今回は地球と生命の誕生について解説します。

教科書や学習漫画などで地球が46億年前に誕生したことくらいはみんな知っているでしょう。しかし、それから生物が誕生するまでの歴史を知っているか。細菌が生まれ、多細胞生物、両生類、爬虫類とどんどん生物は進化していった。地球の歴史の中で生命の歴史は短く、まして人間はほとんど一瞬でしかない。

こんな壮大な生物誕生の起源というテーマを解説するのは歴史漫画読むのは好きですが歴史は苦手な科学館職員、たかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

理科と数学が好き、社会と英語が苦手、国語は普通な元中学生。大学院生の頃は幅広く研究を行う教授のもと、生化学や高分子、有機化学について学んだ。現在は科学館職員として理科の楽しさを伝えつつ新たな発見も多い毎日を送るリケジョ。

ザックリ解説、地球の誕生から現在

46億年という途方もない長い歴史を学ぶのはなかなか大変です。というわけで先に地球の誕生から現在までの歴史を簡単に確認していきましょう。

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地球が誕生したのは46億年前と言われています。これは月の岩石や隕石の成分から割り出したものです。誕生した頃の地球は高温高圧で大気(原始大気)は水素とヘリウムからなり、とても生命が生きられる環境の惑星ではありませんでした。それが40億年前に海洋(原始海洋)ができ、そこから生命が次々と誕生していったのです。

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40億年前に最初の生命が生まれ38億年前に細菌(真正細菌・古細菌)、32億年前に光合成する生物(シアノバクテリア)、21億年前に真核生物が生まれたと言われています。そして10憶年くらい前に多細胞生物が誕生し、5億4200万年まえに起きたカンブリア爆発で今いるほとんどの動物の門(生物の分類の1つ、界・門・網・目・科・属・種と続く)がそろったのです。

そして4億年ほど前に植物が、そして節足動物も地上に現れました。その後デボン紀後期に大量絶滅が起こるもそれを乗り越えた両生類、さらに様々な昆虫が地上に現れたのです。そして爬虫類、恐竜、哺乳類が2億年以上前までに誕生しました。それに比べると意外と鳥類の誕生は遅く、1億5000万年前くらいと考えられています。

そして6500万年ほど前に恐竜が絶滅しました。最初の人類といわれるアウストラロピテクスが誕生したのはそれよりもずっと後、370~100万年ほど前のことです。

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地球の誕生から生物が生まれるまで

それでは詳しく生物の誕生までの流れを確認してみましょう。

40億年前、生命のゆりかご海の誕生

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出来たばかりの頃の地球は生物が生きられる環境ではありませんでした。酸素はなく、溶岩で覆われたた地表の温度はなんと1000度を超していたそうです。これではとても生物が住めそうにありませんね。

それがやがて地表の温度が下がり、大気中の水蒸気が雨となって降り注いでができたのです。しかし、最初の頃の雨と海は強酸性で、とても生物が暮らすのに適した環境ではありませんでした。ですが酸性の雨によって岩石が溶かされ、出てきたナトリウムやカルシウムによって中和が起こったのです。そのおかげで海は中性となったのですね。

光合成による環境の変化

酸素が乏しい地球で栄えたのは酸素を必要としないメタン生成細菌です。それがやがて光合成を行うようになりました。これがシアノバクテリアです。こうしてじょじょに地球上に酸素が増えていきました。しかし、光合成で二酸化炭素が使われたことで地球の気温の低下が起こったのです。現在、二酸化炭素が増えたことが原因で地球温暖化が起きていますね。それが地球温暖化とは逆に、地球の熱を保つのに必要な二酸化炭素までが無くなってしまったのです。こうして地球は全球凍結スノーボールアース)となりました。それでも活動をつづけた火山のおかげで、その周囲で生き延びた生物がいたのです。

その後、光合成が行われなくなったことで二酸化炭素が適度に大気中に増えました。そしてシアノバクテリアがまた活動するようになったのです。そして酸素が増えた環境で酸素呼吸を行う生物、真核生物が誕生しました。

生物の進化

単細胞生物が進化し、複雑な多細胞生物が誕生しました。当初、単細胞生物は無性生殖(1つの固体が新しい個体を作って増える生殖方法)で増えていたのです。それがやがて生物は性を持つようになりました(この時期については諸説あります)。そしてそれまでの細胞が分裂し増える無性生殖とは異なる有性生殖が行われるよになり、異なる遺伝子が合わさることから進化が多様化していったのです。

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カンブリア爆発

現在いる生物のがそろったカンブリア爆発が5億4200から3000万年前におこりました。それから哺乳類など脊椎動物が登場したのは5億2400万年ほど前です。最初に陸に登場したのは両生類でした。その後生物は目を持つようになり、それぞれが生存競争を勝ち抜くための進化を遂げていきました。

