タンパク質と生物体の機能理科生物細胞・生殖・遺伝

5分でわかる「フィードバック調節」ホルモンの分泌を調整している機能について現役理系大学院生が解説!

よぉ、桜木建二だ。今回のテーマは「フィードバック調節」だ。
生物は身体の状態を一定に保つ(恒常性維持)ために様々な調整メカニズムを備えている。その調整するためのメカニズムの一つで主に「ホルモンの分泌」を調節しているのが「フィードバック調節」と呼ばれるシステムだ。生物に詳しい現役理系大学院生ライターcaoriと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/Caori

国立大学院の博士課程に在籍している現役の理系大学院生。とっても身近な現象である生命現象をわかりやすく解説する「楽しくわかりやすい生物の授業」が目標。

フィードバック調節とは

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フィードバックとは、英語の「feedback」に由来する言葉で直訳すると「帰還(元の場所へ帰る)」になります。もともとはIT分野や工学分野で使われる言葉ですが、最近はビジネスの場でも多く使われるので聞いたことがある方も多いかもしれません。

一般にフィードバック調節とは「ある機構で結果を原因側に戻すことで原因側を調節する機構」と表現されています。これを生物の分野に当てはめて言うと、「生成物がその分泌元に働きかけてホルモンの分泌量を増やしたり、逆に減らしたりするための制御システム」のことです。

フィードバック調節が必要な理由

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なぜ「フィードバック調節」のようなシステムが必要なのでしょうか。それは、ホルモンはいつも一定の濃度に保たれるものばかりでなく、「濃度に応じて分泌されるもの」や、「リズムをもって分泌されるもの」が存在するためです。

たとえば、空腹時(血糖値が低いとき)に高くなるものや、一日のうち朝高く夜低いという変動(日内変動)するもの、女性ホルモンのように一か月程度の周期に合わせて増減するものもあります。このため、ホルモンは必要な効果を発揮したら、分泌量が少なくなってもらわないと恒常性が維持できません。このために「フィードバック調節」が存在するのです。刺激に応じてホルモンが分泌され、一定の効果を発揮すると、これによって生じた変化はホルモン分泌を抑制する方向に作用します。これが「ネガティブ(負の)フィードバック調節」。逆に促進する方向に作用する場合は「ポジティブ(正の)フィードバック調節」と呼びます。

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ここで「ホルモン」について復習しておこう。「ホルモン」は生体内の内分泌器官にある細胞で作られ血液中に分泌される(内分泌)。その後血液を介して他の組織に運ばれ、特定の細胞のホルモン受容体に結合して、組織、器官の活動に影響を及ぼす化学物質の総称だ。微量でも作用を及ぼすのが特徴だぞ。

フィードバック調節の種類

フィードバック調節の種類

image by Study-Z編集部

前述したようにフィードバック調節は2種類に分けられます。生成物(結果)の増加がホルモンの分泌量を減少させる方向に調節することを「ネガティブ(負の)フィードバック調節」、逆にさらにホルモンの分泌を増加させる方向に調節することは「ポジティブ(正の)フィードバック調節」です。

ここからは実際に生体内で起こっている具体例を交えながら「ネガティブフィードバック」と「ポジティブフィードバック」について解説していきます。

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