世界史中国史

道家の思想家「老子」の思想や考え方を元大学教員が5分で解説

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

中国の古代の歴史を知るうえで欠かせないのが『史記』。この書物ができあがったころすでに老子の存在はあやふやだ。ただ、春秋戦国時代の末期には老子らしき人物の思想が確立したことは確かなようだ。

老子の同時代の哲学者たち

Laozi 002.jpg
Thanato自己的作品CC BY-SA 3.0链接

老子は春秋戦国時代の思想家のひとり。この時代は、戦国の世を勝ち抜くために哲学が求められていました。そのため儒教や道教など、のちの中国でメジャーとなる宗教の前身がこの時代に生まれます。

老子は諸子百家のひとり

老子を創始者とする道家は、春秋戦国時代に生まれた諸子百家のひとつです。諸子とは主要な思想家たちのこと。具体的には、孔子や老子のほか、荘子、墨子、孟子などが含まれます。

百家とはさまざまな思想の学派のこと。孔子による儒家、老子による道家、墨子による墨家という具合です。百家という言葉から分かるように、この時代は数えきれないほどの思想の学派が乱立。そのひとりが老子でした。

戦乱を生き残るための思想が必要とされる

春秋戦国時代に数多くの思想や学派が乱立したことにはれっきとした理由があります。時代区分としては、周が都を移してから秦がふたたび中国を統一までの期間。細かい勢力が衝突や分裂を繰り返している混乱期でした。

おもに争っていたのは7つの大国。それぞれが家臣をまとめて武力を高めるための学問的な助言を必要としていました。そこで活躍したのが思想家たち。その内容は、政治、政策、技術、生き方などさまざまでした。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

助言した勢力が中国を統一するとその思想家の権力がアップ。孔子の儒学が中国でメジャーとなったのは漢以降の王朝に採用されたからだ。老子の道教は民衆のあいだで広まった思想なのでちょっと立ち位置が異なる。

老子を創始者とする道家とは?

Changchun-Temple-TaiQingDian-DaoDeJing-0315.jpg
由User:Vmenkov – 自行拍摄CC BY-SA 3.0链接

老子が確立した思想が道家。中国は仏教のイメージが強いと思いますが、実は儒教、仏教、道教と3大宗教が存在します。民間信仰や神仙思想と融合しながら、老子による道家の教えが道教という宗教になりました。

老子と荘子の思想を合わせて道家と呼ぶ

道家の創始者は老子とされていますが、その全体像は老子と荘子の2人の思想を合わせたもの。老子の教えを発展させたのが荘子でした。自然の流れにしたがってありのままに生きる無為自然がふたりの思想の軸となります。

とはいえ両者は完全に同じではありません。老子は国家は不要とする発言をするなど、当時は危険視される政治思想を含んでいました。それに対して荘子は政治から距離を置き、浮世離れているという特徴があります。

儒教が王道となるなか危険視される

孔子を創始者とする儒家は、上下関係を維持する、規律を守る、忠誠心を持つことの大切さを浸透させようとするもの。戦乱の世のなかで孔子の考え方は指導者たちに歓迎されました。

それに対して老子の考えは自分自身の考えを大切にする、自然の流れに身をまかせる、国家は不要というもの。政治的に危険視される要素があったため、老子とされる人物はあまり表に出ませんでした。

no-img2″>
 <figcaption class=桜木建二

道家の教えはわが道を行くもの。政治的にあやうい要素があったので本名を隠していた可能性がある。老子というと穏やかなイメージがあるが、諸子百家のなかでかなり尖った存在だったのだろう。

次のページを読む
1 2 3 4
Share:
hikosuke