
大脳
人間の脳でもっとも発達した部分で、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に区別されます。前頭葉のブローカ野は発語に関係し、長期記憶の保持を行いますよ。側頭葉のウェルニッケ野は言語理解を担っていて、頭頂葉は身体の様々な部位からの感覚情報の統合や、数字とそれらの関係に関する知識、対象の操作などに関する機能に重要な役割を持ちます。後頭葉は、視覚や色彩の認識を司る機能を持っていますよ。
大脳を縦に切ったっ断面を見てみると、脳の表面近くに灰白色の層(灰白質)が見られ、それより内側の白色の層(白質)と明らかに区別されます。この大脳半球の灰白質は大脳皮質、白質は大脳髄質と呼ばれていますよ。大脳半球の表面には多くのしわがありますが、これは、大脳皮質の表面積を大きくするためなのですよ。
大脳は、情報を識別してそれに応じた運動を命じたり、記憶や情動という高度の精神作業を担っています。
小脳、脳幹
小脳は大脳の尾側、脳幹の背側にあり、ヒトでは脳全体の15%程度の容積しかないのですが、脳全体の神経細胞の約半分が存在するのですよ。小脳は、筋や腱、関節からの深部感覚や内耳からの平衡感覚、大脳脳皮質からの情報を受けて、運動調節機能を担当しています。
脳幹は、中脳、延髄、橋に間脳を含む部位のことですよ。呼吸、循環など生命活動の基本的な機能を支配していて、知覚情報を大脳に中継したり、末梢に向う運動指令を中継する機能を担っていますよ。
脳のはたらきを調べる

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医療現場において脳の検査で、CTスキャンやMRIは聞いたことがあるかもしれませんね。これらは、X線や電磁波を照射して脳内の画像を映し出すのですが、脳の機能検査もあります。脳の血流や脳波について調べると脳のはたらきについて理解することができますよ。これらについて見ていきましょうね。
脳機能検査
機能検査では、fMRI(機能的磁気共鳴映像法), PET(陽電子断層撮影),SPECT(脳血流レンチ), 光トポグラフィーがありますよ。fMRIは、MRI装置を使って、神経細胞の活動亢進にともなう血流量の局所的な増加を測定することによって、神経細胞の活動分布を把握します。他の検査では、放射性同位元素で標識化された薬剤を使用して、脳の局所的な活動を把握したり、神経伝達機能を把握しますよ。
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