この記事では 「月が欠ける」について解説する。

端的に言えば、月が欠けるの意味は「満月から新月にかけてだんだん月が細くなっていく」こと、つまり「下弦の月」です。下弦の月を表現する言葉は非常に多彩で、ニュアンスに富んでいる。また故事成語も覚えておくと、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「月が欠ける」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「月が欠ける」の意味・故事成語・例文

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「月が欠ける」はそのままの意味で使われることが多いですが、「月が欠ける」を使った故事成語もありますよ。

「月が欠ける」の意味は?

まずは辞書で「月が欠ける」をチェックしましょう。

月の満ち欠けのうち、満月から新月にかけて月の見た目が細ること。

出典:実用日本語表現辞典「月が欠ける」

月の満ち欠けは地球、月、太陽の位置に関係しているのです。太陽と同じ方向にある月を「新月」「朔」(さく)と呼びます。新月を起点(月齢0)として一週間ほど経つと、月は右半分が輝く半月「上弦の月」になりますね。月はさらに満ちてゆき、月齢14.8で夕方東の空に昇る満月になります。

その後、月齢が増えるにしたがって月の出る時間が遅くなり、月はだんだん細くなっていきますね。「月が欠ける」という言葉は「満月から新月にかけて徐々に月が細くなっていく」ことを指しています。

故事成語「月満つれば則ち虧く」とは?

「月が欠ける」を使った故事成語に「月満つれば則ち虧く」(つきみつればすなわちかく)があります。「虧く」は「欠く」という意味です。

\次のページで「「月が欠ける」の例文」を解説!/

語に曰く、日中すれば則ち移り、月満つれば則ち虧く、と。物盛んなれば則ち衰うるは、天地の常数なり。進退盈縮、時と変化す。聖人の常道なり。

出典:『史記・蔡沢伝』

「太陽は高くなると落ちてゆき、月は満ちると欠けていく。物事も盛んになればやがて衰退していくのが定めである」という意味合いです。満月を繁栄している状態に見立て、欠けていくことを衰退していくことに見立てています。満月の状態がずっと続くはずがなく、必ず欠けていくことから、「盛りになった後は必ず衰えていく」という意味です。類義語としては「栄枯盛衰」「盛者必衰」がありますね。

「月が欠ける」の例文

次に「月が欠ける」の例文を見てみましょう。

1.夜中まで仕事に追われて、職場を後にしたのは午前0時をまわってからだった。夜空を見上げて月が欠けているのに気づいた。
2.地元で有名な実業家の彼だったが、後継ぎがおらず、彼の急死によって手掛けていた事業のほとんどは人手に渡ることになった。「月満つれば則ち虧く」とはこのことだ。

最初の例文は文字通り、満月の後の細くなった月を見たという意味です。2番目の例文は、栄えていたものも、いずれは衰退するという意味ですね。

\次のページで「「月が欠ける」の類義語・反対語」を解説!/

「月が欠ける」の類義語・反対語

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つぎに「月が欠ける」の類義語と反対語を見ていきましょう。

「下弦の月」「弓張月」など:欠けていく月

「満月から新月にかけてだんだん細くなっていく月」のことを「下弦の月」と呼びます。月を、弦を張った弓に例えた場合、西の空に沈むころ、弦のほうが下に見えるからです。同じように弓と弦に例えて、上弦の月と下弦の月を「弦月」(げんげつ)、「弓張月」(ゆみはりづき)ともいわれますよ。

下弦の月限定で「下の弓張」(しものゆみはり)という表現もあります。また、新月からだんだん太くなっていく月のことを「上り月」といいますが、それに対して徐々に欠けていく月は「降り月」(くだりづき)です。

「有明の月」など:明け方に残っている月

「月が欠ける」ころは月の出る時刻が遅くなり、明け方の空に残っています。これが「有明の月」です。明け方なので「暁月夜」(あかつきづくよ、あかときづくよ)、「暁月」(ぎょうげつ)、「朝月夜」(あさづくよ、あさづきよ)ともいいます。また、夜が明けても空に残っているので「残月」(ざんげつ)、「残りの月」(のこりのつき)、「名残の月」(なごりのつき)、「朝行く月」(あさゆきつき)などの呼び方もありますよ。

「立待月」「居待月」:どんな格好で待つ?

