
「佳境」の使い方・例文
それでは、「佳境」の使い方を実際の例文で見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.読んでいる推理小説がいよいよ佳境に入り、文章も緊迫したものになってきた。
2.映画が佳境を迎え、アクションも最高潮の盛り上がりを見せたところで、仕事の電話が入ってしまって興が覚めた。
3.名人と挑戦者の一手も無駄にできぬ緊張感のある戦いだったが、ついに対局が動き出し佳境を迎えている。
「佳境」とは、例文1、2のように物語や映画、小説などの見せ場や山場に使われることが多いです。例文3は、対局に用いられていますが、このように対戦やスポーツなどの試合でも使うことができるでしょう。
先ほども少し述べましたが、「就職活動の佳境」「桃の出荷が佳境」などと、物事の頂点や最盛期に対して用いることが増えてはいますが、本来の意味とは少し違いますので例文としては挙げませんでした。現代ではそのような使い方をしている場合もある、と言うことだけ覚えておいてください。
「たけなわ」
「たけなわ」は、宴会などの席で必ず耳にする言葉ですね。「宴もたけなわですが」とよく使われている言葉です。催事で締めの挨拶に非常に良く使われる言葉ですから、意味をしっかりと覚えておきましょう。意味は、行事や季節などが最も盛んになっている、ということです。 漢字では「酣」と書き、「物事の真っ盛り」と言う意味を持っています。これは、お酒が発酵し、じょじょに甘く飲み頃になってきたという意味ももつ言葉です。お酒に関する言葉がもとですが、宴会だけではなく、催事や「春たけなわ」など、季節に対して使うこともあります。「佳境」のように物語や舞台に対しては使えませんが、最高潮、と言う意味が同じですので「佳境」の類義語と言えるでしょう。
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