理科生物細胞・生殖・遺伝

「開放血管系」とは?閉鎖血管系との違いは?どんな動物が持つ?現役講師がわかりやすく解説

開放血管系と閉鎖血管系、どちらが良いのか?

開放血管系と閉鎖血管系の話をするとき、必ずといっていいほど「それぞれのメリット・デメリット」や「どちらの方がよい仕組みなのか」といった質問を受けます。筆者個人としては「いずれの血管系も進化の中で洗練されてきたものであり、どちらが良いも悪いもない」とお伝えしたいところなのですが…一般的によく言われる開放血管系と閉鎖血管系の特徴をご紹介しておきましょう。

閉鎖血管系の方が効率が良い?

一般的に、閉鎖血管系の方が開放血管系よりも栄養や老廃物、酸素、二酸化炭素の交換効率が良いといわれています。閉鎖血管系では血液が基本的に一方通行であるのに対し、開放血管系では組織中で古い血液と新しい血液が混ざったり、古い血液が逆流してしまう可能性があるからです。

せっかく栄養や酸素をたくさん含んだ血液が動脈から送られても、それがうまく組織中を流れなければもったいないですよね。

開放血管系では強い心臓をつくらなくてよい?

開放血管系のメリットとしてあげられるのが、強い心臓をつくる必要がないという点です。閉鎖血管系の場合、血液は毛細血管を通過しますが、この毛細血管は非常に細いだけでなく、細かく枝分かれしているため、血液を流すには相当の圧力(血圧)を必要とします。そのため、心臓で力強く血液を送り出す必要があるのです。

その一方、開放血管系では血液が毛細血管のような細い管を通らず組織全体に広がっていくため、弱い力の心臓でも大丈夫なのだといいます。また、大量の毛細血管をつくらなくてもよいという点も低コストといえるでしょう。

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それぞれの生物が自身の持つ血管系に合わせて体を進化させてきたのかもしれないな。

生物の身体の仕組みを比較する”比較解剖学”

今回は血管系という構造に注目して、様々な生物やその違いをご紹介してきました。今回のように、からだの構造や機能を生物種間で比較する学問を”比較解剖学”といいます。「生き物によって体のつくりが違うのは当たり前…」とおもいきや、かけ離れたように見える生き物同士でも、似ているところがたくさんあるのです。

異なる生物の間にある共通点と相違点を洗い出し、「どうしてそうなったのか?」「この違いに何の意味があるのか?」を考えることは、生物の進化を探る研究にもつながります。興味のある方はぜひ、色々な点に着目して生物同士を比べてみてください。新たな発見があるかもしれませんよ。

イラスト提供元:いらすとや

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