この記事では「リテラシー」について解説する。

リテラシーの意味は「理解力」や「知識量」「活応力」などですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系の記者を経験したライター・にべこを呼んです。一緒に「リテラシー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/にべこ

某大手情報誌の記者を務め、その後フリーライターに。ビジネス用語ならおまかせ。さまざまなシーンで使えるカタカナ言葉を噛み砕いてご紹介する。

「リテラシー」の意味や語源・使い方まとめ

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「リテラシー」という言葉は昨今ビジネスシーンにおいて一般的になっていますが、正しく意味を理解していますか?

なんとなく雰囲気で使っていると「この人知ったかぶりかも?」「カタカナ語言っちゃって、もしかして最近知った?」なんて誤解されてしまいます!適切な場面で正しく、そしてカッコよく使えるように、「リテラシー」の意味や語源・使い方などを学習していきましょう。

「リテラシー」の意味は?

「リテラシー」には、次のような意味があります。

1.読み書き能力。また、与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力。応用力。
2.コンピューターについての知識および利用能力。
3.情報機器を利用して、膨大な情報の中から必要な情報を抜き出し、活用する能力。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「リテラシー」

本来、「リテラシー」という言葉は読み書きの能力を表す意味合いの言葉です。日本語でいうと「識字」や「識字率」を指します。

しかし現代では、例えば「ITリテラシー」のように「ある特定の分野の物事を正しく理解・解釈し活用する能力」を指すことがほとんど。要するに「知識が高い」というニュアンスで使われるということですね。

「リテラシー」の語源は?

「リテラシー」は、英語「literacy」が由来です。

これは「letter(レター:文字)」から派生した単語で、さらにletterの語源は古代フランス語の「letre(文字)」となり、さらに遡っていくと、ラテン語「litteralis(書かれた文字の)」となります。

派生した関連語としては

・literally(文字通りの)
・literary(文学の)
・literature(文学)

などがあります。「文字」に関する言葉が由来なのですね。

\次のページで「「リテラシー」の使い方・例文」を解説!/

「リテラシー」の使い方・例文

では、「リテラシー」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.社員のITリテラシーを高めるために研修プログラムを設ける
2.ビジネスパーソンとして情報リテラシーを身につけることは、この情報社会を生きるための必須スキルの一つだ
3.資産運用においては金融リテラシーを磨くことが必須である
4.異文化交流のうえでは文化リテラシーをどれだけ持っているかが重要だ

例文でもわかりますが、「○○リテラシー」のように「リテラシー」という言葉の前に特定の分野をあらわす言葉をつけることで、表現したい事柄を区別していきます。

「リテラシー」の類義語や関連語は?違いは?

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上記で例に出したさまざまな「リテラシー」の種類をあらわす言葉を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

「ITリテラシー」

主にインターネットにまつわる「IT関連を正しく理解や操作する能力」をあらわします。

同義の言葉としては

・コンピューターリテラシー(コンピューター機器を操作する知識と技術)
・ネットワークリテラシー(ネットワーク構築やセキュリティに関する技術的な知識)

などがありますが、上記の言葉も併せ、インターネット周辺を含めた幅広い定義を持つのが「ITリテラシー」となります。

\次のページで「「情報リテラシー」」を解説!/

「情報リテラシー」

「ITリテラシー」と混同されがちですが、厳密には「情報を探し、精査し、正しく使う能力」を指します。

上記「ITリテラシー」が主にインターネット関連に特定しているのとは違って、「情報リテラシー」はもう少し広い分野をあらわしていますね。ですが、インターネットとコンピューターの発展により膨大な情報を得ることができる昨今のIT社会では、パソコンやスマートフォンなどを駆使することと情報を使いこなすことはほぼ同義であると言ってもいいでしょう。

類義語としては

・メディアリテラシー(メディアから得た情報を見極める能力)

がありますが、これはインターネットやテレビ、新聞のニュースなどの「さまざまなメディアから得た情報を精査し正しく判断する能力」を指します。情報の発信元を特定しているので、「情報リテラシー」に比べるとより狭義、要するにピンポイントではありますね。

「金融リテラシー」

「金融に関する知識や情報を正しく理解し使う能力」のことです。近年は貯蓄や保険、投資、株やFXなど、金融にまつわるサービスや商品が多様化していますが、それらの特徴や違いを理解しより適切な金融取引を行うためのリスクやトラブルを回避できる「賢い消費者」となるためには、この「金融リテラシー」が必須と言えるでしょう。

