この記事では「セオリー」について解説する。

端的に言えばセオリーの意味は「理論」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「セオリー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。かつては若気の至りでセオリーから外れることがかっこいいと思っていた。今はセオリーの大切さをイヤというほど知っている。

「セオリー」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「セオリー」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「セオリー」の意味は?

「セオリー」には、次のような意味があります。

1.理論。学説。
2.持論。自説。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「セオリー」

セオリー」を辞書で引くと、「理論、学説」「持論、自説」と出ます。

このうち「持論、自説」は「自らが持っている理論や説」です。「学説」も「学会などで発表された説」などど想像できます。では、「理論」とは何でしょうか。なんとなくはイメージを持てるはずですが、ここは「理論」を辞書で確認することにしましょう。

個々の現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系。また、実践に対応する純粋な論理的知識。「理論を組み立てる」「理論どおりにはいかない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「理論」

ようするに、「理論」とは「あることに関して説明できるように筋道立てて考えられたもの」のことです。例を挙げると、「どうして太陽は東から昇って西に沈むのか」という問いに対して、「地球が自転しているから」という答えが「理論、セオリー」となります。

「セオリー」の語源は?

次に「セオリー」の語源を確認しておきましょう。古代ギリシア語の「theoria」を語源としています。「theoros」(見る人)と「~ia」(名詞の語尾に付くもの)が合わさって「見解」という意味の言葉となり、さらに「theaomai」(じっと見る、観察する)という言葉に派生しました。それが「じっと観察して理論化する」という意味に広がって、「セオリー」という言葉に発展したのです。

「セオリー」の使い方・例文

「セオリー」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.セオリー通りにいけば、さっきの実験と同じ結果になるはずだ。
2.あの客はこちらのセオリーが通用しないから、心してかかったほうがいいぞ。
3.サッカーの世界ではよく言われていることだが、勝った試合のメンバーは、次の試合でもそのまま起用するのがセオリーとされる。

「セオリー」という言葉を使う時に、よく見られるパターンが2つあります。1つずつ説明していきましょう。

まず、例文1にある「セオリー通り」です。「理論通り、仮説通り」という意味ですが、少し砕けて「予定通り、思った通り」という意味でも使われます。

もう1つ、例文3にある「~するのがセオリー」という形もよく見かけますよね。これらは「~するべきだ」や「~した方が効果的だ」という意味となります。

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「セオリー」の類義語は?違いは?

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ところで、「セオリー」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「ロジック」

「セオリー」に似た言葉で「ロジック」というものがあります。日本語にすると「論法、論理」です。「セオリー」が「理論」、「ロジック」が「論理」なので、かなり似ているという印象がありますよね。ですが、この2つは別物と考えなければいけません。

「理論」の意味は、前述した通り「個々の現象を筋道立てて説明できるようにするための知識体系」です。それに対して「論理」とは、「議論を進めていくための筋道や思考方法」となります。まだこれでも分かりにくいですよね。もっと違いを分かりやすく説明するならば、完成された考え方が「理論(セオリー)」で、理論立てて説明するための考え方を「論理(ロジック)」と言います

「セオリー」の対義語は?

さらに、「セオリー」の対義語は何でしょうか。

「アクション」

「セオリー」とは「理論」という意味があると前述しました。「理論」という日本語には確たる対義語が存在し、それは「実践」という言葉です。「セオリー」と同じカタカナで揃えたいので、次は「実践」を英訳してみましょう。すると、「practice」と言う単語に行き当たります。しかし、日本で「プラクティス」と言えば「練習」や「けいこ」です。これではしっくりこないですよね。

そこで、「実践」を少し変えて「実行」にしてみましょう。すると「action」と言う単語が見つかります。「アクション」ならば日本語でも「アクションを起こす」などと言いますので、腑に落ちた印象になるはずです。実際に国語辞典で「アクション」を引くと「動作、活動」と書いてあり、こちらがふさわしいと分かります。

「セオリー」の英訳は?

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念のため、「セオリー」の英訳を確認しておきましょう。

「theory」

「セオリー」を英語で表記すると「theory」となります。もちろんつづりも注意しなければいけません。しかし、特に日本人ならもっと注意すべきは発音です。発音記号では〔θíːəri〕と表記しますが、これを無理矢理カタカナで表現してみれば「スィアリィ」という感じになります。「セオリー」とはかけ離れた感がありますよね。やはり英語の発音をマスターするには、実際に使われている英語を耳にすべきです。そして、実際に口にして発音しなければいけません。英語の習得に関しては、「セオリー」よりも「アクション」が重要です。

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「セオリー」を使いこなそう

この記事では「セオリー」の意味・使い方・類語などを説明しました。

特に若い頃は「人と変わったことをやってみよう」「他人とは同じことをしたくない」などと考えがちです。そのチャレンジ精神は尊重すべきでしょう。しかし、「セオリー」を無視していきなり新しいものを生み出すことはできません。基本があってこその応用なのです。話す時にかっこいいフレーズを言おう、他人にインパクトを与えることを言おう、などと思う気持ちは理解できます。それでも、まずは正しい日本語や基本フレーズを覚えることが先です。長年かけて築き上げた「セオリー」を、私たちがないがしろにすることはできません。

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「セオリー」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

「セオリー」の類義語は?違いは?

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ところで、「セオリー」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「ロジック」

「セオリー」に似た言葉で「ロジック」というものがあります。日本語にすると「論法、論理」です。「セオリー」が「理論」、「ロジック」が「論理」なので、かなり似ているという印象がありますよね。ですが、この2つは別物と考えなければいけません。

「理論」の意味は、前述した通り「個々の現象を筋道立てて説明できるようにするための知識体系」です。それに対して「論理」とは、「議論を進めていくための筋道や思考方法」となります。まだこれでも分かりにくいですよね。もっと違いを分かりやすく説明するならば、完成された考え方が「理論(セオリー)」で、理論立てて説明するための考え方を「論理(ロジック)」と言います

「セオリー」の対義語は?

さらに、「セオリー」の対義語は何でしょうか。

「アクション」

「セオリー」とは「理論」という意味があると前述しました。「理論」という日本語には確たる対義語が存在し、それは「実践」という言葉です。「セオリー」と同じカタカナで揃えたいので、次は「実践」を英訳してみましょう。すると、「practice」と言う単語に行き当たります。しかし、日本で「プラクティス」と言えば「練習」や「けいこ」です。これではしっくりこないですよね。

そこで、「実践」を少し変えて「実行」にしてみましょう。すると「action」と言う単語が見つかります。「アクション」ならば日本語でも「アクションを起こす」などと言いますので、腑に落ちた印象になるはずです。実際に国語辞典で「アクション」を引くと「動作、活動」と書いてあり、こちらがふさわしいと分かります。

「セオリー」の英訳は?

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念のため、「セオリー」の英訳を確認しておきましょう。

「theory」

「セオリー」を英語で表記すると「theory」となります。もちろんつづりも注意しなければいけません。しかし、特に日本人ならもっと注意すべきは発音です。発音記号では〔θíːəri〕と表記しますが、これを無理矢理カタカナで表現してみれば「スィアリィ」という感じになります。「セオリー」とはかけ離れた感がありますよね。やはり英語の発音をマスターするには、実際に使われている英語を耳にすべきです。そして、実際に口にして発音しなければいけません。英語の習得に関しては、「セオリー」よりも「アクション」が重要です。

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