
端的に言えば「痛くも痒くもない」は「平気である」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「痛くも痒くもない」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター。元々あまり動じない性格だったが「おばさん」の領域に踏み込んでからは周りから何を言われても「痛くも痒くもない」と益々どっしりと構えて「貫禄がでてきた」と言われるように…。世の中のいろんな面を見てきたおばさんライターが「痛くも痒くもない」について解説する。
「痛くも痒くもない」の意味は?
「痛くも痒くもない」には、次のような意味があります。
少しも苦痛を感じない。
まったく影響がない。
痛痒を感じない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「痛くも痒くもない」
これらの意味をもう少し詳しくみていきましょう。
「少しも苦痛を感じない」という意味で用いるのは肉体的にダメージを受けないということだけではありません。精神的にダメージを受けない状態にも「痛くも痒くもない」という表現を用います。
「まったく影響がない」という意味は自分を取り巻く状況に何の変化ももたらさないということです。
「痛痒を感じない」の「痛痒」は「つうよう」と読むのですが、「痛痒い」と書けばその読み方は「いたがゆい」。その「痛痒い」の意味は「痛み痒み(かゆみ)を感じること」で、この「痛痒」に否定の「ない」が付いた「痛痒を感じない」は「痛みも痒みも感じることがない」=「痛くも痒くもない」ということになります。
「痛くも痒くもない」の語源は?
次に「痛くも痒くもない」の語源を確認しておきましょう。
「痛くも痒くもない」の語源ははっきりとはしていませんが…肉体的に感じる感覚について用いられていたものが精神的な面についても用いられるようになり…更に肉体的や精神的な面で用いられていたものが周りを取り巻く環境や状況にまで用いられるようになったと考えられています。
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