「文化リテラシー」

「文化理解」とも言い換えでき、「文化を深く理解する能力」をあらわす広義の言葉です。例えば自国・他国の文化的遺産や歴史についての知識などですね。

関連語としては

・多文化リテラシー(他国の多様な言語や社会、芸術文化などの違いを認め合い、深く理解する能力)

がありますが、「文化リテラシー」が文化そのものを理解する力なのであれば、「多分化リテラシー」は「文化の違いを含めて理解する能力」を指します。

「コンピテンシー」

さらに関連語として「competency(コンピテンシー)」という言葉がありますが、これは「遂行能力の高い人の行動特性」を表します。ちょっと難しいので使い方には注意が必要ですね。

「リテラシー」が身につけた知識やそれを使いこなす能力を指すのであれば、「コンピテンシー」は結果を出す行動をする能力。例えばその人の職務に対する積極性などの姿勢、業績や成果をあげるための仕事の仕方です。カジュアルな言葉で言い換えれば「できる人」「ハイパフォーマー」「意識の高い人」と言えるかもしれませんね。

使い方としては「レベルの高いコンピテンシー」「社員のコンピテンシーを評価する」などです。「行動目標」と言い換えると理解しやすいでしょう。

\次のページで「「リテラシー」の対義語は?」を解説!/

「リテラシー」の対義語は?

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「リテラシー」の対義語は「illiteracy(イリテラシー)」です。

1.イリテラシー。非識字;基礎学力(特に読み書きと算数)の欠如;無学、無教養。
2.(無学による)書き[言い]間違い。誤字。

出典:プログレッシブ英和中辞典(小学館)「イリテラシー」

あまり馴染みのない言葉ではありますね。しかし、教育においては深刻な問題の一つです。特に発展途上国の子どもたちや、そして先進国であっても貧困地域など、必ずしも自身の責任とはいえない状況での無学、無教養は国際的にも大きな問題となっています。

「リテラシー」を使いこなそう

この記事では「リテラシー」の意味・使い方・関連語などを説明しました。職場などではよく見聞きする言葉ではないかと思いますが、使いこなすためには意味を正しく理解することがポイントです。

例えば環境リテラシー、法律リテラシー、健康リテラシー、精神(メンタル)リテラシーなど「リテラシー」を使用した様々な用語が次々と生まれていますが、「リテラシー」という言葉そのものを理解し習得することで、どんな意味であっても柔軟に理解し対応することが可能。ビジネスの場面だけではなく様々なシーンで、より深いコミュニケーションを図ることができるでしょう。

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国語言葉の意味

「リテラシー」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「リテラシー」について解説する。

リテラシーの意味は「理解力」や「知識量」「活応力」などですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系の記者を経験したライター・にべこを呼んです。一緒に「リテラシー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/にべこ

某大手情報誌の記者を務め、その後フリーライターに。ビジネス用語ならおまかせ。さまざまなシーンで使えるカタカナ言葉を噛み砕いてご紹介する。

「リテラシー」の意味や語源・使い方まとめ

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「リテラシー」という言葉は昨今ビジネスシーンにおいて一般的になっていますが、正しく意味を理解していますか?

なんとなく雰囲気で使っていると「この人知ったかぶりかも?」「カタカナ語言っちゃって、もしかして最近知った?」なんて誤解されてしまいます!適切な場面で正しく、そしてカッコよく使えるように、「リテラシー」の意味や語源・使い方などを学習していきましょう。

「リテラシー」の意味は?

「リテラシー」には、次のような意味があります。

1.読み書き能力。また、与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力。応用力。
2.コンピューターについての知識および利用能力。
3.情報機器を利用して、膨大な情報の中から必要な情報を抜き出し、活用する能力。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「リテラシー」

本来、「リテラシー」という言葉は読み書きの能力を表す意味合いの言葉です。日本語でいうと「識字」や「識字率」を指します。

しかし現代では、例えば「ITリテラシー」のように「ある特定の分野の物事を正しく理解・解釈し活用する能力」を指すことがほとんど。要するに「知識が高い」というニュアンスで使われるということですね。

「リテラシー」の語源は?

「リテラシー」は、英語「literacy」が由来です。

これは「letter(レター:文字)」から派生した単語で、さらにletterの語源は古代フランス語の「letre(文字)」となり、さらに遡っていくと、ラテン語「litteralis(書かれた文字の)」となります。

派生した関連語としては

・literally(文字通りの)
・literary(文学の)
・literature(文学)

などがあります。「文字」に関する言葉が由来なのですね。

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