関東大震災の震源、余震の影響、その後の防災政策など、現代社会に詳しいライターひこすけと一緒に解説していきます。
- 関東大震災の全体像
- 関東全域に被害をもたらした大地震
- 東日本大震災以前の最大規模の被害
- 関東大震災発生時の避難の状況
- 公園は瞬く間にバラックで埋め尽くされる
- 軍隊が救援活動や治安維持に取り組む
- 関東大震災がもたらした被害の概略
- 被害が集中した神奈川県の状況
- 千葉の房総半島は地殻変動の痕跡あり
- 関東大震災の主な被害は火災
- お昼だったことが被害拡大の要因
- 台風の接近による強風も影響
- 関東大震災のときのメディアの対応
- 朝鮮人関連の虚報が目立つ
- 海外に対する発信は無線が活躍
- 関東大震災後の日本経済
- 大量の震災手形が発生
- 悪質な震災手形が日本経済を混乱させる
- 関東大震災後に行われた防災の対応
- 建物の耐震基準が定められる
- 火災の延焼を防ぐために区画整理を実施
- 関東大震災の重要性は今も変わらない
この記事の目次
ライター/ひこすけ
アメリカの歴史や文化を専門とする元大学教員。東日本大震災のときは茨城県で被災。当時、津波の被害を伝える映像を見て恐怖を感じたことを覚えている。かつて関東エリアを襲った関東大震災は私たちにどんな教訓を残したのだろうか。被害が広がった原因や復興の過程をまとめてみた。
関東大震災の全体像
関東大震災が起こったのは大正12年9月1日。発生時間は11時58分32秒ごろとされています。お昼どきに発生したこともあり火災も発生。延焼により被害が広がりました。
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関東全域に被害をもたらした大地震
関東大震災の被害がおよんだ地域はおもに東京と神奈川。そのほか、茨城や千葉など関東全域、さらには静岡にも影響が及びました。関東大震災は、内陸部だけではなく沿岸にも広がるなど、エリアをまたいで影響が出たことが特徴です。
被害とひとことで言っても、その内容はさまざま。揺れによる倒壊に加え、津波、火災、列車事故など、複数の被害がからみあって広がりました。大正時代は大規模な洋館が増加。そのような様式を採用していた官公庁、大学、デパートなどの建物が倒壊します。
東日本大震災以前の最大規模の被害
関東大震災は、東日本大震災が平成23年に発生する以前の、最大規模の被害をもたらした地震災害とされています。地震が直撃したのが政府機能が集中している東京。官公庁の建物自体が被害にあっていることから、一時期は政府機能が麻痺したと言われています。
地震が発生する8日前、内閣総理大臣であった加藤友三郎が偶然にも亡くなっていました。そのため外務大臣が内閣総理大臣を兼務している状況。震災当日は兼務のまま対応、次の日に海軍大将である山本権兵衛が内閣総理大臣に就任しました。
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