「おざなり」
「おざなり」は「お座なり」と漢字で書かれることもあり、なすべき事柄をその場しのぎでいいかげんにやり過ごすことです。間に合わせで行動に誠意がない様子を表す言葉ですね。普通は人の行動に対して用いられ、「おざなりなやり方」と言うように、形容詞で使われます。同じ、いい加減と言う意味ですが、「杜撰」と違う点は、「おざなり」には成り行き任せと言うニュアンスがあるところ、「杜撰」には手抜かりがあると言う意味合いがあるところでしょう。
「緻密」
「緻密(ちみつ)」は、日常でもよく見聞きする言葉ですね。意味は、細かく行き届いていて、正確であることです。「緻密な計画」など、人の行動にもよく使われます。その他には、単に物の作りが細かく小さい、と言う意味で用いられることもあります。「杜撰」はいいかげんで、正確さがないことですから、「緻密」と対義語であると言えるでしょう。
「入念」
「入念(にゅうねん)」は、細かいところまで注意が行き届き、丁寧なことです。話し言葉ですと「念入り(ねんいり)」という言い方になりますね。使い方は「杜撰」や「緻密」と同じく、「入念な調査」など言うように、行動に対して形容詞として使われることが多いでしょう。「杜撰」がいいかげんで手抜かりが多い事ですから、対義語としてふさわしいですね。
「杜撰」に関連した四字熟語
「杜撰」に関連した四字熟語は二つあります。語彙力向上のために併せて覚えておきましょう。
一つめ「杜撰脱漏(ずさんだつろう)」です。「脱漏」とは、ぬけていて間違いが多いと言う意味ですから、「杜撰」と「脱漏」と言う類似した二つの熟語を組み合わせて作った四字熟語ですね。意味は「杜撰」と同じく、いい加減で誤りが多いと言うことです。
二つめは「杜黙詩撰」、「ともくしさん」と読みます。「杜黙」は、「杜撰」の語源でも登場した詩人です。「詩撰」は、詩や文章を作ることを意味します。「杜黙」が格式にふさわしくない「詩撰」をしていたことから、「杜黙詩撰」は、文章がいい加減で間違いが多い、と言うことを表しているのです。
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