「ベンチマーク」は、元々測量の分野で使われていた言葉で、「基準になる何か」「基準点を設け、計測したものと比較する」という意味です。測量や地図作成を行う際、測量士が座っていたベンチが海抜何メートルであるかを目印にしていたことから、このように言われるようになったとされています。ここから派生して、実に様々な分野で「ベンチマーク」という言葉が使われるようになりました。
2.測量における「水準点」
建築物、建造物などを作る際に、その位置や高さの基準として設置する標識のことです。
建物を建てる土地は全面が平らな土地ではないため、設計時には基準となるGL(グランドライン)を定めます。これが設計GLと呼ばれるものです。この設計GLを決めるために測量を行うのですが、まずどこからこの測量を行うのかを、そのポイントを決めます。このポイントが「ベンチマーク」です。「ベンチマークポイント」とも呼び、BMと略されます。このBMは水準点となるため、側溝やマンホールなど、簡単に移動することができない誰が見ても分かる場所に設定するのがポイントです。その地点から、敷地内の四隅や中間地点などの高さを計測していきます。
この測量で出た設計GLを元に、どれぐらいの高さを建物を建てるのか、各フロアの高さはどれぐらいか…などをを決めていく、大変重要な作業です。
3.投資における「運用基準」
金融分野で言うところの「ベンチマーク」は、主に投資信託(ファンド)などの資産運用において、運用の目標や運用成果・運用成績を評価する際に用いる指標のことです。市場平均とも呼びます。
多くの場合、ファンドが投資対象とする商品や市場の各種指数が用いられますが、その代表的なものとしては「東証株価指数(TOPIX)」、「日経平均株価(225社平均)」「JPX日経インデックス400」「ニューヨークダウ」などが挙げられるでしょう。
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関連語で「インデックスファンド」という言葉があります。上記ベンチマークとして挙げた「東証株価指数(TOPIX)」など代表的な指数をベンチマークとし、その指標に連動するように作られているファンドのことです。
4.ITにおける「性能測定基準」
IT分野における「ベンチマーク」は、ハードウェアやシステム開発を行う際の性能測定の基準を指します。開発したハードウェアやシステムの能力を検証する際は、まずテスト用プログラムを実際に実行。その上で、CPUの処理速度やグラフィックの描画速度、メモリのアクセス速度の性能などを全体的に計測します。出た結果の数値を分析して、更なるスペックの向上を図っていくというものです。この際に用いられる指標が「ベンチマーク」であり、ちなみにこのベンチマークテストの結果を「ベンチマークスコア」と言います。
5.経営とマーケティングにおける「比較指標」
経営やマーケティングにおける分野では、自社の経営を他社と比較して改善する際に「ベンチマーク」という言葉を用います。企業がより優れた経営手法を取り入れたい場合、競合他社にベンチマークを設定するのは非常に有効な手段です。
ある企業を比較のベンチマーク対象として選び、その企業が行なっている経営とマーケティング手法を分析し、自社の経営とはどう違うのかを比較。そして、その上で自社の問題点を洗い出して総合的に経営戦略を立てていくというものです。
この、ベンチマークを用いて自社の経営の改善を図る手法を「ベンチマーキング」と言います。
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