「養花天」の使い方・例文
「養花天」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.周辺の紅葉スポットが観光客に人気の旅館だが、オーナーや関係者が言うには養花天の頃もオススメとのことだった。
2.暖かった昨日に比べて今朝はかなり寒く、今日も一日曇り空が広がっている。まさに養花天と言えるだろう。
3.雪解水や陽だまりの様子を見てもう養花天の頃かと思った。予想より早く春を楽しめそうだ。
4.関西では桜が開花したそうだが、まだこちらは養花天といったところだ。週末には花見を楽しみたいものだがどうだろう。
5.自然の食材を使った料理が有名な洋食レストランの予約が取れたんだ。桜を楽しむには天気が不安だけれど、養花天を満喫できる機会だと考え直すことにしたよ。
6.日本語には春霞や養花天など、さまざまな美しい言葉がある。季語を覚えれば詩や俳句の世界ももっと楽しめると祖母が教えてくれたんだ。
7.春先の曇り空も、寒くていやだと考えるか、養花天だと考えるか、どっちで捉えるかで随分印象が変わるものだ。
8.富士山近くのエリアにあるお店やカフェに聞くと、養花天の頃から訪問客の人出が増え始めるらしいよ。
9.春になっても曇り空が多く、養花天の日々が続いている。
「養花天」とは、春の花がさくころの薄く曇った空模様のこと。季節を表す季語としても用いられます。そのため例文のように、季節や情景を指して使うのが一般的。詩的で美しい表現としても使われ、今も俳句や詩で見られる言葉です。
「鳥曇り」
「鳥曇り(とりぐもり)」とは、渡り鳥が北方へ帰っていく春の曇り空のこと。雁や鴨など秋に日本に渡って来た鳥は、春先に北の繁殖地へと飛んでいきます。そして鳥の群れがあっという間に消え去ったあと、曇り空だけがそこに残っている様子から、この頃の曇り空を「鳥曇り」と呼ぶようになりました。
「養花天」と同じく、晩春を意味する季語としても用いられており、ほぼ類語表現と言えます。表現したいものに合わせて、それぞれ使い分けや解釈できるようにしておくといいでしょう。
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