この記事では「ラインナップ」について解説する。

端的に言えば「ラインナップ」の意味は「顔ぶれ」です。英語からカタカナ語になったものですが、実はその他にも使われるシーンによって少しずつ意味が違ってくるぞ。

小学校教諭として言葉の授業を何度もしてきた「こと」と一緒に、「ラインナップ」の意味や使い方・語源・類語などを見ていこう。

ライター/こと

元小学校教諭のwebライター。先生や子どもたちから「授業が分かりやすい!」との定評があった教育のプロだ。豊富な経験を活かし、どんな言葉も分かりやすく解説していく。

「ラインナップ」の意味と使い方

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では早速、では早速「ラインナップ」の意味と使い方を見ていきましょう。

「ラインナップ」意味は「顔ぶれ」

まずは「ラインナップ」意味を辞書で確認しましょう。

「顔ぶれ」「陣容」などの意味の英語。 同時期に発売される製品の個々の種類などを指す場合が多い。 「ラインアップ」などとも言う。

出典:実用日本語表現辞典「ラインナップ」

このように、「ラインナップ」は「顔ぶれ」や「陣容」という意味があります。ちなみに「陣容」とは「部隊配置の形。陣立て。比喩的に、人員配置のありさま」のことです。

「ラインナップ」の使い方を例文で紹介

「ラインナップ」の使い方を例文で紹介します。辞書には「顔ぶれ」という意味で載っていましたが、実際にはもう少し幅広い意味で使用されることが多いのです。確認していきましょう。

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1.来週行われるサッカーの県大会に出場する選手のラインナップが発表された。
2.汗ばむ季節になり、店頭には夏物の洋服のラインナップが充実している。
3.夏休み期間は、テレビ番組の放送ラインナップに子ども向けのアニメが多い。

1は辞書にあるように「顔ぶれ」という意味です。2は人ではなく物のラインナップなので「品揃え」という意味でとらえた方がしっくりくるのではないでしょうか。品物が一覧できるような状態ですね。また3は、「プログラム」という意味合いで使っています。テレビ番組の放送予定が、放送局や時間ごとに並んだ様子です。

このように「ラインナップ」が表すものは複数あります。いずれの場合も、異なった複数のものが並んだ状態をイメージするとよく分かりますよ。

「ラインナップ」の語源は?

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「ラインナップ」は英語「line up」のカタカナ語です。語源を詳しく探っていきましょう。

英語「line up」の意味

「ラインナップ」は元々英語の「line up」です。「line」の意味は名詞では「なわ・網・線」、動詞では「線を引く・並べる」となります。動詞の「line up」で「一列に並ぶ・真っすぐに向ける・準備する」などの意味です。

カタカナ語の「ラインナップ」も異なった複数のものが並んだ状態ですので、ほぼそのままの意味で使われていると考えていいでしょう。

 

「ラインナップ」と「ラインアップ」の違い

ところで「line up」はそのまま読めば「ラインアップ」だと考える人も多いでしょう。実際に「ラインナップ」のことを「ラインアップ」とも言います。実は「ラインナップ」と「ラインアップ」の違いは、「line up」を発音した時の違いだけ。「line」の末尾と「up」を続けて発音すると「ラインナップ」、離して発音すると「ラインアップ」となります。表記が違うだけで、意味は同じ言葉なのです。

ただ、書き言葉として正しい表記は「ラインアップ」になります。しかし、 話し言葉で使う時は「ラインナップ」の方が自然ですね。英語圏のネイティブも「ラインナップ」と発音しているそうです。ちなみに「ラインナップ」は、英単語では名詞で「line-up」や「lineup」と書きます。

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スポーツにおける「ラインナップ」

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ここでは、スポーツの分野における「ラインナップ」の意味や使い方を紹介します。

野球での「ラインナップ」

日本では、野球に限らずバスケでもサッカーでも、スポーツのジャンルにおいて「陣容・顔ぶれ」という意味で「ラインナップ」が使用されることは非常に多いです。ただ野球で「ラインナップ」が出てきたら「陣容・顔ぶれ」という意味はもちろんのこと、「バッター順」という意味もあります。少しニュアンスが異なるので、覚えておくといいですね。