一方、光合成によって酸素が増え、地上でも生物が生きられる環境が作られました。植物が地上でも育つようになったのです。また動物界では節足動物が進化し、中でも海サソリは海の中で一時代を気付いていました。しかし、その頃にまたも大規模な絶滅が起こり様々な動物が絶滅してしまったのです。

脊椎動物が地上へ

やがて節足動物が衰退し、今度は顎を持った大きな魚が現れました。この頃、海の中には生物が多く、生きづらい環境になってきていたのです。そして魚たちの中から陸で生活できるよう進化した生物が生まれました。

肺呼吸とえら呼吸の両方ができる両生類が脊椎動物として初めて地上に登場しました。しかし、3億6000万年ほど前に再び大量絶滅が起こります。

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両生類といえばオタマジャクシとカエルですね。親であるカエルは陸地で生きられますが子供のオタマジャクシは水の中でしか生きられず、卵も水の中に産みつけられます。これでは水から離れることはできません。そこで完全に陸で生活できるように進化したのが肺呼吸ができる爬虫類です。その後、恐竜、哺乳類が誕生しました。

一時代を築いた恐竜ですが、突然絶滅します。この原因はまだはっきりとしていませんが、隕石が落下したためというのが有力です。恐竜が絶滅したころ、霊長類が誕生しました。霊長類とは人間も含む猿のグループです。アウストラロピテクスが誕生し、その後北京原人、ネアンデルタール人、ホモサピエンス(現在の人類)が現れました。

地球46億年の歴史と生命の誕生

地球は約46億年前に誕生しました。最初の生命が生まれたのは40億年ほど前のことで人類が誕生したのは370万年ほど前です。46億年に比べたらとても最近ですね。地球の歴史のなかで人間の歴史はとても短く、恐竜の時代の方が長いくらいです。

地球の生物は今まで繁栄と絶滅を繰り返してきました。今いる人類が恐竜のように絶滅し、他の生物が地球上を支配する日が来るかもしれません。そうならないよう、地球の環境を大切にしていかなければなりませんね。

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地学地球理科

3分で簡単46億年の地球の歴史と生命誕生!科学館職員がわかりやすく解説

今回は地球と生命の誕生について解説します。

教科書や学習漫画などで地球が46億年前に誕生したことくらいはみんな知っているでしょう。しかし、それから生物が誕生するまでの歴史を知っているか。細菌が生まれ、多細胞生物、両生類、爬虫類とどんどん生物は進化していった。地球の歴史の中で生命の歴史は短く、まして人間はほとんど一瞬でしかない。

こんな壮大な生物誕生の起源というテーマを解説するのは歴史漫画読むのは好きですが歴史は苦手な科学館職員、たかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

理科と数学が好き、社会と英語が苦手、国語は普通な元中学生。大学院生の頃は幅広く研究を行う教授のもと、生化学や高分子、有機化学について学んだ。現在は科学館職員として理科の楽しさを伝えつつ新たな発見も多い毎日を送るリケジョ。

ザックリ解説、地球の誕生から現在

46億年という途方もない長い歴史を学ぶのはなかなか大変です。というわけで先に地球の誕生から現在までの歴史を簡単に確認していきましょう。

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地球が誕生したのは46億年前と言われています。これは月の岩石や隕石の成分から割り出したものです。誕生した頃の地球は高温高圧で大気(原始大気)は水素とヘリウムからなり、とても生命が生きられる環境の惑星ではありませんでした。それが40億年前に海洋(原始海洋)ができ、そこから生命が次々と誕生していったのです。

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40億年前に最初の生命が生まれ38億年前に細菌(真正細菌・古細菌)、32億年前に光合成する生物(シアノバクテリア)、21億年前に真核生物が生まれたと言われています。そして10憶年くらい前に多細胞生物が誕生し、5億4200万年まえに起きたカンブリア爆発で今いるほとんどの動物の門(生物の分類の1つ、界・門・網・目・科・属・種と続く)がそろったのです。

そして4億年ほど前に植物が、そして節足動物も地上に現れました。その後デボン紀後期に大量絶滅が起こるもそれを乗り越えた両生類、さらに様々な昆虫が地上に現れたのです。そして爬虫類、恐竜、哺乳類が2億年以上前までに誕生しました。それに比べると意外と鳥類の誕生は遅く、1億5000万年前くらいと考えられています。

そして6500万年ほど前に恐竜が絶滅しました。最初の人類といわれるアウストラロピテクスが誕生したのはそれよりもずっと後、370~100万年ほど前のことです。

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