月齢ごとに違う月の名前もありますよ。「十六夜」は「いざよい」と読みます。文字通り十五夜から一晩たち、満月が少し欠けた状態。「いざよう」は「躊躇する」「ためらう」などの意味があり、月が出るのをためらって満月より遅く出てきたと見立てています。

「立待月」(たちまちづき)は月齢17の月。「立って待っていると出る月」という意味です。月齢18は「居待月」(いまちづき)。居待は「座って待つ」ことです。立待月より遅く、座って待っていると出る月ということですね。

「寝待月」「更待月」:いつまで待つの?

月齢19は「寝待月」(ねまちづき)といいます。さらに月の出が遅くなり、「寝て待っているとやっと出る月」という意味です。「臥待月」(ふしまちづき)ともいいます。月齢20は「更待月」(ふけまちづき)。さらに夜が更ける午後10時ごろ(亥の刻)に昇る月のことです。「二十日月」「亥中の月」(いなかのつき)の呼び方もあります。

反対語「月が満ちる」

「月が欠ける」の反対語は、改めて説明する必要もないですが「月が満ちる」です。新月から三日月、半月、満月と月がだんだん太くなってゆく様子を表す言葉ですね。「月が満ちる」には「満月になる」という本来の意味のほかに「出産予定の月になる」という意味もありますよ。

\次のページで「「月が欠ける」の英訳」を解説!/

「月が欠ける」の英訳

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つぎに「月が欠ける」の英訳を見てみましょう。英語で「月が欠ける」と表現するには「wane」という単語を使います。

The moon waxes and wanes.
月は満ち欠けする。

「wax and wane「月の満ち欠け」という意味のほかに,「(運命などの)衰退」という意味があります。またin the wane「(月)が欠け始めて」という意味ですが、「衰える、落ち目なる」「衰退する」の意味もありますよ。waning moon「下弦の月」のことです。

ニュアンスに富んだ表現を覚えて「月が欠ける」を使いこなそう!

この記事では「月が欠ける」の意味、例文、類義語から英訳などを説明しました。

「月が欠ける」の意味は「満月から新月にかけて徐々に月が細くなっていく」こと、つまり「下弦の月」のことです。本来の意味で使われることが多いようですが、故事成語「月満つれば則ち虧く」では、月の満ち欠けを繁栄と衰退に例えて「盛りになった後は必ず衰えていく」という意味で使われていました。

月をキーワードにして検索してみると、興味深い言葉がたくさん見つかります。月を表現する言葉を味わって、ぜひ「月が欠ける」を使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

故事成語もある?「月が欠ける」の意味・例文・類義語などを日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

この記事では 「月が欠ける」について解説する。

端的に言えば、月が欠けるの意味は「満月から新月にかけてだんだん月が細くなっていく」こと、つまり「下弦の月」です。下弦の月を表現する言葉は非常に多彩で、ニュアンスに富んでいる。また故事成語も覚えておくと、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「月が欠ける」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「月が欠ける」の意味・故事成語・例文

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「月が欠ける」はそのままの意味で使われることが多いですが、「月が欠ける」を使った故事成語もありますよ。

「月が欠ける」の意味は?

まずは辞書で「月が欠ける」をチェックしましょう。

月の満ち欠けのうち、満月から新月にかけて月の見た目が細ること。

出典:実用日本語表現辞典「月が欠ける」

月の満ち欠けは地球、月、太陽の位置に関係しているのです。太陽と同じ方向にある月を「新月」「朔」(さく)と呼びます。新月を起点(月齢0)として一週間ほど経つと、月は右半分が輝く半月「上弦の月」になりますね。月はさらに満ちてゆき、月齢14.8で夕方東の空に昇る満月になります。

その後、月齢が増えるにしたがって月の出る時間が遅くなり、月はだんだん細くなっていきますね。「月が欠ける」という言葉は「満月から新月にかけて徐々に月が細くなっていく」ことを指しています。

故事成語「月満つれば則ち虧く」とは?

「月が欠ける」を使った故事成語に「月満つれば則ち虧く」(つきみつればすなわちかく)があります。「虧く」は「欠く」という意味です。

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