
端的に言えば養花天の意味は「春の曇り空」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「養花天」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「養花天」の意味は?
「養花天」には、次のような意味があります。
サクラの咲くころのくもり空のこと
出典:季語・季題辞典(日外アソシエーツ)「養花天」
「養花天(ようかてん)」は、俳句などで特定の季節を表す言葉である季語の一種。「花曇(はなぐもり)」の異称であり、“桜が咲くころの曇り空”を意味する言葉です。雲が低くたちこめるほどではない、薄く太陽が隠れるような比較的明るい曇り空を指します。
「養花天」の語源は?
次に「養花天」の語源を確認しておきましょう。
「養花(ようか)」とは、“花を養う”という意で、春の花のつぼみが膨らむ様子を指しています。春の花が咲くころは曇り空が多く、天気がさまざまに移り変わるもの。花冷えという言葉もあるように、急に冷え込んだりすることもあれば、急に熱くなることもあります。このような天気が花を育てつぼみを膨らませていくことから、曇り空が花を育て養うという様子を指して「養花天(ようかてん)」と言うようになりました。
「花曇り(はなぐもり)」の異名として使われ、桜の花が咲くころの空一面がうすぼんやりと曇った晩春の様子を指します。
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