
今回は致死遺伝子の詳しい作用と致死遺伝子を発現する生き物について、生物に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
医学部で実験助手をしている。メインの業務は患者さんの遺伝子解析だが、動物実験や細胞培養も行っているバイオ実権のスペシャリスト。
DNAについて
致死性遺伝子について学ぶ前にDNAについておさらいしておきましょう。DNAはデオキシリボ核酸の略で、生き物を構成しているすべての細胞の核の中に存在しています。1個体のすべての細胞にあるDNAは全く同じものです。DNAはデオキシリボースとリン酸、塩基が結合しているんですよ。
DNAはデオキシリボースとリン酸、塩基が結合した鎖のような構造体が2本平行に並びらせんを描くような構造をしているので2重らせん構造と呼ばれます。DNAを構成している塩基にはアデニン、チミン、シトシン、グアニンの4種類があり、アデニンとチミン、シトシンとグアニンがそれぞれ結合することができるんです。DNAは5000万から2億5000万個の塩基で構成されており、そのすべてが染色体の中に納まっています。
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遺伝子とは
先ほどDNAは5000万から2億5000万個の塩基から構成されていると説明しましたが、そのすべてが情報としての役割を持っているわけではありません。DNAの主な働きはタンパク質を合成することですが、DNAの中にはタンパク質の構成に必要な情報が含まれている部分と含まれていない部分が存在します。この時、タンパク質を合成するための情報をしめしているDNAを遺伝子と呼ぶのです。
致死遺伝子とは

image by Study-Z編集部
遺伝子によっては持っているだけでその生き物が死んでしまうものもあります。それが致死遺伝子です。致死遺伝子はホモで持っている場合でないと発現しないため、ヘテロの場合は死ぬことはありません。致死遺伝子はある特定の組織や器官などに異常をもたらすことで正常に発達することができず、生き物に死をもたらす因子の一つです。
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