますね。
また、同じ対象であってもそれを指す言葉は日々変化していくもの。例えば、女性の客室乗務員はかつて「スチュワーデス」と呼ばれていましたが、今は「キャビンアテンダント(CA)」と呼ばれることがほとんどです。理由としては、まず男性客室乗務員の総称だった「スチュワード」という言葉の語源に差別的な要素が含まれるとする見方があるという点(諸説あり)。また「スチュワーデス」がその女性形で「性差別用語」にあたるとして、差別の是正が世界的に叫ばれる中使われなくなっていきました。時代に即した言葉をきちんと選んだり、逆に特定の言葉を使う際のデメリットを知っていることもまた語彙力の一部と言えるでしょう。
「語彙力」の語源は?
次に「語彙力」の語源を確認しておきましょう。
「語彙力」は言葉という意味の「語彙」と何かの能力である「~力」を組み合わせた言葉です。なお、今回の「彙」という感じの意味としては「集める/仲間」といった意味合いがあります。なので、「語彙」という単語自体に言葉の集合体、頭の中にある言語総合情報といった意味があるととらえておくと良いでしょう。
\次のページで「「語彙力」の使い方・例文」を解説!/