サーフィンでの「ラインナップ」

次はサーフィンです。サーフィンでの「ラインナップ」は「何本もの波が連続してやってくる様子」を意味しています。そのためサーファー用語としては「あのラインナップに行こう。」というような使い方ができるのです。これまで説明してきた「ラインナップ」とはずいぶん異なる印象を受けますよね。ただ「limeup」は直訳すると「線の上」です。波がくると筋状に海面が見えるためだと考えると、納得できるのではないでしょうか。

「ラインナップ」の類語

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「ラインナップ」の類語を見ていきましょう。

「オーダー」:序列

まずは「オーダー」です。「オーダー」には「注文」の他に「序列」という意味があります。「オーダー」は「ラインナップ」より顔ぶれの順番に重きが置かれている言葉。例えば、野球における「ラインナップ」は「バッティング・オーダー」と言い換えることができます。 野球では誰が出るかよりも、打順の順番が重要だからですね。

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「チーム」:一団の人

次に「チーム」です。「チーム」の元々の意味はスポーツに限らず「共同で仕事する一団の人」という意味。「ラインナップ」の「顔ぶれ」という意味と共通しますよね。

「リスト」:一覧表

「リスト」は「一覧表」という意味です。「ラインナップ」の「一列に並んだもの」という原義に最も近い類語と言えます。 「リスト」は抽象度が高く、広い意味で使用される言葉。例えば「リストアップ」は「多くの中から条件を満たすものを選び出す。またそれを一覧表にまとめる」という意味で使われていますね。 

「プログラム」:「番組・計画表」

続いて「プログラム」です。「プログラム」には「番組」や「計画表」という意味があります。「テレビ番組」は英語で「TV program」です。放送ラインナップと同じ意味合いで使うことができますね。

素敵な「ラインナップ」ができる感性を磨いていこう!

この記事では「ラインナップ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ラインナップ」には「顔ぶれ」だけではなく「品揃え」や「プログラム」という意味も。また野球では「バッター順」、サーフィンでは「何本もの波が連続してやってくる様子」です。類語にもさまざまなパターンがありました。シーンに合わせて使いこなせるようにしたいですね。

しかしどんな場合も、複数の異なるものが並んでいる様子がヒントになります。考えてみれば、私たちの生活は往々にして同じようなもの。数ある異なるものから、自らの知識や経験を頼りに「ラインナップ」されたものばかりではないでしょうか。これからも素敵な「ラインナップ」ができるよう、感性を磨いていきたいものです。

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国語言葉の意味

「ラインナップ」って?シーンによって異なる意味・語源・類語などを元小学校教諭がわかりやすく解説

スポーツにおける「ラインナップ」

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ここでは、スポーツの分野における「ラインナップ」の意味や使い方を紹介します。

野球での「ラインナップ」

日本では、野球に限らずバスケでもサッカーでも、スポーツのジャンルにおいて「陣容・顔ぶれ」という意味で「ラインナップ」が使用されることは非常に多いです。ただ野球で「ラインナップ」が出てきたら「陣容・顔ぶれ」という意味はもちろんのこと、「バッター順」という意味もあります。少しニュアンスが異なるので、覚えておくといいですね。

サーフィンでの「ラインナップ」

次はサーフィンです。サーフィンでの「ラインナップ」は「何本もの波が連続してやってくる様子」を意味しています。そのためサーファー用語としては「あのラインナップに行こう。」というような使い方ができるのです。これまで説明してきた「ラインナップ」とはずいぶん異なる印象を受けますよね。ただ「limeup」は直訳すると「線の上」です。波がくると筋状に海面が見えるためだと考えると、納得できるのではないでしょうか。

「ラインナップ」の類語

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「ラインナップ」の類語を見ていきましょう。

「オーダー」:序列

まずは「オーダー」です。「オーダー」には「注文」の他に「序列」という意味があります。「オーダー」は「ラインナップ」より顔ぶれの順番に重きが置かれている言葉。例えば、野球における「ラインナップ」は「バッティング・オーダー」と言い換えることができます。 野球では誰が出るかよりも、打順の順番が重要だからですね。

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