「春陰」
「春陰(しゅんいん)」とは、“春の曇り空”のこと。春の空模様がくもりがちで、曇天が多いということを意味する季語のひとつです。これも春先の曇り空という点で「養花天」と似た意味の言葉と言えるでしょう。
「春霞」
「春霞(はるがすみ)」とは、“春の季節に立つ霞”のこと。春には、遠くの景色が見えにくく、まるで薄雲がかかったように見えることがあります。春の山野に水蒸気が立ち込めることで、あらゆるものがほのぼのと薄れて見える状況を、「春霞」と言うのです。
「養花天」とは、春の薄雲りで空全体に雲が広がっている様子。対して「春霞」は、霞がかっている様子として、実際には現象としても言葉としても異なる言葉です。ただし、どちらも春先の視界がぼんやりと薄暗い状況を指している点では類義語表現と言えます。
どちらも季語として使われる言葉であり、見える景色は似ているため、違いも合わせて覚えてしまうのがおすすめです。
「hazy weather in spring」
「hazy weather in spring」とは、“春先のぼんやりとした天気”という表現。「hazy」とは“かすみがかった”という意味の単語です。
春先の天気そのものを伝えたいのであればこの英語表現でしょう。ただし景色を伝える言葉でしないため、「養花天」そのものの詩的なニュアンスは含んでいません。
「a cloudy day during the cherry blossom season」
「a cloudy day during the cherry blossom season」は、“桜の咲くころの曇り空の日”を意味する英語。「cherry blossom」は“桜”のこと、「a cloudy day」は“曇天の日”を指します。
かなり直訳に近いものの、「養花天」が持つ景色や情景を説明したいときには、このような表現で説明するといいでしょう。
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