タイムパラドックスって何?タイムトラベルした時に何が起こるの?理科教員を持つライターがわかりやすく解説
【そもそも「あなたが知っている過去」には行けない?】
パラレルワールドの考え方でいくと、「~だった場合の世界」、「~だった場合の世界」というのが無数に存在するわけですが、仮にA君が5年前にタイムスリップしたとして「A君が知っている5年前の世界」に行けるでしょうか。A君が知っている5年前には「少し年老いたA君が突然現れる」という事象は発生していません。とすれば、A君がタイムスリップ出来る5年前はA君が知っている5年前ではなく、別の世界つまり「少し年老いてA君が突然現れた」場合の世界になり、A君が知っている世界には行けないことでしょう。
そう考えると、5年前に行って自分が居るかどうかは分かりません。生命の誕生は偶然に偶然が重なった結果であり、もしかしたらトラベラーがタイムスリップした先が「自分が産まれなかった場合」の世界かもしれません。また同様に、タイムスリップした先に両親が居るかどうかも分かりませんし、自分の家が建っているはずの場所は別の建物かもしれません。そもそも地球が灼熱のマグマに包まれ生命が宿るような環境になっていないかもしれません。そう考えると、怖くて過去に行けませんね。
タイムパラドックスは何らかの解決されるかもしれない
過去に行って歴史を変えてしまうことで起きる矛盾(タイムパラドックス)は何らかの理屈で解決される可能性があります。1つは、そもそも過去へのタイムスリップは不可能(時間的順序保護仮説)という考え方、もう一つは矛盾を生じさせることが出来ない(事後選択説)という考え方、そしてもう一つは歴史を変えてしまっても別の歴史(パラレルワールド)が出来るだけで私たちが知っている歴史には影響しないという考え方です。